をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

雑種のカモ

今日はビロードキンクロの定期観察に出かけた。
到着時には陽が射してきて、波も穏やかになり、あとはお目当てが近づいてくれるのを
祈るだけ。
残念ながら近づいてくれないので自分から回りこんで対岸方向からの観察に切り替え。
一見何の変化もないように見えるが着実に嘴爪周囲から鼻孔にかけて色づいている。
耳羽周辺の白斑が消えてきて、体羽が摩耗で褐色になった部分と黒くなった部分が明瞭な
コントラストを持つようになった。

帰り際、前回のノジスミレを見てみたが、今回はキレイに開花している株は見つけられず。
初めてこの場所を訪れた際に多数のホシハジロの中に雑種のホシハジロを見つけてすぐに
見失ったことを思い出し、ひょいとホシハジロの群れを見てみたら・・・いるではないか!

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中央手前が交雑種

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背の色、頭部の色、後頭部の段差に注意

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キンクロハジロXホシハジロ交雑種 初めて遭遇した潜水採餌ガモの交雑種として記憶
している。ただ撮影したのは今回が初めて。

以前に紹介したキンクロハジロの関わった交雑種・・・ スズガモとの雑種

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ヒドリガモXヨシガモ交雑種 2011年12月下旬三重県

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外見はヨシガモの頭部をヒドリガモに載せたように見えるが嘴や三列風切に違いが見られる
2010年2月に三重県で幼鳥が見られた際に一度訪問したが遭遇できずにいた。
今回は別の方から連絡を頂き長年見たいと考えていたこの交雑種を見ることが出来た。
第3回繁殖羽ということになるかと思われる。一部観察年記憶違いにより修正。
上記2種の交雑種はそれほど珍しい組み合わせではないが、いざ独力で探すととても困難。
カモに交雑種が多いというのは一部の組み合わせを除くとカモに理解のない方の誤解。
上記2例すら多数の目に触れる人気の野鳥観察ポイント。大多数の方は気づいていない。
ただ、珍カモ・雑種のカモ共に血眼になって探しているわけでなく、いるところでは意外に
あっさり見つかるものです。例えばふと覗いた双眼鏡の第1視野に見られるなど・・・。

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ヒドリガモ雌の雄化ステージ その1

これまで観察したヒドリガモ雌をその外観上雄化進行度から3段階に分けてみた。

今回はその1としてほとんどオス同様の外観まで雄化の進行した個体
このステージになると振る舞いはオスと変わらず、メスとペアリングする。
オス同様ディスプレイしたり交尾姿勢をとることもある。しかしながら秋の
エクリプス羽が顕著な時期には正常オスとは異なり、極めて違和感のある羽衣
をもち繁殖羽の色塗りを失敗したような色あせた羽衣となる。

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これまでに見たヒドリガモ雌の最も雄化が進行した個体(再掲)
2007年3月9日 鶴見緑地

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年末に鶴見緑地で見かけたものの、後日再訪時に撮影しようとして行方不明になった
雄化ヒドリガモ。ある有名な方のブログで堺市内の公園にいることが判明した。
2012年2月中旬 堺市

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上と同一個体の側面、 胸と脇の境界付近に太い横斑の残存が見える。
胸のブドウ色部分の前面に黒色羽縁の顕著な部分があり、これがひとつの特徴
脇に見える雨覆はオス成鳥同様白色から太い白色羽縁の褐色羽まで幅がある

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参考のため同日・同公園で撮影したオス第1回繁殖羽。部分的に幼羽が残存するが、これと
雌の雄化個体はよく似ているのでポイントをしっかり押さえて見ることが大切。



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御廟山古墳の鳥

御廟山古墳はJR百舌鳥駅からほど近い場所にある古墳です。
百舌鳥古墳群では仁徳陵ほどは大きくありませんが、オシドリが飛来滞在するギリギリの
規模の濠をもつため、かつてはカモ観察に最適な場所でもありました。
ところが墳丘の調査・補修工事で環境が変わりカモが戻るのに数シーズン必要でした。

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到着後すぐに墳丘上が騒がしいので見てみると、ハシボソガラスの大群に追われるノスリ
この騒ぎに乗じてハイタカがスルリと墳丘内に侵入するのも目撃
冬鳥が少ないと言われるのと対照的にどこでも頻繁に見かけるハイタカ

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カラスの追撃を必死でかわしていたノスリ

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履中陵から分散した一部と思われるミコアイサ雌雄幼鳥(手前が一回り大きいオス)
例年通り年が明けると周辺に分散して池・古墳でよく見られる

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ハシビロガモオス幼鳥1 脇のシナモンパッチが出ている段階

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ハシビロガモオス幼鳥2 脇のシナモンパッチはまだ薄く幼羽に近い状態

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ハシビロガモオス幼鳥3 かなり成鳥繁殖羽の雰囲気に近いが未完成で嘴の橙味が強い

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ハシビロガモオス幼鳥6羽 換羽段階でメスに見えるものからオスに見えるものまで

他にマガモの群れ(調査前の規模に復元せず)、カルガモ(羽数は調査前規模と同等)、ツグミ、
カワセミ、モズなど。ニサンザイ古墳はオシドリが戻らず、カモは激減。ミコアイサは一時入った
ものの周遊路の手すり整備など景観工事が先行している。イタスケ古墳はコガモが例年に比べ早期に
他場所に移動したのか激減、カルガモ、マガモは変わらず、時折ミコアイサも入る。

最近鳥に関する報道が珍しく続いた。
絶滅したと思われていたブライアンズ・シアウォーターが見つかったことは喜ばしいことだが仮名の
オガサワラヒメミズナギドリが各所で頻繁にタイトルに使用されていて何か作為を感じた。
また、小形シギ類がバイオフィルムを主食としていることが明らかになったというものだが、
以前に生態学会で今回のチームリーダー桑江氏がヒメハマシギの同様生態を発表していたために
やはりそうだったかというのが率直な感想。 最近の京大研究によるトマトの体脂肪分解作用の
発表と同じで皆がワッとこの話題に飛びついて泥干潟以外の場所でソコエビ等を食べていても
何でもバイオフィルムで片付けるひとがいるんじゃないかと熱しやすく冷めやすい国民性に少し
不安。ま、東洋人と西洋人ではものの見方や宗教観まで違うので一概に悪いとは言えませんが。



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鳥と動物園

鳥好きな方が動物園を訪れる目的はいくつかあるでしょう。

その1、 日本国内では見られない、ごく稀にしか見られない鳥の実物が見られる

その2、 冬鳥、夏鳥、旅鳥の日本にいない時期の羽衣が見られる

その3、 通例日本で繁殖しない鳥の子育ての様子が見られる・・・ 等ではないでしょうか

しかしながら、カモのエクリプス羽を観察したいというような場合でも、利用に際して
注意しておいた方がいいことがある。今回はその問題点を挙げてみよう。

問題点1 見たい種が国内で飼育されているかは調べられない

 飼育動物種の詳細が飼育施設によっても異なるが、逐一最新の情報に更新されていない。
 JAZA (社)日本動物園水族館協会の検索で目的の動物がどこで見られるかが調べられるが、
 協会加盟の有無や情報の更新に基準があるわけではないこと。
 つまり、クビワキンクロが見たいと思って検索し、出てきた場所が現在も飼育継続中である
 かは確証がもてない。園内に案内板があっても過去の飼育種の説明ということも珍しくない。
 予め行き先動物園に電話して飼育種を確認しておいた方が無難。

問題点2 目的の種がいても現在の羽衣がどの状態かを判断しにくい

 ネット上には天王寺動物園で撮影されたカモの雌雄繁殖羽とエクリプスを掲載したサイトが
 存在するが、残念なことに内容に誤りが多い。トモエガモの欄などはオス繁殖羽以外、メス
 画像がシマアジのメス、エクリプス画像がコガモの繁殖羽移行中となっていたりする。
 これ以外に飼育個体全般に言えることと思うが、メスの雄化した個体が少なからず見られる。
 雄化は自然状態でも見られるので、むしろ雄化の勉強に動物園は向いている一面もあるが、
 エクリプスや幼鳥の換羽段階とこれら雄化メスを識別するのは素人には無理と思われるので
 独断でエクリプスなどとしない方がよい。 お前も素人じゃないか!というツッコミはこの際
 勘弁して下さい。

以下の画像は私がこれまでの観察から判断した内容であり、担当飼育係もしくは獣医師の
判断を聞いたものではありません。 園の獣医師には逆に雄化発生の原因について何か
参考になる研究はないか尋ねられました。原因にはいくつか考えられるが老化や先天的な
染色体異常などが考えられるが・・・ということで飼育下のストレス原因説には言及する
ことがなかった。

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推定ヨシガモ雌の雄化個体 2009年3月初旬 天王寺動物園

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今回も見られた上と同じ個体 2012年2月中旬 天王寺動物園

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オカヨシガモのペア 2009年3月初旬 天王寺動物園
メスの三列風切などに過剰に分離した斑が見える。 このような過剰斑が雄化の兆候と考えられる。

メスのシマアジ肩羽にも鷹斑(たかぶ)模様が一部認められたが、今回は確認できなかった。

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マガモ雌の雄化個体 2012年2月中旬 天王寺動物園

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別マガモ雌の雄化個体 2012年2月中旬 天王寺動物園
翼の骨に異形成が見られるのか、翼が尾筒上で交差せず左右に飛び出している

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オシドリ雌の雄化個体 2012年2月中旬 天王寺動物園

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正常なオスのオシドリ 2009年3月初旬 天王寺動物園
雄化とは頭部の色や体部の外観が随分違うでしょう


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初ノジ

先日出かけた定期カモ観察の道すがら
いつもは立ち寄らない場所、河口左岸の堤防外側コンクリートの隙間にすみれ
歩くほどに花はないが、株数が目立って増えてきた
もうこの時点で何すみれかはハッキリとわかっていた。

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ノジスミレ開花株

この時期のすみれを早咲きとするか、返り咲きとするかは意見の分かれるところ
厳しい冬の寒さの僅かな晴れ間の暖かさに開花したノジスミレ
コスミレと共に条件さえ合えば、このような厳しい場所でも真冬に花をつける
花が盛りの頃とは違い、葉は枯れ黄色く、披針形の葉は幅広で心形に見えることもある
このような身近な種の変異がすみれの面白い一面。

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上の株の側面、距を見ればノジスミレだと理解できるはず。

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咲きかけの別株

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