をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

進みゆく春

3月も終わりになって急に春めいた感じの今春。
桜の開花は早かったものの咲き遅れている花も多い。
いつの間にか太陽も高い位置を移動し環水平アークを見る機会も増えた。

環水平アーク
環水平アーク
この時期には平地からでもはっきり見られる環水平アーク(男里川河口)

「写真集 日本のすみれ」の巻末、発刊の記第一行に 昭和61年初頭、瑞雲が空にかかる頃、 後略
という浜先生の書き出しで、すみれだけでなく同じように空の変化を見ていた先達を思い起こす。
最後の写真提供者の中にはすみれ界の名だたる面々がずらりと名を連ね、面識のある方や、名刺
を頂いた方の名も見える。 現在私がすみれに親しみを覚え、その名を知ることとなったのはこれら
多数の先輩方の功労とデジタルカメラの普及が多くの部分を占めている。

ナガバノタチツボスミレ
ナガバノタチツボスミレ
花茎に微毛がビッシリあり、茎葉が長くないタイプ。紫条もあまり分岐しない。

桜の頃からゴールデンウィークにかかる頃、山道のいたるところで見られるすみれ。
時には見られるすみれがこの種だけではないかと錯覚すら覚えるこのすみれは決して
出しゃばることはないのだけれど、気づけばそこに微笑んでいる、そんな優しいすみれです。
山地のすみれもエイザン、ヒナ、ヒゴ、アカネ、フモト・・・と多彩になってきました。

水鳥の動きもはっきりとわかる季節になりました。
シマアジの通過が見られる頃、この時期を境に冬鳥であるカモたちの数に急な変化が見えます。
また、それらと交替するかのように海岸や農耕地の水辺にシギ・チドリが目立ち始めます。

シマアジ
シマアジ-岸和田市

トモエガモ
トモエガモ
雨の日のトモエガモ。 1ヶ月以上もすぐ近くで皆を楽しませてくれた。

ヒドリガモ
ヒドリガモのペア
10月の飛来以来ずっと仲良しだった、白めがねのメスとのペア。ガビチョウみたいにも見える?

ヨシガモ
ヨシガモ第一回繁殖羽
もう成鳥と区別できない感じだが嘴上の白斑が滲み、頭部の光沢が乏しく、鎌状の三列風切が
やや短い。
このオスは成鳥とともについ最近飛去したようだ。メスはまだ数羽が残っていて、古墳域全体では
ミコアイサ、トモエガモ、オシドリがいなくなったように思えるが市南部の丘陵地ため池などには、
まだ少しオシドリが残っているようにも思える。コガモ、ハシビロなど来た時とは逆に、まるですみれ
の返り咲きのように、早くに来たカモが遅くまで残る・・・そんな印象を受ける。

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タチツボ交雑種タチツボXナガバノタチツボ

スミレ系交雑種の途中ですが・・・
結構よく見られるナガバノタチツボスミレとの交雑種。

すみれを気にして見るようになってから、「あれ?」
と思う株を見つけて観察会で質問。
あっさり、「交雑じゃないでしょう」と却下されたすみれ。
植物観察会でのすみれ質問は多分に???

ということで以下の交雑種は「お墨付き」をもらったもの
ではありませんので、念のため。(これまで掲載分も)

タチツボスミレ
タチツボスミレ
片親のタチツボスミレ、雑種確認地(大阪南部)のもの
登山道の陽当たりのいい場所、雑種群落を挟んで、半陰地にナガバノタチツボスミレ

ナガバノタチツボスミレ
ナガバノタチツボスミレ
もう一方の親であるナガバノタチツボスミレ、大阪府内の南部・北部だけでも大きく葉形が変化する。
花期の茎葉は長くないものも多く、暗緑色~緑色と葉色の変化が多い、北部では赤斑品種も多い。
また、花の側弁には少毛~痕跡程度の毛の見られるものもある、花色も白~濃紫と変化が多い。
花弁の形状は尖らず丸くなくタチツボとニオイタチツボの中間形態、紫条も中間的。
開花初期に無茎種のような咲き方をするニオイタチツボや一部のタチツボに比べ、比較的早くに
茎途中から花柄を出して開花する。根生の葉は暗色で丸いのが普通。

タチツボスミレXナガバノタチツボスミレ
タチツボスミレXナガバノタチツボスミレ(大阪南部)
茎頂葉はやや長く、花期のあとのタチツボの茎葉に似る。小径花~大径花が同一株内に咲くこと
がしばしば観察され、距も白いことが多い。写真の小径花は丸弁傾向が見られる。

タチツボスミレXナガバノタチツボスミレ
タチツボスミレXナガバノタチツボスミレ(和歌山北部)
下部に写った500円硬貨により、かなり大きな株であることがわかるだろうか。
どこで見かけた交雑種もかなり立ち上がる傾向にあり、葉の色は明るい緑色。
背の高い株の茎頂付近に僅かな花を咲かせる様子はどことなくエゾノタチツボスミレ的。

交雑種茎頂の様子
交雑種茎頂の様子

交雑種群落
交雑種群落

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スミレ交雑種3.スズキスミレ

これまで人家周辺のすみれ同士の交雑だったが、今回は山地のすみれ
ヒゴスミレとの交雑種。カツラギスミレの近くで見つかったので管理株の
可能性もある。

片親のヒゴスミレ
片親のヒゴスミレ
ここのヒゴスミレは花弁裏に少し紅が入るが、ほぼ白色の花が多い。

スズキスミレ-花正面
スズキスミレ-花正面
両親の花が大ぶりなので、この交雑種にもなんとなく華やぎがある。
側弁の毛は両親より多い目。花柄には明らかな毛がある。

スズキスミレ-花側面
スズキスミレ-花側面
距には赤紫色素の斑点が見られ、スミレの滑らかな色づきと少し異なる。
この色素は萼にも見られ、花柄にも色素斑として観察できる。
萼片付属体はヒゴスミレの歯牙を受け継ぎ、スミレの半丸とブレンドされ、二峯の牙をもつ。

スズキスミレ-葉と花
スズキスミレ-葉と花
葉はスミレの葉に大きく切れ込みを入れたような櫛歯状、葉裏に少し赤紫色素が出るものも多い。

スズキスミレ-株俯瞰
スズキスミレ-株俯瞰
株の根元には毛がビッシリ。葉には少し翼が認められる。



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スミレ交雑種2.ハリマスミレ

記事内容を予告してから、確かめておきたいことがあった。
それで、本日気にかかる内容を確かめに行ったら、尚更気がかりになった。

今回は解説自体ほとんどなしです。
ハリマスミレ
ハリマスミレ

ハリマスミレ
ハリマスミレ
どちらも雑な写真で申し訳ないです。最近確認に行ったら見つけられませんでした。
撮影当時の細部画像や後日の観察写真が見つかりません。

ハリマスミレと注意すべき他のすみれ
ハリマスミレと注意すべき他のすみれ

ここにはスミレの準白花であるシロガネスミレ(シロカネスミレ)などを取り上げているが、実際には
スミレの2色咲きや変わり咲きも含め、よく似た葉を持つ白花系すみれと区別する必要がある。
本来いろいろ確認できる葉・葉柄・萼・距など細部パーツと全体の雰囲気などから判断する必要
があるが、どうしても花色に判断が引きずられ易い。
おおむね他のアリアケスミレに比べて濃色で、花心から花弁先に向かって淡色化するグラデーション
をもつ花を見かけたら疑って見る価値がある。なんとなくアリアケヒメスミレは逆方向グラデーションか
更に濃色花になるような気がする。唇弁の紫条の入り方や形は判断上かなり重要と思われる。

交雑を疑って、明確な判断が出せなかった花に続きます

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スミレ交雑種1.ヘイリンジスミレ

昨日予告したとおり、本日はスミレXヒメスミレ=ヘイリンジスミレ

以下に示す画像はあくまで私のみが複数年に渡る観察でヘイリンジスミレと判断したものです。
従って、親種の変異や生育地における特性によっては、また両親のどの形質を強く受け継ぐか
によって外見は大きく変わります。
すみれに限らず自然の観察はフィールドに出てナンボのものです。フィールドから帰宅して図鑑
や参考資料を通して考えを巡らせることもまた必要です。
くれぐれも単純にご自分の見たすみれと照合して「そうだ!」「違った!」などという馬鹿げた比較の対象として用いないで下さい。
基本種が判断でき、種々の特徴から総合判断すべきです。


なお、すみれの説明に際し、以下の独自の用語を用います。

窓=有色の花をもつすみれの唇弁基部及び花心の白色部分

花弁紋=唇弁の紫条とは別に花弁に見られる指紋のような文様
      色素のない花弁にもこの紋は見られるため紫条と区別した
      また花弁と並行して見られるはっきりした紋を主花弁紋
      それから分岐した葉の側脈に該当するものを副花弁紋とした

ヘイリンジスミレA
ヘイリンジスミレA
以下の画像も3月下旬富田林市での撮影。
自生か植裁か,自然交雑か人為交配かの判断はできません。
中間型、やや濃色花で花柄の毛が目立った株、草丈7cm程度

ヘイリンジスミレB
ヘイリンジスミレB
中間型、淡色の花もまじり、元気の良かった株、草丈7cm程度

ヘイリンジスミレC
ヘイリンジスミレC
中間型、花柄がヒョロリと長く、草丈はスミレのそれを上回る12cm程度
植物体部分比較へ続きます

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