をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

脚が黄色いセグロカモメ

大形カモメであるセグロカモメには移動期、特に春頃の群中に脚が黄色いか
黄色っぽい個体を観察することがしばしばある。
これらの脚が黄色いカモメがキアシセグロカモメであれば話はすごく簡単な
わけだが、現実はそうでなく、以前からその正体について議論されているのが
雑誌や論文に見ることができる。

結論から先に言えば、これら黄色い脚のセグロカモメの正体は‘taimyrensis‘
カモメ識別ハンドブックではタイミレンシスまたはタイミルセグロカモメとされ
日本鳥類目録第7版では恐らく無効なタクソンとして記載がないか、その雑種の
 ※ 無効なタクソン(taxon,複数形taxa)=分類群
片親であるホイグリンカモメをヨーロッパに分布するニシセグロカモメの亜種と
してニシセグロカモメ(英:Lesser Black-backed Gull、 学名:Larus fuscus heuglini
で掲載している。その結果、このようなセグロカモメ vegaeとホイグリンheuglini
の中間的特徴をもつ‘taimyrensis‘は公式にはニシセグロカモメと記載せざるを
えない状況となっている。(あるいはセグロカモメとする。)
日本鳥類目録第7版の記述は近年ホイグリンカモメを独立種として扱う流れに
逆行しているだけでなく、Lesser Black-backed Gullが亜種graellsiiまたは
intermediusに与えられた英名であり、 基亜種fuscusにはBaltic Gullが、
ホイグリンカモメにはHeuglin's Gullがコリンズのバードガイドで示されており、正確な
理解という点で問題があるという指摘は免れ得ない。

tai-1-1
4月5日 大和川
この大形カモメの脚は黄色でなく、やや橙色味を帯びたピンクであるが、魚の死体を
つついている大形カモメの多くは脚が黄色いか、こういった外観の大ぶりのカモメです
翼端黒色部は通例7枚以上認められ、タイミルセグロカモメの要素を感じます。
縄張り意識が強く、攻撃的な要素が特にオスで強いことが感じられます。

tai-1-2
上と同じ個体、同日  頭部は白く後頸の斑もこのようなお辞儀姿勢をとらないと確認
しづらいが、点状ぼかしのかかったような、どちらかというとセグロカモメ的斑が認め
られ、この点でやや容易にモンゴルセグロカモメと区別できる。
『日本における足の黄色い「セグロカモメ」成鳥の観察と識別』 雑誌Birder.1996.4
ホウゲンドウルン、モーズ、森岡照明の写真13にあるのと同様の個体

tai-1
3月11日 大和川 黄色っぽい脚、嘴に黒斑は多くのこれらカモメに見られる 

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上と同一個体の飛翔 翼端黒色部8枚

tai408
4月8日 大和川 上流から流れてきた油揚げ2枚を丸呑みするカモメに油揚げ

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上と同一個体 翼端黒色部右7枚

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3月6日 大和川 ベージュ色味のある黄色い脚、嘴の黒斑はなし

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上と同一個体 翼端黒色部7枚、後頸の斑は鋭く密にあり

tai408w
4月8日 大和川 別個体 翼端黒色部7枚

tai412
4月12日 大和川 この個体も翼端黒色部7枚でした
ミカちゃんは何かもめ?につづく


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青喉の小鳥

オガワコマドリが出ていると川で聞いたのは、数日前のこと。
モニターの画像を見せてもらうと喉の青色部分が大きく雄と推定された。
また、結構その色が鮮やかなことから、成鳥の可能性もあるのかな?ということで
昨日府内の河川敷きまででかけてきた。

スズメ目の珍鳥が出現したからといって、積極的に遠出する性格ではない。
ところが、昨年は雑種カモの観察にでかけた四国の場所にほど近い場所でもこの鳥
が出ていたので、誘われて足をのばし見てきた経緯がある。

bluethroat2013
オガワコマドリ第1回冬羽~夏羽移行中 喉の青色がこの時期急速に拡大しつつあった
大雨覆羽縁のいわゆる赤褐色のGC斑がうっすら認められ、若い鳥であると判断できる
この個体はその後5月初旬頃迄観察されたようで、夏羽になった姿も確認されている

bluethroat2014
昨日見てきた大阪の個体。過去には男里川、大和川付近での記録があるようだが、
十数年ぶりの出現ということで、多数の観察者やカメラマンが訪れていた。
喉の赤褐色部と青色の双方が確認できるほぼ第1回夏羽雄の外観。腹部はこれまでの
個体とくらべてやや暗色だがGC斑が見られるため若い鳥で成鳥ではなかった。

オガワコマドリは迷鳥として捉えられていた時期もあるが、稀な冬鳥と考えられており
記録を見る限り幼鳥の出現が、しかもその大多数は雄幼鳥ではないかと思われる。
バンダーの記録の中には雌幼鳥のものも見られるが、大阪の過去の出現記録は恐らく
雄ばかりではないかと思う。また男里川の個体は餌付けの影響か連続渡来したものの
多くは幼鳥時のみの出現ではないだろうか?
オガワコマドリのおがわは夭折の鳥類学者:小川三紀に因み黒田長禮博士が名付けた
献名であることが山階鳥類研究所の資料ページや鳥類画家小林重三の伝記的書物にも
記載されている。 ところが、当ブログにもコメント下さった「野原から」のgnoharaさんの
2013年02月12日の記事におがわみのりの標本採集に先行すること17年山形県
「両羽博物図譜」に石原多聞採集の嶋野駒が掲載されており、この事実を黒田長禮博士
が認識していれば、イシハラコマドリになっていた可能性があるということです。
小川三紀は鳥学会が日本鳥類目録を刊行するのに先立ち、初代鳥学会会頭の飯島魁氏に
次いで日本の鳥類目録を公開したほどの熱心な研究者であったようなので、黒田博士が
仮にその事実を知っていたとしても、オガワコマドリとされたようにも考えられるが、
後世、そのような事実があったことを検証できるのは記録という作業がいかに大事で
あるかを物語っている。また、事実をありのままに記述することの重要性をまざまざと
感じ取ることができ、近頃のSTAP論文騒ぎがいかに事実を捻じ曲げようとしたかを
曝け出しているようにも思える。STAP論文で見られたように、権威ある組織が広く
深く真実を追求する組織であるならば、このような事態には至らなかったはずだ。
どの学問分野においても、このことを教訓に一部の人達だけが権威を傘に特定の価値観
を押し付けるのが学会のあるべき姿ではないはずで、広くこの世の真実を収集・分析・
公表していくことが、その使命ではあるまいか。
「両羽博物図譜」の嶋野駒の図からは第1回冬羽雄の特徴が感じられ、小川三紀は標本
に付されたコメントに雄成鳥と記しており、黒田博士は雌成鳥もしくは雄幼鳥と記して
いるなど同定に関しては情報の少ない時期に混乱が生じていることが見える。山階が
公開している標本画像からは羽衣詳細が見えないので、その雌雄判断は採集時期も含め
難しい。野鳥の名前ひとつを取り上げても、その背後に秘められた事実は奥深く、時に
我々をドキドキさせるような内容を含んでおり、その実物標本に接することのできる
機会が残されていることは殊更に貴重だと思える。

なお、オガワコマドリには亜種が10種ほどいるようで、その亜種が外観上どのように
識別可能かは知らないが日本に渡来しているものは一部離島の記録を除外するならば、
ほとんどが基亜種 Luscinia svecica svecicaでノゴマ属に分類されており
山階鳥類研究所の資料や標本にあるように Erithacusヨーロッパコマドリ属
には現状含まれていない。基亜種の英名は(Red-spotted)Bluethroat 、他に前掛けに
赤褐色の斑がなく白い斑をもつものがいてWhite-spotted Bluethroat 、それらの中に
亜種L. svecica cyanecula等がいる。
ノゴマ属 Luscinia ルスキニア
 種小名 svecica  スウェキカ(スヴェキカ)
亜種小名 cyanecula キアネクラ
 ヨーロッパコマドリ属 Erithacus エリタクス(エリサクス)

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大、中、小

母は認知症の薬でトイレが我慢できなくなった、眠れなくなったと言う。
けれど、自分が今どこにいるかわからなくなるといったことがなくなった。
しかし、以前ドロボーに盗られたと言っていた現金・保険証が洗濯済み衣類の
引き出しの中から見つかっても、ドロボーが場所を変えたんだと主張する。
このような想像もできない突飛な発想も、今ではあまり積極的に正そうとは
しない。それは、母の考えを否定することが、決して良い方向に向かう方法で
ないことが理解できたから。しかし、言葉の端々に不快感がにじみ出ることは
敏感に感じとられてしまい、しばしば激昂を招き、暴力的態度を誘発する。
母が大きな思い違いの中に生き、時折大金を他人にくれてやって、我が家の
生活費を新たに借金で賄うということも普通になってしまい、神経のすり減る
思いは止まることを知らない。

egrets
左からチュウサギ、チュウサギ、コサギ、亜種チュウダイサギ、コサギ
目先はチュウサギが山吹色、チュウダイサギが薄い青緑、コサギが桃紫色の婚姻色に
チュウサギが埋立地や河口で見られるのは移動時期の短期間だけで、以後は平地の
農耕地に夏ごろから、それまでは丘陵地から山麓の農耕地付近で見られることが多い。

カモメは随分数が減った、その分ウミネコの若鳥が増えてきて、ユリカモメも多い。
大形カモメは数が減ったものの河口部全体の総数では百羽を超えている。

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白いカモメ不在

本日はカモメ観察をご一緒頂いたTさん、ありがとうございました。
白いカモメはもっと下流の砂州に降りたらしく、不在でしたがカモメ類総数は昨日を
最大でやや上回る1300羽ほど。ユリカモメの数がカモメの数を超え優占種でした。

一方大形カモメが減少した分、モンゴルセグロカモメは少なく、2、3羽程度でした。
タイミルについては明日報告することにして、本日の画像を2枚。

mongorian-0412
本日観察したモンゴルセグロカモメ雌タイプ成鳥 翼端黒色部は初列7枚に認める

schistisagus-1s
オオセグロカモメ第1回夏羽、背後を飛ぶのはウミネコ第3回夏羽、その後ろには
モンゴルセグロカモメ別個体

mongolian-gulls
両端(左側は後ろで重なっている)はセグロカモメ、右から2羽目はタイミルセグロカモメ
3羽のモンゴルセグロカモメは左から雌タイプ、雄タイプ、雄タイプ 4月5日

mongolian-f
左側雌タイプの飛翔 翼端黒色部は7枚

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真中の個体、雄タイプの飛翔 翼端黒色部は6枚

mongolian-m2
右側個体雄タイプの両翼挙上 翼端黒色部は6枚

これまで11・12月、1・2月、3・4月の前・中・後期に分けて均等にカモメ観察を
したことがないので、あくまで暫定的印象ながらやはり3・4月のモンゴル発見率は高い。
上の画像を見て、初列風切の黒色部枚数が6枚でモンゴルと判断しうるかの点について、
自分なりの基準で群れをスキャンしてみると、やはりセグロやタイミルとは斑の質や顔つき
で判別しうるだろうと考えており、大形カモメが多い場合に10羽超の観察数を記録しても
別段不思議ではないように思える。

判別に際しての初列風切の黒色部が6枚であること、嘴に明瞭な小黒点がないことは否定的
な要素ではないように思える。特にこれらの要素は11・12月観察のモンゴルには認める
ことが多いものの、年が明けた頃からこのような要素を全て備えて頭部を中心に特に白い
個体は少数派となり、3・4月頃に見られるモンゴルの7割程度が初列黒色部6枚の個体と
考えてよいように思う…もちろん個人的な印象と断っておきます。
セグロカモメがまだ多数見られる中で、総数に占める割合が季節の進行に比例してモンゴル
発見率が高くなるのであれば、種誤認の可能性が高まるが、このところの発見率低下を見る
限り、誤認からくる判断ミスが主因とは考えにくい。

ハンドブックには特に記載されていないが、個人的にモンゴルらしさを感じる特徴点は以下

・ 脚色が灰色がかって見え、セグロにも一部このような個体がいるが傾向として強い。
  特に正面から見た脚は細く見えるが、その色に出やすい。
・ 嘴先端のカーブは先端に行くにしたがって滑らかにカーブするのでなく、先端付近で
  ストンとカーブする傾向があって、嘴高が高い目で、黄色が鮮やか
・ 斑の残存は後頸部にわずかに残る場合があるが、成鳥ではこの時期ほぼ無斑。斑の質も
  ごく細くて短い、あるいは小黒点(痕跡)状。
・ 頭部に占める目の割合が小さく、特に羽毛が立ち気味の際にはやや間の抜けた、かわい
  らしい感じに見える
・ 初列風切の黒色部とそこに食い込む灰色部(舌状部)との境にほぼ例外なく白色部が
  あり(ムーンと呼ぶ?)セグロより明瞭にその枚数が多い。通例P10以外の全て。

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白いカモメを見に行こう

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カモメ白変個体 4月10日

大和川で白いカモメや多数のカモメたちを一緒に観察しませんか?

時:4月12日(土)正午頃から3時頃まで

場所:大和川大橋左岸やや下流側
   南海本線七道駅か大阪市営地下鉄住之江公園駅から少し歩きます
   付近は工事中のため最寄駐車場はありません

見られるだろうカモメ
 
   カモメ 白変個体含む
   ウミネコ 若鳥主体
   ユリカモメ 随分頭が黒くなって夏羽個体が増えました
   セグロカモメ
   タイミルセグロカモメ
   モンゴルセグロカモメ
   オオセグロカモメ   など

カモメはどうもよくわからんという人はこの機会にご一緒しましょう
観察会といった堅苦しいものではなく、一緒に見るだけなので、双眼鏡くらいは
あった方がいいですが、集合も解散も自由です。

朝アップしましたが、夕方に以下の詳細を追加しました

本日午後様子を見に行きました。
現地は川床の砂州面積が潮位の影響を受けるため、いつもより砂州面積が広く露出
しており、下流部の別砂州も多くできていた関係でカモメ総数は1200羽程度でした。
先日までは潮位が高く、下流部砂州の個体も合流していたので1800羽ほどでした。
そのためカモメの総数が全体数を左右しており、次にユリカモメ、大形カモメと続き
最近でも大形カモメは80羽程度観察できます。程度と羽数を記しているのは大群が
常時出入りするため、はっきりした数が表わせません。

※ 現地にトイレはありません。最寄のコンビニでも徒歩15分程度かかります。

  上に書いた理由で白いカモメは河口付近にいて見られない可能性があります。

  最寄駅からも同じく15分程度かかります。

  このところ風が冷たく強いことがあります。ウィンドブレーカー等体温調節が
  しやすい、重ね着してもかさ張らない服装でご参加ください。

  ご一緒にカモメを見るだけですから、参加の有無や名簿の記載等一切必要なし。
  現地で食事しながら見ていただいても結構です。(ゴミはお持ち帰り下さい。)
  河川敷は結構広いので、自転車を置いておくことも可能です。
  現地略図は以下の通り(クリックしてご覧ください)
略図中住吉公園とあるのは、住之江公園の誤りです

guidemap

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