をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

大和川のイカルチドリ

昨日のカモメ観察帰途に見かけたイカルチドリ
これまで最も下流で観察したのは河口からの距離標5.6km地点、JR浅香駅付近
ところが、今回は一気に2kmほど下った阪堺線鉄橋と南海本線鉄橋の中間点。

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イカルチドリA 大和川砂州

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イカルチドリB 大和川砂州
昨日は3羽見かけた。つい一ヶ月ほど前30羽ほどのシロチドリの群れを観察した場所

淀川上流部、木津川ではチドリ3種が繁殖した場所があり、山岸氏らが2007年熊本鳥学会
大会で発表した「河川物理がもたらす砂州の砂礫分布から見たチドリ類3種の共存機構」に
あるように営巣に適した砂礫があれば、同所的繁殖も可能なイカルチドリ。、
河口特に海岸付近でイカルチドリが繁殖する例は泉南市・阪南市境に河口をもつ男里川等山地
から海岸への距離が短く、河口砂州と砂礫の混在した南部河川では見られるものの、大和川や
淀川では河口付近での観察例は越冬期においても見られない。一般に礫質環境を好むと考え
られているイカルチドリだが、水の抜かれた冬季のため池においては泥濘地でも普通に観察され
2年連続で観察されている岸和田市久米田池のハジロコチドリのそばにはいつもイカルチドリが
見られる。それほど珍しいわけでもないシロチドリの遡上とイカルチドリの河口進出は今後も動向
を見守りたい。

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この冬はウミアイサが大和川の河口よりかなり上流域、あるいは淡水域でよく観察されている。
スズガモ等の海ガモが時折内陸の淡水域で観察されるのは、寄生虫、傷病、体力低下等で
荒い波に耐えて採餌しなければならない環境を避けているのかも知れないが、実のところは
どうなんでしょう? 大和川を遡上してきたオオハムが落鳥した例が最近ありましたから。

画像は大阪城東外濠、1月17日撮影のウミアイサ雄成鳥繁殖羽 昨年12月29日には
我がフィールドの履中陵でも雄幼鳥が記録されている

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雑種アメヒドリのバリエーション

昨年に続いて今年も年末・年始の連続勤務明けに風邪というより
インフルエンザによる発熱、喉痛、関節痛で10日ほども体調を崩し
さんざんな年明けでした。 ということで、遅遅のごあいさつながら
本年も宜しくお願いします。 とにかく母の判断力や自力遂行力が
衰えているので年末の買い出しや物品の勘違い購入や自分勝手な
料理処理で振り回され続け年末時点で体力は限界でした。

ずっと考え続けているカモ雑種について、今回は飼育鳥である家禽
影響を排除して推察できるアメリカヒドリとヒドリガモの雑種外観から
いくらかでも規則性に迫りたいと思います。
この2種の組み合わせはアメリカヒドリが国内で観察されるように
なってからの経過年数が比較的浅いこともあって、観察例数が多数
あるのに、場所によってアメリカヒドリの影響が強い個体が多い場所
からほぼいない場所まで連続的かつ絶対数が多いことで水面採餌
ガモ類の雑種を考えるモデルケースとして適している。

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A個体 堺市昨年11月末 頭部にわずかに緑色光沢、三列風切に強い緑色光沢

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B個体 堺市昨年12月末 かなりアメリカヒドリに近いが腋羽や体羽羽縁に少し問題

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C個体奥 堺市昨年12月末 一見アメリカヒドリとの雑種?と思うかも知れないが頭央線の
バフ色が白色化、頬が薄くなり、嘴形状も太短いアメリカヒドリ寄り

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D個体 堺市昨年12月末 体羽がアメリカヒドリと中間の褐色味のある灰色で、頭部
緑色光沢の見られる部分も褐色味が強い

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E個体 堺市昨年12月末 上のD個体に似るが頭部に緑色光沢がなく、色味だけで
言えばヒドリガモの影響が強い

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F個体 堺市昨年12月末 観察時はかなり純度が高いアメリカヒドリ幼羽から第1回
繁殖羽移行中の個体かと感じたが頬の褐色味や喉の黒さから多分B個体似雑種

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G個体 大阪市昨年12月末 E個体に似るが側頭部の緑色光沢が強い

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H個体 上のG個体ほどでないが目の周囲に緑色光沢、頬が淡色化、他はヒドリガモ的

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I個体 頭部緑色光沢部分の地色が褐色で嘴基部の黒条を欠く体羽は中間色

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J個体 ヒドリガモとしても問題ないと言えるが、頭央線の白色度が強く、顔の上下を
2分する区画線が見え、体羽も褐色味を帯びる

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K個体奥 E個体に似るが嘴形状はヒドリガモ的で頭央線の白色度も高い
H個体以降も全て大阪市昨年12月末撮影

以上ランダムに11個体をあげてみたが、外観上ヒドリガモまたはアメリカヒドリの
どちらかによく似ていると思いませんか?  そうなんです。雑種といえどもど真中
の特徴をもった雑種は多くないと思います。
雑種が生じる原因として、
1、 強制交尾
2、 托卵
3、 つがい相手の不足
などが考えられるようですが、実際に越冬期のつがい形成、雑種の出現状況などから
国内での雑種出現の主因は迷行や分布縮小・拡大に伴うつがい相手の不足が近縁
他種との雑種形成に大きく関わっているように見えます。 続きで私自身の雑種感の
変遷に少し触れてみます。

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カワアイサ・京都

カワアイサは大阪では観察の難しいカモです。
淀川の枚方市より上流部では毎年見られるようですが、個体数や年齢の
バリエーションを詳細に観察するには不向きですし、最近の大和川での
観察例数増加を見ても、その欠落部分の観察には適しません。

昨日、京都市街地の川でカワアイサを観察しましたが、主目的ではない
ものの雌雄成鳥と雌雄幼鳥が観察でき生きた図鑑のようでしばし観察。
北部の山々は白く冠雪し、大文字山の大の字も上部に積雪が見えました。
金閣寺も雪化粧したようですから冷え込んで、日差しも十分ではなく目的の
全ては叶いませんでしたが興味深い個体を多数観察できました。

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亜種カワアイサ第1回冬の左が雄で右が雌

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雄と雌では体格、頬線の出方、頭部羽毛形状、前胸部白色度などが異なる

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雌第1回冬。 脇と肩羽の灰色のコントラストや頭部の褐色度が雄より弱い

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嘴の色が肉色味を帯び、嘴爪と嘴が赤と黒に明瞭に区分される成鳥に対し嘴爪の
黒も赤色度も弱い 雄第1回冬。

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以前も取り上げたが雄幼鳥にも雄成鳥の翼パターンを予感させる中・小雨覆の
淡色部が見られる

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亜種カワアイサ成鳥繁殖羽雌雄 右が雄
雌繁殖羽ではウミアイサやミコアイサ同様眼周囲が黒くなる

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雄成鳥に威嚇され飛び退く雄第1回。 雌雄ペアには接近する他の雄は幼鳥であっても
威嚇追い払いの対象となる場合が多い

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接近あるいは周囲に雌幼鳥がいても成鳥ペアは大抵無反応であることが多い

<鳥インフルエンザへの観察者対応>
今年も各地で鳥インフルエンザが猛威をふるっています。京都競馬場のコブハクチョウからも
対象インフルエンザウィルスが検出・殺処分されたようですので、我々観察者にどのような対応が
可能か、自身の対応について紹介しておきます。
はじめに、鳥インフルエンザに人が感染し死亡した事例は国内では未報告ですし、その感染が
人から人へ急激に広まるいわゆるパンデミックも世界的に未報告です。 しかしその病原ウィルスに
感染していながら無症候で渡来する野生カモが少なからず身近に存在する以上、我々健康な人も
無意識でこの病原ウィルスを拡散、高齢者や健康弱者に感染させて発症させてしまうキャリアーに
なりえます。実はこの感染していながら発病していない無症候キャリアーの存在と行動が呼吸器
感染症であるインフルエンザの発症に大きなカギを握るのです。 養鶏業者や養鴨業者など家禽を
生業とする方々にとっては死活問題にかかわる鳥インフルエンザの流行ですが隣国の韓国で大きな
流行があった年にはわが国でも流行することが知られており、その警戒と封じ込めには多大な費用
労力が費やされています。決してむやみに恐れず、できうる対応はとる・・・それが肝心です。

カモ観察に出かける際はリーガルの革靴ででかけます。いわゆるドレスシューズと呼ばれるビジネス
対応の靴ですが、レザーソールのものではなくレザーを模した高耐久性の合成ソールのアウトソール
モデルで靴裏に滑り止めの凹凸がありません。そのため不整地では滑りやすく、タンクソールや他の
スニーカーの方が歩行は楽ですが、しっかりした底材のため砂利や尖ったものを踏んでも痛くはなく
泥の付着が溝に入りこんで除去に困ることがありません。平坦な底面ですからアルコール(私は普段
消毒や家庭一般用に安価なイソプロピルアルコールを使用)を染み込ませたキッチンペーパー上で
両足をぐりぐりしてそのペーパーは現地のごみ入れに捨てます。消毒用として販売されているものは
安全を考えてエチルアルコールを希釈したものが多いですが、アウトソールにグルーブ(溝)があると
アルコールの浸透が不完全です。あまり神経質になる必要はないですが、給餌はカモ類の密集を
招き感染機会を増加させると、あくまで鳥への給餌をマイナス要素として捉える専門家が多いのも
事実です。京都競馬場ではネットで仕切って野生の鳥との接触を避けていたのに感染・発症したの
ですから、この理屈には賛同しかねます。ペーパーは持ち帰って処分してももちろん構いませんが、
感染源はできるだけ現地で処分したほうがいいように思います。

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