をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

今季6回目の蜃気楼:大阪

sundog110524
本日夕方の右幻日

本日と明日は先週中頃からの予測で蜃気楼が出やすい状況でした。
前回のこともあり、予測アナウンスはしませんでしたが、明日も引き続き
蜃気楼が出現する可能性があります。 視界はやや低下するはず。

22日と同様本日も雨後の日照不足が懸念されましたが、16時ころには
明石海峡方向、神戸沖方向で蜃気楼(上位)が確認できました。

※ 蜃気楼の出現判定にはその度合・個人差・観測地点等考慮すべき
内容が多々存在します。そのため、アマチュアの私が専門家の方々の
知見を超えるようなことは、まずありません。
これまでの記事内容も私見が多分に含まれておりますので、専門に研究
されている方とは情報が異なりうることをご承知下さい。

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本日は蜃気楼発生可能性大

前回記事の像が縮む現象や沈み込む現象も上位蜃気楼の一種で、しばしばこのような
像の縮みのあと、よく目にする伸び上がりや2像型、3像型の反転合成像が見えます。

本日の視界は明石海峡大橋がくっきりと見えるほどの遠方視界は期待できないものの
晴天の天気、日中温度がぐんぐん上昇する日内気温差、それほど強くならない風速の
予測から10km前後の景色が変形・伸長・圧縮する中等度レベルの蜃気楼の発生が
予想されます。

海辺に出向く可能性のある方は午後見慣れた風景が変形していないか、また沿岸部で
野鳥観察される方は風景の変化に注意してみてください。できれば、スコープに携帯
双眼鏡に携帯といった方法でも、可能な限り画像に残しておくとあとから見てもその
変化がわかりやすいでしょう。

先日から「日蜃協」日本蜃気楼協議会のホームページが公開されています。
トップページのコメントでは本日よりの運用開始となっておりますが、
1週間程前から既に内容の閲覧が可能でした。
日本国内や海外の蜃気楼事例の紹介、研究報告、大阪市立科学館の長谷川学芸員の
研究報告も閲覧できますから、興味のある方は、大阪湾の蜃気楼の参考にご覧に
なってみてはいかがでしょうか?
日本蜃気楼協議会ホームページ http://www.japan-mirage.org/

以下は、夜に記事追加
★ 残念ながら午後は風が強くなり蜃気楼は出現せず

これまでの感覚で出現しそうだと予想しましたが、感覚頼みが強すぎて失敗

次の画像は5月8日午後4時40分頃の蜃気楼画像

5月8日の蜃気楼
クリックで拡大、右は原画像左側中央部の拡大と説明
明石海峡大橋の桁部分が消失して10数キロ先の貨物船が途中で反転して上に重なっています

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どこで見るべき? 大阪湾の蜃気楼

昨年は見ている余裕がなかった大阪湾の蜃気楼
この春は4月の6日、17日、それに5月の5日、7日、8日と既に観測
うち5月8日以外は前日・当日の予想が的中していました。
空に見られる虹やハロ同様、慣れれば予測ができ、肉眼でもある程度見えます。

とはいってもなかなか自由な時間が取れない上に、春は出かけたいフィールドが
多数あって順位がつけられません。それでシギチ観察の合間の5月7日にやっと
撮影時間がとれました。

蜃気楼に興味をもっておられる方は多いのですが、上位蜃気楼と下位蜃気楼の違い
が理解できずに両者を混同されている方を検索で多数目にします。そこで、何が
違うのかがわかるような画像を準備しました。

【大気の逆転層は概ね複層から成っている】
一般的に上暖下冷の逆転層は単層と思われがちだが、実は多重層を成すことが多い。

これはこれまでに大阪湾の蜃気楼あるいは他の場所の出現画像を見て感じたことだが
単純な一重の逆転層だけというのは実は少ないのではないかということ。
もちろん単純で層の薄い逆転層でも近距離で視線高度が合致すれば極めて明瞭な
蜃気楼の出現が予想される。

複数の逆転層と蜃気楼
海面に近い第二逆転層一杯に伸びた船の蜃気楼と複数の逆転層(やや強調処理)
肉眼で見えている層だけでも5層以上確認できる

変形するメインロープと多重逆転層
大きな画像で表示するとより解り易いのですが(クリックで拡大)変形するメインロープと
多重の空気層が強調画像(右)に見える
見ている短時間の間でもトラス構造の桁部分が糸状になったり図太くなったり変形著しい

多重逆転層
こちらの西宮・六甲アイランド方面遠望画像でも3層程度の大気層が見える
大阪湾の下層大気は阪神工業地帯の工場排出物や自動車排出物のためか黄変している
場合が多い

【しばしば下位と上位蜃気楼は同時に見える】
北海道で撮影された四角い太陽や各所の上位蜃気楼写真にはしばしば下位蜃気楼も
同時に見えている場合がある
ただし、明らかに浮島現象と思われる下位蜃気楼画像に上位蜃気楼は出現していない

沈下と下位蜃気楼
これは南港を出たコンテナ船が明石海峡方面に向かう様子を複数枚撮影したもの
喫水線付近に猛烈な陽炎が立っているように見えるが、陽炎と上位・下位蜃気楼が
複合したものである
画像1番2番を見ると1番で一隻と思われた船が実は沈下した前方の船が重なって
見えているのだとわかる 3番も同じ
また5番の画像からは棒状に見える船体の下に下位蜃気楼の倒立像が見える
6番の画像では棒状になった船体が幾分復元して見えているし、手前のヨット
の船体は帆からすると縦に伸びているのが見てとれる

【変形する西宮港大橋】
手前の天然ガス運搬船(投錨中)の舳先を基準に撮影した西宮港大橋
変形する西宮港大橋と「わかなつ」


最初14時前に扁平になっていた西宮港大橋が伸びたり、角張ったり、桁が太くなったり
している様子がわかる
観察距離は西宮港大橋までが約21km、琉球海運(RKK LINE)「わかなつ」までが
約12kmです
「わかなつ」は大橋同様14時頃は扁平に見えました
天然ガス運搬船(投錨中)が短くなったり長くなったりするのは波と風で向きが変化する
ためだと思われますが、明らかな変形は見えません(距離は数キロ)
このことから、自分が見ている場所の高さが逆転層の高さとどのような関係にあるかで
見え方は大きく左右されることを示しています。泉北6区護岸上5m程度の高さから。

他に春型蜃気楼と言われる上位蜃気楼には別によりスケールの大きい寒冷地型も存在し
これは時に数百キロ先の景色までが見えてしまう大規模逆転層を示唆します。
北海道の四角い太陽はこの寒冷地方蜃気楼で早朝の放射冷却による上空暖気との差から
生ずるものと考えられるので、明石海峡大橋越しに見られた大阪湾の四角い太陽とは
成因がことなるものと思われます。
多くの春型蜃気楼は近・中距離に見られますが、寒冷地でしばしば冬に見られる蜃気楼
は遠距離に見られることが多いのではないでしょうか。無論、視程距離も左右するはず
ですが、そのような場所は通例視界が良いことが多いように思われます。

それで中距離程度に出現する大阪湾の蜃気楼を見るのに適した場所はというと
堺市以南では対岸までの距離が蜃気楼に適した距離にならず、航行する船舶も遠いので
大阪市以北の海岸部、できれば砂浜のある低い場所からの観察が適する可能性が高い。
とは言っても、地元堺市からでも探せば適地はあるはずで、もう少し場所探しが必要。
現在の雨が止み、晴天が2日程度続いた日の午後が次なる狙い目だろうか?
まずは、蜃気楼がどんなものかを知ることが先決課題といえるだろうし、もっと多く
の観察報告を蓄積する必要がある。

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