をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

反利尿作用の利尿剤

きょうで8月も終わり、何が何やらわからぬ間に夏は過ぎてゆく。

父が退院後も処方されているのはループ利尿薬の一般名トラセミド、商品名ルプラックの
8mg錠。腎機能に悪影響を及ぼさないので、腎不全がある場合には第一選択薬で腎臓の
ヘンレのループにおいてNaとClの再吸収を阻害する。浮腫を取る場合にはアルブミン
投与とループ利尿薬の併用が多用される。
問題は輸液による水分管理を離れて、アルブミン投与もなくなったあとにこの利尿薬による
利尿作用は持続するのかという疑問です。少なくとも父は脳血管疾患による失語で対話が
できなくなって、自分の意思を他人に伝えることができません。喉が渇いて仕方なくとも
更なる飲水を求めることができないのです。その結果意図せず脱水状態に陥るのか、それ
ともある特定の機序でこの組み合わせに脱水は必然なのか、医師でも薬学の専門家でもない
私にはわかりません。
利尿薬を8mgから4mgに減量した方が排泄尿量が多いことは既に書きました。
同じく中止するとどうなるか・・・4mgと同程度の排泄尿量があり、以前の排泄尿量の
9割程度の尿量が確保できるようです。 それだけではなく、血管内脱水が改善された
からか、あるいは電解質の微妙なバランス崩れが補正されたからか体調は今までで一番
落ち着いています。気になる心不全を悪化させないためにも循環血漿量を増加させないと
いう利尿薬使用は納得できるところですが、実際には利尿剤を使わない方が脱水その他
好ましい状況にあるという現実は、どの程度知られたことなのでしょうか?
医学分野はとかくエビデンスを尊重する傾向が強いと感じますが、実経験から学んだ知識
はどの程度次の治療に生かされるのでしょうか。
Web上には獣医師の治療記録として、ループ利尿薬と腎不全を伴う疾患では必ず脱水を
きたす旨の記述が見られます。
とにかく患者家族としては浮腫が軽減されることを望んでいたので、それさえ叶えばかなり
の満足感があるのですが、2か月半かかって却って状態の悪くなった父が不憫です。

※ 父には低アルブミン血症があります。アルブミンが低値ですと十分な利尿作用が得ら
  れず利尿薬単剤では浮腫が軽減されないことが多いです。そのためルプラックの利尿
  作用そのものに疑問を抱いているわけではありません。

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利尿剤中止

本日より利尿剤のルプラック投与を中止した。

理由は早期に血管内脱水を是正するため。もっとも手早く脱水を回避するには点滴が
適しているが、自宅療養中で訪問診療は受けていないため、経腸栄養状態での脱水
回避策は利尿剤の減量もしくは中止という方法しかない。前回退院後の採血結果から
減量投与でも脱水が認められているため、今回採りうる選択は中止のみ。
投与を中止しても血中から薬剤が完全に消失するのにはある程度時間を要する。
2階入院時、退院を急いだ最も大きな理由・・・マグネシウム系下剤の過剰投与から
くる高マグネシウム血症は依然として正常値化していないことがよい理由です。
定期診察のNj医師はアルブミンで浮腫が軽減できると伝えた際に、「すぐ元に戻る
のでは?」という問いに、大丈夫ですと答えたではないか!
浮腫軽減のために入院治療した内科幹部女性G医師は退院後も投与水分量を守った上で
利尿剤を続ければ大丈夫と指導したはず!
退院後、入院時の尿路感染による発熱で再入院した3階のNm医師も再度アルブミンを
投与後、輸液状態での水分調節にも苦労されてましたよね!

製造物や商品ならば説明通りの機能や効果がなければ、例外なく返品や保証の対象と
なるのに、どういうわけか医療処置に関しては説明と違っても、逆に傷つけられたり
生命を失っても保険診療により医療費が支払われるというのはとても不思議です。
それは日本では医師は神様的感覚で敬い、その技術や投薬に一片の疑いも抱かないで
いる患者というのは大勢いますし、医師自身にも自分は真面目に医学を勉強してきて
教えられた通りに対処しているのだから、クレームが出るのはお門違いと感じている
自己批判精神のない方もいるでしょう。医師にも十分な説明のできる対話力と視点を
変えて患者の立場や補助スタッフの立場で自身を省みる姿勢が必要でしょう。

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脱水のループ

昨日の定期診察の父の採血結果で予想されたことと意外なことがあった。

予想されたことは、採血結果から脱水所見があり、またしても高尿素窒素が確認できた。
今回の入院で3階入院後アルブミン投与後の利尿剤導入時、退院後の水分摂取上限厳守
した上での採血結果、2階入院時輸液による脱水離脱後のアルブミン・利尿剤投与後、
退院後の定期診察時と自宅に戻って、経腸輸液による栄養下では利尿剤ルプラックを
使用すると減量投与しても脱水・高尿素窒素状態は避けられないものと判断できる。
入院時主治医にも確認したが、ここはむくみが一時ひどくなっても脱水・電解質異常・
高尿素窒素を回避すべく利尿剤の一時中止、脱水の改善を待って心不全治療薬ハンプ
等でむくみをとるのがよいのではないかと思う。
意外なことは微熱なのでそれほど意識していなかった炎症マーカーCRP、白血球数が
思ったより高値だったことで、繰り返し炎症が起きているのですぐに上昇するのでは
ないかと思われる。

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朝のNHK番組から

朝のNHK連続TVドラマ「あまちゃん」に登場するなつばっぱ(宮本信子さん)が倒れた
あと、自宅療養で使用したベッド、父が長年レンタル使用しているベッドと同タイプです。

パラマウントベッド 『楽匠』 らくらくモーションシリーズ KQ-863S0 がそれで
現行モデルではなく、旧タイプです。 外観から同一モデルと思われました。
介護用品をレンタル使用するか、市町村の補助を利用して自費購入するかは費用や使用期間、
保守の面で難しい選択ですが、このベッドに関しては前ケアマネージャーの判断に準じたものの
完全な誤選択で自費購入ならば短期間で元がとれた計算になります。

本日の放送では上のベッドは登場しませんでしたが、そのあと番組「あさイチ」で帯状疱疹を
特集していました。 一昨日の記事 「口唇ヘルペス」の原因ウィルスである単純疱疹ウィルス
同様に神経節に潜伏感染し、免疫力が衰えたときなどに再帰発症する特徴があります。

単純疱疹・・・初感染時にはあまり自覚症状のない不顕性感染であることが多い。
帯状疱疹・・・初感染時には水痘(水ぼうそう)として、比較的幼少期に発症。


単純疱疹・・・原因ウィルスは単純ヘルペスウィルス(Herpes simplex virus、HSV)
       一般に口唇ヘルペスは1型単純ヘルペスウィルス(HSV-1)、性器ヘルペスは
       2型単純ヘルペスウィルス(HSV-2)が原因とされるが、必ずしも確定的でない。
帯状疱疹・・・原因ウィルスは水痘・帯状疱疹ウイルス (Varicella-zoster virus、VZV)


単純疱疹・・・再帰発症時には主に口唇周囲の粘膜付近の微小水疱として発症するが、場合に
       よってはそれ以外の場所にもできる。
帯状疱疹・・・再帰発症時には比較的高齢者に多い帯状疱疹として発症するが、単純疱疹同様
       過労やストレス等の免疫低下時が多いと考えられる。しばしば局所の激痛と
       帯状の水疱が特徴ながら発症部位によっては、皮膚・神経の損傷程度によって
       治癒に大きな差がでる。そのため早期に抗ウィルス剤によってダメージが少ない
       内に治療を開始するのが望ましい。

母が現在のような認知症傾向を示しだした初期に、下腹部から股にかけて帯状疱疹の再帰発症を
したことがある。症状とできた場所から帯状疱疹の可能性が高いと判断。近隣の女医が診療する
皮膚科を探して受診。抗ウィルス薬投与と皮膚損傷の手当てにより1週間程度で治癒。治りの
早さに女医もびっくりしたことがあった。考えてみれば、この時期に後頭部転倒受傷など、感覚
機能低下を示す怪我や疾病が相次いだ。

番組の中で特定職業の方が帯状疱疹になりにくいとして紹介されていた。ありうるとすれば幼少
児童を相手にする職業かな?と推測したら、やはり保育士さんとのこと。子供たちが水ぼうそう
になる時期に相手する職業なので、常日頃病原ウィルスと接触して免疫機構が活性化、多くの方
が幼少期にかかったきりの病原体を覚え続けていることがその理由らしい。これは多くの感染症
に言えることだが、我々は日常を無菌状態で過ごしているわけではない。 つまり、我々自身が
常に病原体と適度な距離を置いて生活していることが重要で、周囲を完全無菌な状態にして免疫
機構を鈍らせるのはかえって危険な対応であることを示唆している。

きょうは朝から昔リハビリテーションを担当していた方の訪問リハビリが週2回ペースで再開
その前に消防設備・報知機の点検、お昼をはさんで父の定期診察。エリスロポエチン製剤投与
のためのヘモグロビン量変化に期待していたが、増減はなく横ばい。もう少し増量投与が必要
なので、維持量が決定するまでは半月に一度の診察を続けなければならない。採血結果を見て
投与量を決定するので診察時間も従来の倍程度の時間を要する。
また、貧血改善等諸データが安定するには、炎症の沈静化が重要なのだが、今回の採血でも
白血球・CRPに増加が認められ新たな炎症があるのが認められた。久しぶりの入浴後、母
が経口で飲み物・ゼリーを与え、その時のむせが原因だろう。入院前の父なら普通に少量の
飲水、ゼリー食は可能でしたが、さすがに2か月以上絶食していましたので、いきなり経口
摂取は無理というものですが、母は咽喉が渇いたらかわいそうだと聞きいれず難儀します。
帰宅後すぐに浣腸で排便処理、その後夕食。立て続けにスケジュールのつまった一日でした。
ずっと微熱で済んでいた発熱ですが、さっき38.4℃の発熱がありました。

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治癒した傷痕

8月11日に「創傷治療の概念」で取り上げた父の左足甲部にできた擦り剥き傷
翌日の記事でカルテにこの傷が私の治療拒否及び個人的対応で悪化しているにも
かかわらず、医師の治療を拒否したとカルテに書かれてしまったことは既に書いた。
事実は、これも既に書いたが自宅で使用しているモイスキンパッドを使用して、浸出液の
吸収・保護で湿潤治療対応しただけのことでした。私が自身でドレッシング材を交換した
2度目以降はモイスキンを2度交換したのみで消毒はしていません。

skin-barefoot
画像上部左が小指、右が親指側
本日撮影の傷部分(中央のややピンク色の部分が傷痕)、きれいに治っているでしょう
1週間ほど前から既にこの状態ですので、傷が悪化した事実はありません

ラップやモイスキンパッド、プラスモイスト等の湿潤療法で治癒した傷には治りが早い、
傷痕がきれい、治療材料費が安いなど魅力的な要素が多いです。 一部強硬にこの治療
を否定する方たちがいるようですが、目的理解と傷の状態判断ができる(上皮化の判断)
ならば、実に理にかなった方法だと思います。
低栄養下でできた傷や褥創は油断すると、傷部分がえぐれたようなひどい状態になること
も珍しくありません。蜂窩織炎や傷の重症化前に治癒を促進するのはとても重要です。

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