をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

Rオナガヒドリ雄第1回繁殖羽か

本日紹介する雑種ガモは今季観察したカモで最も最近のもの。
2015年秋から2016年春シーズンの春季にもオナガガモと
ヒドリガモの雑種は紹介したが、今回の雑種は幼鳥の雰囲気を
残しているもののどちらかと言うと、ヒドリガモ雄の影響を受けた
部分が色濃いので、ヒドリガモ雄とオナガガモ雌の組み合わせ
雑種の可能性がある。

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ヒドリガモ×オナガガモ 雑種雄 飛び立ち 4月13日 三重県

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翼鏡の緑色金属光沢部分は広く、ヒドリガモの緑色部分に匹敵する

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雨覆羽縁の濃淡はヒドリガモ第1回繁殖羽とよく似ている

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翼上面はヒドリガモ・オナガガモ両種の特徴が合成されてはいるが
雨覆の淡色部範囲はヒドリガモに近い、 また尾羽形状もヒドリガモ
寄りの傾向が強い

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嘴のパターンはヒドリガモ型。嘴峰に黒色部がなく先端黒色は小さめ。
嘴形状はオナガガモのスレンダーで長い嘴の影響でヒドリガモより長い。

後方に見えるのはアオサノリ養殖のための海苔網と竹竿支柱。
ヒドリガモやヨシガモ、オナガガモはしばしばこの中で採餌、外敵防御を
しているのが見られる。

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2015年秋~2016年春に観察された個体は昨年12月にもこの付近で
観察されているが、中央尾羽は著しく長く、顔の下半分が淡色に抜けて
いて頭部は横長長方形に角張って見える。 この個体の頭部は丸みが
強く、その意味ではヒドリガモに近い。肩羽形状・軸斑もヒドリ的。
※ この個体の腹部及び尾羽は鉄分により赤褐色に染まる、いわゆる
田渋が見られる。外部要素による着色なので、個体由来と混同しないこと。

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2018年2月27日 堺市 ヒドリガモ雄成鳥 腮から喉の黒い個体
以前にこのような個体について触れたが、ヒドリガモを父とする雑種
子孫の影響が強く疑われる。

【関連記事】
「トモエガモ雑種の真性と偽性」
「美白・シミ抜き」

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瓢湖探訪

去る3月7日、かねてからの念願だった新潟県阿賀野市の瓢湖を訪ねた。
若いときには北海道でさえ、バイクで旅することも厭わなかったのだが、
生活費や介護に追われる時間の中で長時間留守にするのはリスクフル
でなかなか直前にならないと決められない。
スタンダード席の夜行バスは殆どがUSJの行き帰りに利用する学生さん
たちが主でおっさんはごくわずか。午前9時前に新潟駅に到着したバスを
降りて、JRの路線を探すが切符売り場の頭上には路線図があったものの、
どのホームからどこ行きの列車が出ているか、まるっきりわからず、列車
先頭の行き先表示を見て回る。
 下調べで新津まで行ってその後水原(すいばら)で下車するのは理解して
いたのだが、ホームの行き先表示に水原まで記載された説明板が見つか
らない。どうしても見つからずに駅員さんに聞くと2時間ほど列車がないと
いう。仕方なく、新津まで向かい、駅の待合室でワンマンのディーゼル車を
待つことに。 新潟からバスで瓢湖に向かうべきだったのかも。 その後
徒歩で30分ほどかかるらしい瓢湖への道のりを肉離れで痛みの残る足を
引きずって歩いたが、湖岸へは20分ほどで到着できた。

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商店街の突き当りが瓢湖に続いていたので、そこから湖岸周遊路に
右奥の建物が売店兼休憩所兼観察舎
この建物内にはカモの写真が掲示され名前が書かれていた。
また瓢湖のハクチョウと水鳥のガイドパンフレットが300円で
販売されており、その中の写真と掲示写真は同じものでした。
トモエガモとの説明がなされていたものは、どう見ても雑種で
トモエガモ×オナガガモ雄でした。 この組み合わせの雑種は
瓢湖では比較的よく観察されるようですから、困りものです。
また、湖岸に設置されたカモ解説板には画像が添えられていた
のですが、「WILDFOWL」 Helm のHilarry Burn 図版の拡大図
でしたが著作権はクリアされているのか気になりました。

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Rホシメジロ雄成鳥冬 メジロガモ×ホシハジロ 瓢湖 3月7日

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Rホシメジロ雄成鳥冬 メジロガモ×ホシハジロ 瓢湖 3月7日

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Rホシメジロ雄成鳥冬 メジロガモ×ホシハジロ 兵庫県尼崎市 1月19日
1.頭頂に尖りが見られる頭部形状
2.瞳孔周辺が淡色で周辺部が赤い虹彩
3.ホシハジロの嘴パターンを少しぼかしてやや小型にした嘴
4.メジロガモよりやや明るい色の羽縁が黒味のある赤褐色の胸部
5.下尾筒両サイドにシナモンブラウンのスポットが見られる

今季、上にあげた新潟県瓢湖、兵庫県尼崎市、愛知県豊明市ほかでこの
雑種雄が観察されており、最近ではこの雑種がメジロガモ×アカハジロの
雑種より明らかに増加した。上記のような特徴でホシハジロ×アカハジロ
とは外観上区別できることが多い。

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3.で解説した虹彩色の特徴がよくわかる頭部拡大画像 瓢湖

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Rホシメジロ雌成鳥冬 メジロガモ×ホシハジロ  香川県2013年3月

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Rホシメジロ雌成鳥冬 メジロガモ×ホシハジロ  香川県2013年3月

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Rホシメジロ雌成鳥冬 メジロガモ×ホシハジロ 瓢湖

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(左)ホシハジロ×アカハジロ雑種雌成鳥 (右)メジロガモ×ホシハジロ雑種雌成鳥
アカハジロとメジロガモでは雄の虹彩色が共に白く、雑種においても虹彩色で
違いが見られるとは考えられないが左の雑種の虹彩はあずき色、右の雑種の虹彩は
灰褐色であり、父種の相違が原因だろうと推測できる。
アカハジロとホシハジロの雑種は20世紀にも少ないながら観察されていたのだが、
21世紀に入ってアカハジロの減少に伴い、またメジロガモの観察数増加に伴い
両種とホシハジロの雑種が顕著に増加する傾向にあって、一時的に増加した
メジロガモ×アカハジロ雑種は以前ほど見られなくなりつつあるように感じる。

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マガモ(家禽由来)×オナガガモ雑種雄成鳥
この組み合わせ雑種はマガモが父であることが多いが、最近福島県で撮影された
画像よりオナガガモ×マガモであるオナガガモが父の組み合わせもありうる。
つまりは、この雑種もツインキャスト雑種であると考えられる。
その美しさゆえ、15年ほど前北海道にタンチョウ他の撮影に出かけた際に北大
演習林の池にいたこの雑種を探した覚えがある。
嘴の色は黄色みのある灰色で峰に黒色部のないものから、オナガガモタイプで
やや太短いものまで様々。

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マガモ×オナガガモ雑種雄成鳥頭部 均一な緑色光沢ではなく後頭光沢優位

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翼鏡はマガモと同様広い範囲で金属光沢をもつが緑光沢
大雨覆に黄土色のオナガガモ由来のラインが見えるが途中から次列風切の
翼鏡に吸収される形、背面の状態は翼鏡と外側肩羽の黒色部以外マガモの  
影響が強い

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雑種の奥にオナガガモ雌の雄化が見える

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一般的なオナガガモでも光線条件により後頭部に緑色光沢が見える

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オナガガモペアのポートレート

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ヒドリガモ雌の雄化も見られた

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集団でディスプレイするミコアイサの群れ

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アメリカヒドリ雄成鳥

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ひしめき合うカモの群れ

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定時には餌撒きが行われる。これがカモの個体数維持を支えているのだろう。

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アイサの第1回冬

昨日より急に春めいた感じで行くところすべてで目的のカモ不在。
甲子園浜、尼崎の雑種2種、大阪城とその周辺、一度も外したことの
なかったアメリカヒドリ1wまでことごとく渡去したのか不在。
自分自身も還暦を迎えるせいか、体の硬さを実感する今日この頃で
三重のオオホシハジロを探して海岸線を一日中歩き回ったためか、
何気ない日常のカモ観察の途中に左足ふくらはぎが肉離れ。 昨日
カモ観察で上った防波堤から飛び降りた際に首から下げた双眼鏡が
上唇を直撃、唇の内側を切ってしまった。

まずはミコアイサのオス第1回冬から

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こちらはミコアイサ雌成鳥、脇から覗く雨覆が白い

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ミコアイサ雄成鳥冬と雄第1回冬(手前)

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ミコアイサ雌成鳥冬と雄第1回冬(奥)

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ミコアイサ雄第1回冬、まだ明瞭にはオスの特徴が出ていない
しかし背の一部に黒い部分や白い部分が現れ始めている

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上の個体の羽ばたき画像、雨覆の羽縁が灰色で鱗模様に見える

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上の羽ばたき画像とは異なる個体だが、雨覆には同様の鱗模様が見える
以上松原市南部で2月末に撮影

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カワアイサ雄第1回冬(左)とメス成鳥  2月8日京都市

コウライアイサ雄第1回冬は「渡来数が少ないカモの見方 ~1.コウライアイサ」
参照。

次に、これまでまとまって多数個体の観察経験がなかったウミアイサ
2月18日に多数のしかも至近距離のウミアイサの詳細が観察できた。

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ウミアイサ雄第一回冬、ほとんど雌に見える変化の少ない個体A
側胸にわずかに網目模様が出かけているように見える

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ウミアイサ雄第一回冬個体B
 ・顔の上半分と下半分に濃淡差があり上はブロンズ色がかる
 ・虹彩はオス成鳥ほど赤くない
 ・側胸にオス成鳥冬に見られる網目模様が出始める
 ・三列風切は淡色で黒く明瞭な縁取りがある
  辺りが春間近のウミアイサ雄の第1回冬の外観特徴か

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ウミアイサ雄第一回冬個体C 3月10日

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ウミアイサ雄第一回冬個体D 3月10日

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ウミアイサ雄第一回冬(上)とメス成鳥冬

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ウミアイサ雄第一回冬(前)とオス成鳥冬(後ろ)の翼上面
将来的に黒くなるであろう部分がうっすら見える
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ウミアイサ雄第一回冬個体Cの翼

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ウミアイサ雌成鳥冬A

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ウミアイサ雌成鳥冬B

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ウミアイサ雌成鳥冬C

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ウミアイサ雌成鳥冬D

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ウミアイサ雌成鳥冬E、顔前方及び腮が全て黒い


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ウミアイサ雌成鳥冬Eの翼

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ウミアイサ雄成鳥冬の翼

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ホシハジロ雄化追加

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intersex Pochardで雄化Aと取り違えていた雄化D 大阪城内濠 1月16日
後頭部にホシハジロ雌によくある白点状部分白化が顕著な個体

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ホシハジロ雄化E個体 2月12日 大阪城内濠
胸は焦げ茶色が強いが、頭部がかなり黒っぽい個体

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ホシハジロ雄化F個体 2月12日 大阪城北外濠
胸を含め全体に淡色の個体
大阪城の濠で5個体、近傍で1個体雄化が観察できたことになる。
他のホシハジロが多く観察できる場所でも比較観察の予定。
雄化は基準の眼ができれば芋づる式に見つかることがあり、
一概にこの数が多いとは言えない可能性もある。

ホシハジロは潜水採餌ガモの中では渡去の比較的早い種です。
それに加えて濠の石垣に取り付いて草刈する作業が続いたことが
渡去を早めたようで、今月に入ってホシハジロ×キンクロハジロ雑種雌が
確認できなくなり、本日は八軒家浜のホシハジロ雄化の姿がありませんでした。

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雄化2例

カモ類の雄化についてはカモ識別図鑑によって一躍脚光を浴びることに
なったが、普通のカモの普通の換羽を知ることがその近道なのですぐに
そのことが理解できるようになるかというと、時間がかかる。
また、雑種はともかく性転換に言及するようで、タブー視する方もいる。
私個人としても、その理由は依然として明らかにできないが、アマチュア
バーダーにできる限界というものもあるので、疑いのある個体に関して
積極的に公開していく形をとりたいと思っている。

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ホシハジロ雄化 C個体 八軒家浜船着き場 2月9日 大阪市
いつも対岸にいて順光条件で撮りにくかったが、この日は水上バス運行前の
時間帯だったこともあってか、船着き場の桟橋に付着した貝類を潜水採餌。
この写真から赤色味のある褐色虹彩であり、アカハシハジロ×ホシハジロ
雑種と同程度の虹彩色であることがわかる。

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胸及び腮は黒いことがわかる。また顔を含めてかなり頭部が黒っぽい。

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このホシハジロ雄化正面画像からは、アカハシハジロ×ホシハジロの顔
に見られる淡色部の範囲は由来がココにあると感じられる。

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以前紹介したことのあるレスキューボートに乗っていた
カッパ鴨(ダッパくんというらしい)をマスコットキャラクターとしている
ダックツアーの水陸両用バス。 天神橋上流を八軒家浜前にさしかかる

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こちらは大阪城内濠と時折行き来しているアメリカヒドリ雄第1回繁殖羽。
大抵の方はこれならアメリカヒドリとするだろうが、今一歩な印象は拭えない。

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この画像でわかるように後頭から後頸にかけて褐色部があり肩羽の銀色味
が総じて強い。

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オカヨシガモ雄化 2月8日 京都市
マガモ属のオスには基本的に波状斑があり、尾筒は黒い。
この雄化では尾筒が顕著に黒くなっている以外に胸や頭部がオス様に
灰色味を帯びてきてはいるが、メス外観の部分は依然として強い個体。

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オカヨシガモ雄化と同日にはカワアイサを15個体ほど観察した。
うち1羽はオス第1回冬後期のこの個体。 他にもオス第1回冬個体は
見られたが、アイサ類の第1回冬の換羽進行による外観差は大きく、
渡去前に雌雄がはっきりするほどに換羽進行するものと、そうでない
ものがいて、和歌山で観察したコウライアイサ雄第1回冬はメス様外観
のままわずかに背が黒くなった程度でした。
仮にカワアイサの雄化がいるならこの外観の頭部がわずかに緑色味を
帯びたような状態のものが見られるのではないかと思う。

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