をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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ツル滞在一ヶ月

本日の記事に写真はない。現在も滞在中のツル画像を掲載することは、たとえ場所を明示
せずとも農耕地への観察者を誘導しかねないためでもある。

大阪南部に飛来したナベヅルは、地元でカワセミを撮影しておられる方が11月12日午前中に
観察・撮影して以来一ヶ月が経過した。
途中、接近等の撮影圧で20日から21日は行方不明となり、後日奈良に避難していたらしいこと
が判明している。
ナベヅルは一家族と思われる3羽で、おそらくオス成鳥1、メス成鳥2だと思っている。
2005年11月3日から12月30日まで滞在した5羽の内の子連れ家族の再飛来らしい。
また、この3羽は和歌山、徳島でも見られているようなので、毎年適当なねぐらを探して関西方面
に飛来しているのではないかと思う。

【飛来ルートの推定】
過去にも書いたかも知れないが、大阪湾は瀬戸内のデッドエンドとしての地理的状況から鳥でも
歴史でも移動上の重要な位置を占める。九州に上陸・飛来した鳥が瀬戸内海を東進すると大阪
で行き止まりとなるわけで、今回のナベヅル飛来がクロツラヘラサギやツクシガモの飛来と重複
しているらしいことから、同様の渡りルートの存在が見えてくる。
大阪に到達したこれら大型鳥類は淀川等の川沿いに琵琶湖に至り、三重県に南下するルート、
また大阪湾岸を南下するルートに分かれ、紀伊半島御坊付近で合流、四国へ抜けるルートに
ナベヅルも乗っているのではないかと想像している。

【かつては本州でも普通だったツル】
大阪市の鶴橋、鶴ヶ丘、鶴見区・堺市の鶴田町・泉佐野市の鶴原等ツルのつく地名は多く
百年程前には本州の多くの場所でツルが普通に見られたらしい。
今回奈良でナベヅルが見られた場所に近い低山地には屯鶴峯(どんづるぼう)の地名も。
清酒のブランド名も縁起が良いためもあってか、全国最多の数を「~鶴」が占める。

【越冬地復活の動きを邪魔しない】
大げさに自然保護や地元の方の思惑を飛び越えて「~であるべきだ」などと主張する気はない。
しかし、ツルが自発的に祖先の生活した地を越冬地として選択することを妨げてはいけないと
私は考えている。
現在の鹿児島県出水市のような居留地的な越冬場所でなく、小規模であっても本州に数ヵ所の
越冬地がツル達の自発意思を尊重して整備されてもいいのではないだろうか。
そのためにはねぐらである池の水量管理、養魚業への補償、餌場農地の確保等クリアされる
べき課題は多いのだけれど、理解ある地元の方たちの意思をぜひとも反映させて、ツル達が
安心して越冬できる静かな場所が存続できることを切に願う。

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