をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

唇に歌を、嘴に花を

カモ観察終盤になって、雑種ガモの行動観察に時間を割いたこと、
またその観察行から思わぬ雑種すみれの観察や蜃気楼観察が
得られたことで、観察そのものが忙しかった上に、5月1日に行った
淡路島での蜃気楼観察で体を冷やしてしまったあと高熱を出し、
その対応がいい加減だったために、治癒に3週間ほどを要した。
 ですので、今回のカモ観察結果は4月初旬にアップすべき内容
ですが、無用な観察トラブルを避けるため後日掲載の予定が、
遅れに遅れて今頃になってしまった次第。

 さくらと言えば現代ではソメイヨシノを指すのが普通だが、梅や
桜が多く詠まれた古典の世界ではヤマザクラを指すのが一般的。
ソメイヨシノは江戸期に人工的に作出されたいわゆる雑種さくら。
花期にはほとんど新葉が出ておらず、花がパッと咲いてパッと
散る。その潔さ、華やかさが殊更に印象的なさくらで、今年の晴天
続きはその印象に輪をかけたようでした。当然雑種由来ゆえに種
ができず、実生苗から育てることはできず、枝分け、株分け等で
増殖されたクローン、つまりは江戸時代株の分身です。そんな
この春の桜の盛りを奈良県の池で迎えた私は、降り注ぐ桜吹雪の
下でじっと静かに涙していました。幾百、幾千の花びらが宙に舞い
そして池畔の路面を一斉にサワサワと転げ、まるで生きているかの
ように池面に転がり落ちて水面に広がってゆく。そのさくらの儚さを
あはれと慈しんでいたのではありません。

ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月の頃
                                    西行

例年シギ・チドリの情報に真っ先に反応し、珍しい鳥の出現では
異例の早さで情報源にたどり着き、毎日のブログ更新を欠かすこと
がなかったふーさんのブログ更新が3月半ばで止まっていたからです。
ふーさんの造血器関連の病気については昨年の今時分に知ったの
ですが、公園や野鳥写真家の個展に出かけたりしてふーさんと会える
ことを願ったのですが、会えずにおりました。 ふーさんなりの終活だ
とは理解していましたが、あの元気で行動的だった、さすがのふーさん
さえも病魔には抗することができなかったのかと・・・。
西行が詠んだこの歌は辞世の歌ではありませんが、釈迦の入滅した
時期に我が身の最期を遂げんとの願望が河南町の弘川寺で叶えられ
多くの人々に知られることとなった有名な歌が思い起こされます。
如月は旧暦の2月のことですが、現在の暦では3月末から4月初旬に
相当すると考えられるのが、如月の望月の頃の真実です。

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2月にその存在を知ったヨシガモ×オカヨシガモ雑種雄成鳥とヨシガモ雌成鳥その1

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ヨシガモ×オカヨシガモ雑種雄成鳥とヨシガモ雌成鳥その2

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ヨシガモ×オカヨシガモ雑種雄成鳥とヨシガモ雌成鳥その3

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ヨシガモ雑種を含めたヨシガモの群れが池の岸に打ち寄せられた花びらに群れる

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この池は馬蹄形のように細長い形状なので池の端から吹き寄せられた桜の
花びらはその屈曲部を頂点として池中央に集まってまるで橋のようになった。
以上、奈良市3月下旬から4月上旬
これは諏訪湖の御神渡り同様、池周辺部に端を発した力が中央で均衡して
御神渡りでは氷が上部に盛り上がり、花びらではまるで花びらの橋立状態に
なったものと考えられる。

この雑種ガモの観察詳細は後日にあらためるが、亡くなってひと月以上経過
したふーさんが今もフィールドにひょっこり現れるような気がしてならない。
「行動なくして成果なし」これはふーさんの口癖でしたが、何事も実際に行動
ふーさんにはその行動力に加えて天性の勘のようなもの、他者と上手くコミュ
ニケーションをとって情報にたどり着く情報処理力があった。
雑種ガモは2世の誕生が十分期待できる状態だったが、海鳥研究者の子息
よりはるかに遅く鳥見を始めたのに、その好奇心の強さゆえに、衰えぬ情熱
ゆえに多数の野鳥を観察、撮影したふーさんは凄かった。
何かと埋め立て地の野鳥調査や珍鳥で妬まれたりしたが、小柄で人懐こく
色黒な頭にてんとう虫の刺繍入りのキャップを被ったふーさんは忘れない。

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海苔養殖バリカン症とカモ

朝日放送の報道番組キャストのニュースで、海苔養殖バリカン症の原因判明という
ニュースが放送された。
そもそもバリカン症というのは収穫が近い海苔が一夜から数日で消失してしまう、
これまでは奇病と考えられていた現象・・・え、なんで病気と考えられていたの?
ニュースの映像にあったヒドリガモは特に海苔養殖で食害を与えることが既知の
事実であるし、このことは昨年秋に既に報告のあったこと。
50年来の奇病とか、昨秋まで原因が判明していなかったなんて、信じられない。
内湾に生息するマガモ属の主たる採餌物は海辺の構造物等に付着した海藻類のはず。
にわかに信じがたい、こんなこと・・・調査とか学問の連携とかないんですかね。
2月3日に記事にした競技場の糞被害といい、ただただ唖然とするばかり。

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市内初確認

オオバンが急速に勢力圏を拡大している。
一時は都市公園であまりに人慣れしたものが多く見られたバンの姿がかすんで見える。
そのせいか、オオバンの進出でカモ類の採餌にも変化の兆しが見える。

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いなくなったカモ探索のために巡った池で見つけた水底の藻。
種類は不勉強でわからないが、ヨシガモ、オカヨシガモが好みそうだ、水透明度も高い。
案の定、ヨシガモ、オカヨシガモが多く見られ、あとはヒドリガモが多い。

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オオバン成鳥の隙を突いて藻を横取りしようと待つヨシガモ・オカヨシガモ雌成鳥

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浮上したオオバン幼鳥から藻を横取りしたオカヨシガモ雌幼鳥

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軸のついた長い藻なので、あとを着いてまわり横取りするヨシガモ雌雄成鳥

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ヨシガモ3羽の圧力に自ら藻を差し出しているように見えるオオバン幼鳥

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多数のカモがオオバンの浮上を待ち構えるのもしばしば見られた
しかし通例1~3羽程度がオオバン幼鳥をターゲットにしていることが多いようだ
成鳥のオオバンは横取りを嫌って反撃するのを大阪北部でも目撃しており、その辺が
幼鳥や若いオオバンをターゲットとする理由かも知れない

以前、豊中市の服部緑地公園でオオバンが潜水して採ってきた藻をヨシガモなどが横取り
するのを見て、我がフィールドとは随分採餌法が異なると衝撃を受けた。
なぜなら、これまで報告してきたように我がフィールドでは水面採餌ガモといえども自力
潜水して藻を採餌するのが当たり前だからです。ドングリを日常的に潜水採餌しているカモ
達ですから、藻も潜って採るのは当然です。
ところが昨年見た淀川のヒドリガモ達はおびただしい数のオオバンに寄生採餌することが
多く、同じように潜水するアカハシハジロの藻も横取りしていました。

ここ数年大阪南部や大阪城でもオオバンの数が増え、それに伴ってオオバンに寄生採餌する
文化が南部にも広まりつつあるのではないかと思う。

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paradoxical feeding

paradoxical feeding・・・またややこしいタイトルにしよった!
そうお感じの方もいらっしゃるだろうが、私はこのブログ初期から
カモ類の分類や採餌法などに定型的・固定的観念をあてはめることに
疑問を投げかけてきた。

過去エントリー 「色眼鏡で見る」
       「古墳のカモ7~ヨシガモ・潜水採食編」 などがそれ

今回の記事は従来報告してきた水面採餌ガモの潜水採餌ではなく逆パターンにあたる
潜水採餌ガモの水面表層採餌。

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2月10日 並んで水面採餌するメジロガモ雄幼鳥・メジロガモとアカハジロ雑種雄幼鳥
食べているのは風で散ったアキニレの実

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2月10日 ヒドリガモ雌と一緒に水面採餌

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1月25日 ヒドリガモ、カルガモ、コガモと共に水面採餌

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1月25日 ヒドリガモ雄成鳥とメジロガモ雄幼鳥の水面採餌

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1月27日早朝 メジロガモ雄幼鳥、嘴の隙間にアキニレの実が見える

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1月27日早朝 水面採餌直後のキンクロハジロ雄幼鳥、同じく嘴にアキニレの実
手前のカイツブリ同様、通例ここは潜水して小魚を採餌する場所

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1月27日早朝 ホシハジロ、キンクロハジロも水面採餌、点々と見えるのがアキニレの実
以上3画像の潜水採餌ガモの尾羽の状態を見てほしい
水面に接しておらず、いわゆる舟型をしているのがお分かりになるだろう。
潜水採餌ガモは潜水艦形、水面採餌ガモは舟形のシルエットというのは一面に過ぎない

続きでアカハジロ雌幼鳥?の水面系採餌

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バタ足バタフライ

先日来のカモメ画像、実はウミアイサの撮影副産物でもありました。
大阪府内で自然状態の海岸が残る場所はごく限られており、そんな場所は身近にないので
なかなか観察できなかったウミアイサの興味深い採餌法。
ウミアイサは自然海岸でなくとも海岸や河口、池・湖でも見られますが、今回紹介する様な
採餌法は浅瀬を利用した追い込み漁法の一種と考えられるので、初観察でした。

まずはウミアイサのオス
male
まだ完全な繁殖羽への移行が完了していないようで、ややぼんやりした外観です。

male-feeding
これがバタ足バタフライ採餌法、魚を目視で見つけるや浅瀬は走り、浅底部では翼を
バタフライ泳法のように繰り出し、やや深いところではそれらを併用して猛スピードで
魚を追いかけます。まるでロケットブースターのスイッチが入ったように・・・。

male-fishcatch
やや深い場所で魚を捕まえたオス

次にメス、別の日に撮影です
juv
随分近くに来てくれました、実はこのウミアイサが見たかったのです・・・理由はあとで

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岸近くの浅瀬で顔を海に入れて魚を目視探索

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オス同様、魚を見つけると猛ダッシュ。
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まるで水上ジェット機を思わせるスタイルでしょ。

juv-catchup3
岸から離れた場所で魚を見つけてもこの様な姿勢で波乗りのように魚を猛追します。

juv-fishcatch
岸辺に追い込んで大物ゲット!です

juv-fisheating
満足気にすぐに呑み込みました

以上、大方の皆さんはこれをメスと思われたでしょうが・・・
私の考えは実はそうではありません。 それは続きで

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