をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

さまよえるメジロガモ

スズガモ属の潜水採餌ガモで近年顕著な傾向があるのは純粋アカハジロの
減少とメジロガモの増加ではないだろうか。
国際的にはホシハジロの減少にも言及されてはいるが、メジロガモ・アカハジロに
ついては、その雑種も含めて動向に注意が必要だと感じる。雑誌バーダーの特集
でもこの2種がまとめて取り上げられたことからも、日本においては別個に考える
ことができないほど密接な間柄にあると言える。

さて、この冬大阪では2羽のメジロガモが観察されている。
1羽は八尾市の難読古墳付近に滞在中のメジロガモ雄成鳥で、もう1羽は大阪市内
淀川わんど群に滞在中の雄第1回冬の幼鳥。

【雄成鳥】
昨年秋から春まで八尾市に滞在した幼鳥が越冬のため帰還したものと推定される。
昨年11月23日午後、出勤前に大阪城にメジロガモ出現の情報が入った。時間的に
見に出かける余裕がないので、翌日様子を見に行くも既に姿なし。撮影された画像は
全体が撮影されたものでなく嘴も見えないものだったが、成鳥と思われる外観。
そのため、更に翌日の11月25日に昨年滞在した八尾市の古墳を訪れると、これが
ビンゴ!。他には同じように予想された先客のSさんおひとりでした。

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2015年11月25日 古墳の濠を泳ぐメジロガモ雄成鳥非繁殖羽

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同じ濠にはキンクロハジロの姿も この後の観察でも常にキンクロハジロがいた

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はばたき時の腹部の羽衣からは幼羽の残存が見られず、成鳥であることを示す

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観察した当日は小雨が降るあいにくの天候。それに昨期滞在した反対側の濠は養魚の
水揚げと池干しのため渇水状態で降りられず、草刈りで周囲がうるさかったので終始
カモ達は落ち着かず、今にも飛び立ちそうな雰囲気。案の定水が少ない反対側の濠へと
このあと移動してしまいました。

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近隣の別池で撮影した同一個体の画像。 12月7日

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前日の移動場所探索時の画像、この2月には既にパンに餌付ていたが、ヤッパリ!

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10日ほどでほとんど繁殖羽らしい羽へと移行した。もっとも天候による写りの差もある。

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移動した小さな近隣の池にはアオコが水面に浮き、アメリカザリガニ幼体の捕食が頻繁に見られた。

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更にもう一枚、アメリカザリガニ幼体の捕食。
この池には他にキンクロハジロ、ハシビロガモ、アヒル等が見られ、しばらくはここで滞在。
のちに水位低下の影響か、大阪城や鶴見緑地に一時期移動後また八尾市内へと戻った。
多くのカモが越冬地である日本の水辺の減少、繁殖地の開発・環境変化の影響を受けて
いる。昨年越冬した池がこの冬もそのまま存在しているとは限らず、身近な場所でも開発
されホームセンターの敷地となってしまった池などがある。そんな池の事情を知らずに渡来
したカモ達は近隣の水辺をさまよい、なんとか代替地を見つけて越冬するのだろう。
またメジロガモ・アカハジロは日本に滞在する数が少ないため繁殖に向けたつがい相手の
獲得は同種の異性でなく、別種の異性を求めざるを得ず、種そのものの雑種親和性と併せ
雑種形成の主因となっているものと考えられる。アカハジロとメジロガモの雑種のみならず
それぞれの種とホシハジロの雑種も最近よく観察されるようになり、一部キンクロハジロとの
雑種も見られているようだ。このメジロガモ成鳥は昨年の幼鳥時より瞬時イナバウアー様の
ディスプレイをすることが多く、小さな池ではアヒル雌との交尾が観察・撮影されたようだ。
カモ図鑑の作者がつぶやいたように、過去の雑誌に掲載された褐色味の強い大形メジロガモ
はこのような雑種由来の可能性が十分に考えられる。
なお、八尾市内でこの個体が初認されたのは11月23日よりずっと前らしく、一旦八尾市に
渡来後、環境変化や人為的影響で2度ほど恩地川・寝屋川ルートで大阪城や鶴見緑地まで
遠征したことになる。

【雑種雄成鳥】

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11月30日 大阪南部 メジロガモ×ホシハジロ雑種雄成鳥(手前)

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上の画像と同一個体。前日とこの日のみの観察で再度訪れたときにはいなくなっていた。

【雄幼鳥】・・・雑種の様相を呈してきました

メジロガモ別個体らしい画像を淀川付近で撮られた方がいるという情報で探しに行く。
あいにく当日は新駅建設中のJR足場が倒壊したという強風の日で、探索そのものが困難な
上に、現地の地形に不慣れで初日は発見に至らず。

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翌日わんどの釣り池で見つけたメジロガモ雄幼鳥 12月12日

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12月17日のメジロガモ雄幼鳥

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12月17日のはばたき画像、腹部には明らかな幼羽が残存

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昨日1月25日のメジロガモ雄幼鳥、後頭部の緑光沢・嘴形状等12月後半からの
雑種疑惑が濃厚になってきた。

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いつ見てもこの個体は藻や水草を食べているようだった。

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参考に2013年1月25日撮影 メジロガモ(右)とメジロガモ雑種(左)
雑種相手はアカハジロ この画像からも雑種である可能性は高い

※ 今年1月13日の朝日新聞DIGITAL記事に鹿児島でのアカハジロ雑種が掲載されたようだ。
記事中、はばたき画像が掲載され、腹部に幼羽が確認できるため褐色に写っている。コメントを
求められた航空科学博物館の学芸員金田彦太郎氏の言葉として「本来は腹が白いはずなので
・・・」とアカハジロではなく雑種だというような内容となっている。コメントを求めるなら同じ千葉県
にある鳥の博物館に意見を求めるのが順当だとは思うが・・・。 実は金田氏、かつては雑誌に
カモ関連の記事を投稿していた知る人ぞ知るカモウォッチャーでもあります。そんな金田氏がこの
ような発言をするとは考えられず、記事のために都合よく内容を書き換えたものと考えます。
当たり前の話ですが、取材時の会話が記者によって都合よく書き換えられ、学芸員が本来意図
しない記事内容になってしまうことはよくあります。 腹部が褐色だから雑種だという理由は論外
で、純粋なアカハジロでも幼羽期は腹部が幼羽に覆われ褐色をしています。繁殖羽へと換羽が
終了した時点で白くなるのは多くのスズガモ属の特徴ですから。
因みに雑種が珍しいと書かれていますが・・・
アカハジロ・メジロガモの関わった雑種>純粋メジロガモ>純粋アカハジロといった個体数の
順位があって、比較的国内で観察例の多い西日本でも雑種の方が多数を占める現状です。
                                       1月29日午前11時半追記

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1羽やないネン

年末から気になっていた池のシギチを3日連続で観察した。
池の水はすっかり干上がって、カワチブナの水揚げも終わっている。
気になっていたのはハジロコチドリの換羽進行状況と複数羽いるらしいヨロネン。
やっと付近のオシドリ、シギチの観察が終わったら今度はパソコンの作動不良。
母の具合に加え自身の健康状態悪化・・・いいことなしの年末年始からやっと
復調の兆しが見えてきたと思っていたら・・・パソコンの電源が反応しない。
少し前から何度か電源ボタンを押さないと立ち上がらなくなっていて、昨日画像
データをすべて外付けディスクにバックアップした直後、完全に立ち上がらなくなり
夜勤明けの今朝からパソコン内部の点検、結果CPUクーリングファンの冷却フィン
に大量の埃が絡まってファンが停止寸前。冷却ファンを取り外して掃除機をかけて
元に戻し電源ボタンを押したら無事作動しました。普段通気口周りしか見ていない
自分の安直さに反省することしきり。

3stints-plover
池底に少し残った水溜りに来るヨーロッパトウネン3個体とシロチドリ 1月20日

3stints
上記画像個体の飛び立ち直後の画像

A-upperwing
上の画像一番左個体のクローズアップ (A)

B-upperwing
上の画像中央の個体、クローズアップ (B)

C-uppewing
上の画像右の個体、クローズアップ (C)

Dstint
D個体、1月21日

BandC-stints
左(B)、右(C)個体 1月20日

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左(C)、右(B)個体とハマシギ 1月21日

BandC-stints3
左(B)、右(C)個体 1月21日

B-back
B個体は頭部の副眉斑とともに背のV模様が鮮明

C-back
C個体の背にはV字状の模様はほぼ見えない

尾羽からの初列風切先端の後方突出、雨覆、三列風切、尾羽の軸斑の濃さ、脚の長さ等より
上記3個体は全てヨーロッパトウネンと考えて矛盾しない。
また敢えて言うならばA個体は成鳥オス、B個体は第1回冬羽オス、C個体は第1回冬羽メス、
D個体は成鳥メスの可能性がある。

rabbit
付近のオシドリ池の隣にあるミカン畑で見たノウサギ。冬毛でも茶色く白くならない。

greenfinch
干上がった池底にチドリ類やセキレイとともに彩どりを添えるカワラヒワ
大半は冬鳥として飛来する亜種オオカワラヒワ

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赤目白

クリスマスからアルバイトは丸一日休める日がなく仕事続き。
他人が休みのときに忙しいのが現在のアルバイトながら、年末・年始等の
手当もなければ、雇用保険以外の保険も交通費支給もない割の良くない仕事。
おまけに一年ほど前から月末に3人いるアルバイトのうち私だけが帳票出力の
仕事を余分にもらい、ここ3カ月は同一案件複数枚の糊づけ作業、新規ユーザー
選別作業も追加され、夜の仮眠時間が削られる始末。 年末は終了時が通常
より遅くなる上に、その前に職場で感染した風邪から眩暈が再発していた。
そのため通例2~3日で治まる眩暈が腰痛とともに悪化。昨日ようやく眩暈が
治るまで下を向いたり、寝返りをしたりといった際に視界が回転し、胃が重く、腰
が固まったかのような不快感が続いた。年末に保険金の給料天引きがあったので
この作業負担が評価されたのかと思いきや、単なる事務処理ミスでした。
元々4人のローテーション仕事が欠員のあるまま一年近く続いているので、
自治会の役員活動や付き合いで休日に丸一日空ける必要のある日があっても、
勤務交代で対処できず不都合極まりない。 母の認知症は順調に進行、最近は
数年前に亡くなった祖母(母の実母)が一人でいると寂しいだろうから、会いに行く
といって聞かず、いくら一時納得してもまだ存命していると思い込んでいる。食材の
ダブリ買いに、保存期限無視、滅茶苦茶な味付けは今も変わらず、食費は半分が
無駄となっていることは変化がない。

そんなわけで、眩暈の程度確認のために元旦に河口の様子を見に行って以来
本日が今年2度目の鳥見。噂に聞いた丘陵地のため池にいるというアカハジロに
合いに行ってきた。10年ほど前に赤とんぼの観察のため秋によく通った場所だが
当時は車で現地に出向いていて、周辺環境が変化したことと逆方向から観察した
ことで最初はなかなか土地勘が戻らなかったが、目当てのカモはすぐに見つけた。
周辺の樹林や湿地には希少な昆虫・植物も多い。

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アカハジロの場所まで先導してくれたルリビタキ雄若鳥

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問題のアカハジロはサイズ上本来ホシハジロと同サイズであるはずながらやや小さい
右からアカハジロ雑種雄成鳥、ホシハジロ雄成鳥、キンクロハジロ雌幼鳥

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曇天下では頭部は黒っぽく見えるのみで頭頂の褐色味は見えない

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この角度で見ると頭部に独特の尖りが見え、嘴の配色・形状とともにメジロガモの影響が見える
脇の白色食い込みは胸部との境目で最大となり通例成鳥繁殖羽では肩羽下縁に達するが、この
カモではやや食い込みが少ない。肩羽の黒色味が弱く、褐色味が強い。

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オオカナダモらしき水草を潜水後にくわえている。このアカハジロ系統雑種では過去に蓮の茎、
ドングリ、アキニレの実、ヒシの実、緑藻の他、小魚やザリガニを食べているのを見ている。

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嘴爪の黒色部は微妙に純粋アカハジロより広く、嘴もやや迫力に欠ける小ぶりなもの。

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来るだろうと予測した場所に採餌に来て8m前まで接近。釣り人も気にしない。

akamejiro-shiny
さすがに晴天下では頭部に緑光沢が出現するが、暗色で頭頂部に褐色味がある。
当初アカハジロ寄りの外観からメジロガモ×アカハジロ雑種雄とアカハジロ雌が交配した
戻し交配(バッククロス)個体の可能性も考えたが、実物観察の印象からはアカハジロ雄と
メジロガモ雌の雑種でも十分にありうる外観だと判断した。なお、不確定な推定ながら父と
なる組み合わせはメジロガモとなる場合が多いと考えられる(体格差要素)が1サイズ程度
ならば大きい種の雄と小さい種の雌の交配も可能かと考える。また子への形質遺伝は父の
外観が優位に反映されるという現時点の推定に基づいている。
したがってアカハジロ×メジロガモ雑種雄成鳥繁殖羽というのが観察から得た結論。
すでに繁殖羽となっているため、時間経過とともに頭部の緑色光沢が増す、脇の白色食い
込みが増す等の変化は期待できないものと考える。
尚、タイトルにある赤目白はアカハジロ×メジロガモの略称として用いた。
父母の組み合わせが逆転しても通例組み合わせ表記は変わらない。

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