をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

古墳のカモ第3陣と御廟山古墳発掘現地見学会

朝夕の冷え込みがグッと厳しくなり、山間部の初雪やハゼ紅葉は
例年に比べて、1ヶ月ほども早いのではないでしょうか。
世界遺産登録に向けた百舌鳥・古市古墳群の調査は同時期に
ほぼ、一斉に実施されたため、カモの挙動・滞在数に大きく影響。
例年順調に増加するオシドリの数が激減、トモエガモにも響く。

【仁徳陵内濠】
仁徳陵
23日の夕方近く、内濠北西端の水面にカモが多いので、スコープ
を覗いてみると、トモエガモ♂1羽、ヨシガモ10羽程度、ヒドリガモ
マガモ多数が確認できた。オカヨシガモも3羽いた。
【仁徳陵外濠】
カルガモが正面付近に多数、樋の谷水路近くにはマガモも多い。

【履中陵】
ミコアイサ
黄葉の下でくつろぐミコアイサの一群、手前3羽はマガモのオス。
草刈りが実施され、ようやく濠の視界は確保できるようになったが、
つくり出し部分の草刈りが行われた影響でオシドリが滞在しない。
通過のみとなったため、トモエガモもおそらく今期滞在は絶望的。
ミコアイサは例年の飛来パターンと異なり、周辺部へのメスの飛来
がないままに、エクリプスが1羽飛来。24日には前線の通過に先行
して群れが飛来、今期初めての10羽越え、14羽。♂10、♀4。
マガモは例年の御廟山古墳滞在組が合流しているのか、数が多い。

【いたすけ古墳】
カルガモ
いつもはコガモなので、今回はカルガモ画像。
全体としてはコガモのエクリプスが随分抜けたこと以外変化なし

【御廟山古墳】
調査箇所拡大、大規模調査のため水はほぼ抜かれ、アヒル以外はほぼ姿なし。
<発掘調査現地見学会>
現地見学会前の説明
後方のテントで整理券を配布され、見学のグループ分けが実施される。
整理券には集合時間が記載され、午前9時から15分間隔、200名で案内される
事前説明会で説明を受ける。上空を飛ぶ読売ヘリのせいでほとんど聞き取れず。
以上、大仙公園催し広場。

墳丘仮設橋
かつて仲睦まじい1組のオシドリが毎年見られた場所に向かって見学用仮設橋が
架けられ、墳丘外周を歩けるように仮設遊歩道が設置されていた。工事用鉄パイプ
を利用した一時的なものだが、多人数に対応するべくしっかり架けられていた。

円筒埴輪
いいいよ墳丘つくり出し部分の発掘現場。
画像中央には円筒埴輪列(植木鉢が並んでいるようですが・・・)、右下には転落した葺き石多数。
家形の形象埴輪の破片も見えました。

出口用橋
後円部出口の仮設橋。楠の大木がそびえる。

報道カメラマン
出口仮設橋脇で撮影済み画像を自社にモバイル端末で送信する報道カメラマン。
デジタル一眼+モバイル端末の組合せは今や当たり前だが、自身は2000年より使用。

御廟山古墳全景と見学通路
この画像から見て分かるだろうが、他の古墳に見られる紅葉が見られない。
調査は護岸工事に先立つとの説明だが、墳丘が濠の水によって浸食された事実は
10数年間見て一切感じなかった。むしろ仁徳陵の外濠と中濠の堤の崩落や倒木が
ずっと目立つ。見栄えが悪く、水鳥の生息に多大な影響を及ぼす護岸工事の必要性
は一体何を根拠にしたものなのだろうか?これは前方部南側からの眺めであるが、
一昨年まではこの正面にタヌキもオシドリもいた。彼らはどこへいったのだろう?
近代の改修工事の方がずっとずさんで、古代の技術がとても優れていることをこれら
古墳の現状は物語っていると思う。伐採された巨木の枝葉や木々は容易に戻らない。
あと3画像続きます。

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色眼鏡で見る

このような解説パネル、あなたもご覧になったことがあるでしょう。
同様の解説が野鳥の会のフィールドガイドにも記載されている。
解説のような傾向があるのは事実だと思う・・・しかし問題もある!
少なくとも私の観察フィールドでは矛盾にぶち当たること間違いない。
シルエット判別

潜水ガモの仲間であるミコアイサ・ヒメハジロは直接飛び立つことがあるらしい。

ヨシガモ助走飛び立ち
陸ガモであるヨシガモが助走飛び立ちをする。
短距離の移動を他のカモと競う場合、一旦飛び上がるより助走を併用する方が早い。

ミコアイサ水上姿勢
ミコアイサは潜水ガモの仲間ながら、しばしばこういった姿勢で休息する。(エクリプス)

潜水モードのハシビロ
3羽のオスのハシビロガモ。
左手前のハシビロガモは休息モード、奥2羽は潜水モード。
陸ガモの仲間もすべて潜水して採餌することがあることを以前記事にした。
潜って食べるのは、魚であったり、巻き貝であったり、ザリガニであったり、植物質であったり
実にさまざまで、カモは基本的に雑食なのである。
水上姿勢のシルエットで即断できないことが、お分かりだろうか?

地上での姿勢も陸ガモが立ち上がって周囲を警戒する様子は潜水ガモの姿勢に似る。

これまでにも記事の中で述べたことだが、観察という行為に予備知識は必要でも
予断や思いこみといった色眼鏡は極めて危険である。
見ること自体に識別や認識といった脳活動は必ずしも必要ではないが、考えながら
観察を実行することは、見えなかった世界を切り開くことになる。
澄んだ目で物事を見て、よく考える。 そんな姿勢がきっと世の中さえ変えてくれる!

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ハシビロの採餌とV字航跡

最近の画像からハシビロガモの水面採餌について・・・

ハシビロガモはその独特にして巨大な嘴でヒゲクジラのように
水面に嘴を突きだしプランクトン・藻などの有機物を濾しとって
食べている。このときにしばしば、列をなしたり、旋回したりして
いるのを見かけるが、この表現がどうも違う気がする。

一列行進
一列行進しながら採餌するハシビロガモ

一列に整列して行進採餌しているように見えるが、実は後ろを行くハシビロ
は微妙に前を行くハシビロからずれた位置をとっている。
船舶の航跡や水鳥の移動のあとがV字状の波紋になっているのをご覧に
なった方は多いだろう。朝夕の斜光線の射す水面に描き出される波紋の
芸術にはしばしば見とれてしまう美しさがありますから。
このV字波形、モーターボートのように速いものでも、水鳥のようにゆっくり
進むものでもいつもそのV字角度に変わりがないと思いませんか?
どうも媒質中を伝播する波の速度を移動する物体の速度が上回ったとき
つくられるV字波形は一定らしい。流体力学なのか波動力学なのか扱う
分野はよく知らないのだけれど・・・。
一羽列から外れているハシビロはV字の別方向の波上で採餌している。

V字波形追随採餌の模式図
追随採餌の模式図

実はこのように微妙に前のハシビロからは外れて追随し効率採餌していた。

この隊列はやがて円を描くように旋回したり無限マークのように8の字を描いたり
しては崩れ、また新たな隊列をつくったりして採餌している。
よく円陣を組んでとか円になって採餌していると言われているが・・・

3羽旋回
3羽での旋回採餌

模式図で示すと
3羽旋回採餌模式図
3羽旋回採餌模式図
実際には追いかけトモエ形の三角形フォーメーションになっていることが判る
つまり1羽でも2羽でも旋回採餌するが、3羽以上では円に内接する多角形
の辺上後方に位置して採餌していることになる。1羽・2羽では効率よい採餌
が可能かどうかは分からないがV字波形と旋回による集餌を巧みに利用して
いることは明らかだ。 ランダムに水面採餌している場合にはわざわざ集餌
しなくとも浮遊している餌の量が十分にあるのかも知れない。

多頭採餌の例
多頭採餌の例
キレイに多角形フォーメーションをつくる場合もあるが、多くはこのように渦巻き状
から大多角形を形成したりして、かざぐるま状に見える。 また、集餌の効率は安定
した旋回に移行すると低下する(表層のみの集餌)ようで、しばらくすると逆回転へと
移行したり、バラバラになったりする。

利口なヒドリガモ
しばしばこの効率的水面採餌を更に利用するカモもいる
ここのヒドリガモは潜水採餌の先駆的存在で採餌方法は多様。

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大阪城のヨシガモ

久しぶりの当日更新。

朝から雨模様ながら、前日から雨は覚悟していたので
上手くゆけば9時頃には止み、最悪午前中にはあがる
だろうと思っていた。
そこで、長居の大阪市立自然史博物館で開催中の
「かんさい自然フェスタ2008」を見て、雨の状態を見て
植物園内を散策した。案の定、雨は降りながらも日射し
が出て虹も期待できたが、出現せず。でも雨はすっかり
あがった。無料で楽しめた良い日だった。

次なる目的地は大阪城、昨年シマアジでお世話になり、
その際ヨシガモのメスを見つけたのがきっかけなのか、
その後オスも観察されたそうな・・・。
そんな事情もあって、今期も入ったヨシガモ2羽の雌雄
判断を兼ねて大阪城のカモを見て回る。 なんとなく、
専門家でもない私ごときが有名スポット大阪城の鳥の
意見を述べるなどとは大それたことかと思うが・・・。

雨上がりで、時折陽の射す大阪城は色づいた木々が
一層鮮やかで今秋の見事な紅葉と相まって一幅の絵
を見るかのような光景があちこちで見られた。
まずは、北外濠から・・・いきなりヨシガモ発見。 アレ?
南外濠と聞いていたのだが・・・うーん、メスのようだ。

見つけた途端にお腹の調子が悪くなってきた。風邪の熱
と場所的相性のせいか、ここへ来るとお腹が痛くなる確率
が高い。近くのトイレへ・・・お決まりのようにペーパーが
予備も含めてない!持ってきたポケットティシュは来る時
の電車のシートの汚れを拭いて、残っていない。あー最悪。
仕方なく前の公園売店で購入。戻ってみれば先客が・・・。
コンコン、ノックしても応答がない、扉は半開き。無人かと
入りかけたら、グイッと押し戻してきた。やっぱり使用中。
しばらくして用を足しに入ったら、半開きの意味が判明。
扉が閉まらないのだ・・・・えーっと前にもこの近くで扉を
手で押さえて用を足したのを思い出した。 で、今回は扉
を一旦持ち上げて、扉の上方を思い切り蹴飛ばした。
曲がっていた蝶番の心棒が矯正されて、スンナリ閉まった。

スッキリしたので、青屋門から梅林横を抜け玉造門を経由
して南外濠に向かう・・・ヨシガモがいない・・・仕方なく外濠
を一周して元の北外濠に・・・いたいた2羽のヨシガモ。
結局メス成鳥2羽のようだ。
大阪城のヨシガモ♀

参考のために近所の芦ヶ池の画像を・・・

ヨシガモメス
10月上旬
一ヶ月後
ヨシガモのオス換羽中
エクリプス別個体
エクリプス別個体ヨシガモメス

ヨシガモメス
ヨシガモメス

大阪城のヨシガモの三列風切に灰色味は少なく、あっても付け根付近のみ。
嘴は概ね黒く後頭部の羽に長さが感じられず、総体的に成鳥メスの判断。

一方芦ヶ池のエクリプス個体は共に三列風切を斜めに横断するように灰色
部分があり、全体的に灰色が目立つ。次列風切の翼鏡は緑味が見られる。
(雌雄共に晴天順光光線下では緑が見えるが、曇天下でのメスは黒い。)
嘴はエクリプスのため純黒ではなく付け根に向かってやや脚色に近い肉灰色。
しかし黒味はなめらかで、メスのようにゴマ状黒斑にはならない。後頭部の
羽もやや長く、時としてボサボサ。

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カモのパーソナルスペース

心理学では、平常心でいられるような心理的空間をパーソナルスペースと
呼んでいるらしい。一種の縄張りのようなもんじゃないの?と思われるが
これ、実は可搬性の縄張りの意味で、親密度や攻撃性によって空間の
大小が変化するらしい。行動生態学などで扱う「縄張り」「テリトリー」とは
固定性でないこと、辺縁部でオーバーラップやバッファゾーンがないことで
明らかに意味合いが異なる。

カモが接近した際に、どちらか一方がまたは双方が嘴を半開きにして首を
前方に投げ出すポーズを見たことはないだろうか?「アッチへ行け!」の
威嚇の意味合いを含むようだ。

ヒドリガモ雄化個体の威嚇
暗い場所での撮影でブレてますが・・・頻繁に威嚇姿勢をとりました。
人間でも言えることらしいが、内向的性格ではパーソナルスペースが大きくなり、
神経質からくる過敏性はよりこの範囲を広げる方へと作用する。
このヒドリガモが雄化した原因はこの「あかんたれ行動」からも推測される。
事実、このカモは数日間お気に入りの止まり木を確保・譲歩を繰り返した後
一旦行方不明になり、舞い戻ったものの安定して止まり木を確保できずに
居なくなってしまった。

噛みつき
人気の止まり木などで威嚇に対する譲歩がない場合、噛みつきに至る
メスは右前方でオスの行動を見ている

安堵
「アンタ、カッコ良かったよー」
「ウマイコトいったな!」  さながらそんなところか?

羽繕い
親子・カップルなど親密な間柄ではしばしばこういったシンクロ行動が見られる

そこどけ!
いつも常連のヨシガモ♀の威嚇を受けるが、2羽のためかひるまない

はー、びびった
再び安堵の時が訪れる・・・カモたちはこうして人気の場所や餌場を譲り・譲られ
毎日を送っている。 上陸しても十分なスペースがあるのだが、人間同様に人気
の場所は確保したい心理が働くのか、オスはええカッコしたいのか・・・?

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