をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

泉大津大橋より

カモやカモメの季節は最終盤となり、市街地付近では一部のコガモを残して姿が見られなくなった。
しかし河口から海岸付近には依然としてかなりの数のカモが滞在、シマアジも通過を終え、残るは
カルガモの繁殖、家禽系マガモがよく目にするカモとなる。過去5月ごろに観察が多いナンキンオシ
ぐらいは運が良ければ遭遇の機会があるかも。

この時期恒例の大阪湾の蜃気楼。大阪湾の蜃気楼の特徴はこれまでの観察から比較的高さのある
構造物で観察されることより遠距離型あるいは厚逆転層とでも呼べるものかも知れない。
それはある程度高所、つまりは橋上、ビル高層階、高架鉄道より観察される機会も多く視点位置に
よる影響の出やすい蜃気楼像とはやや異なる印象がある。魚津や琵琶湖の蜃気楼より広範囲に
分布する逆転層により観察者自身が逆転層内部より観察する機会が多く(当然のことながら密度の
異なる物質を透過した光でないと屈折しない=同一逆転層内から観察した光景は変形しない)遠景
に観察できる現象であると共に上位蜃気楼に気づきにくい要因となっているのかも知れない。

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4月26日午後5時頃に泉大津大橋上より撮影した明石海峡大橋

akashi-closeup
上画像の一部拡大
1、明石海峡大橋淡路島側、岩屋付近の島影に角状突起が見られる
2、明石海峡大橋淡路島側メインロープ裾に逆転層境界に沿う変形
3、明石海峡大橋橋桁中央部が逆転層上縁方向に延びて厚くなり、境界部に虚像が出現

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明石方向市街地の拡大画像
逆転層に沿って等高の建物群が見えるがこれは蜃気楼によるタワーリング現象
重機が見えているのはお隣の汐見にあるフェニックス泉大津処分場

この先の人工干潟ではこのところキリアイ、ヨーロッパトウネン等が観察されている。

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トモエガモ雑種の真性と偽性

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見せて頂いた動画から描写したオナガガモとヒドリガモの雑種雄、三重県2月

今期のカモ観察での最大イベントはもちろん氏原さんの「日本のカモ識別図鑑」が
発行されたこと。この図鑑によってカモに対する意識が変わった方も多いはず。
一方個人的にはこれまでで最もカモ観察、というより鳥見に出かける時間自体が
制約を受けて少なくなったことで、予定した観察の大半が未消化に終わった。

本日の話題はマガモ属雑種にしばしばトモエガモの顔模様の雑種が出現。殆どの
例でこれまでトモエガモの関わった雑種とされていたものが、実は違ったと認識を
新たにされた方も多いはず。これまで巷で取り沙汰された「マトモガモ」なる雑種が
実は想像上の雑種でまともなはなしではないと図鑑からは読み取れる。 一方で
国内で未確認とされていた雑種が相次いで確認された。この発見・確認には若い
鳥に興味のある方達の貢献度が高く、今後の活躍に期待できる。

【トモエガモの関わった雑種とそうでないものの顔模様】
雑種を考える上でマガモ属の中央尾羽の長さに関する問いをひとつ。
Q. 次にあげるマガモ属のカモ中央尾羽の長さ(尾端からの突出長さ)を順に並べて
ください。
 
 ・ヨシガモ  ・オナガガモ  ・ヒドリガモ  ・ハシビロガモ

私の考える解答は最後に記しますが、普段意識して観察していない方には、こんな
質問でも自信をもって答えられないのではないでしょうか。

ここで本題のトモエガモに似た顔模様、ここではフェイスパターンと呼ぶことにします。
本当にトモエガモが関わった雑種となんら関係のない雑種に違いはあるのでしょうか?
私にはある程度の明確な違いがあるように見えます。カモ識別図鑑をお持ちの方は
その雑種ページを開いて見比べて頂きたいのですが・・・

◎本当にトモエガモの関わった雑種
頭央線と頭側線を区切る淡色線が真性のトモエガモ雑種には存在します。
ただし、アメリカコガモやコガモの関わった雑種にもこの淡色線が存在しますから、
・ 涙斑が同時に観察できるか
・ 淡色の頭側線が目先で収束するか開放するか判断する必要が生じます
トモエガモの関わった雑種では目先で頭側線が収束、嘴元付近で左右の線が
合流したように見えるがコガモ系雑種では目先で途切れます。

じゃ、なんでトモエガモの関わっていない雑種に似たようなフェイスパターンが出現
するのか?といった疑問にはどう答えるのか。 多分ということになりますが、分化
つまりマガモ属のカモ達が種分化してきた過程において、先祖に相当するカモの
形質にこのような特徴があったのではないかと推定できます。 現在ではフェイス
パターンとしてトモエガモ同様の涙斑を有するマガモ属のカモは稀ですが、共通の
祖先には存在しており、ほぼトモエガモだけがこの祖先伝来の顔模様を色濃く受け
継いでいると考えるのです。その結果観察することの多いマガモとカルガモの雑種
雄にさえトモエガモの涙斑状顔模様をもった個体が観察できます。
ただし、これらの特徴は雄の繁殖羽で見られる特徴なので、雌の雑種や雄化、
色素変異などの他要素が絡んでくると一筋縄ではいきません。

もう一点、本日冒頭のカモ画像には不明瞭ですが白い胸側線があります。
白い胸側線をもつマガモ属のカモで思い浮かぶカモはアメリカコガモでしょうか?
それともトモエガモでしょうか? 冒頭の画像のカモはどちらも親にいません。
なんで? これもおそらく理由は上で述べた内容と同じです。 ただ、特定の
組み合わせの場合にしか出現しないので、メンデルの法則に似た優性・劣性の
ような遺伝的要素が関与しているのかも知れません。
実は過去にこの組み合わせと思われる雑種が大阪の淀川水系の河川で観察
されたことがあり、単純で不勉強な私はアメリカコガモの関わった雑種あるいは
3種が関与した雑種(trigen)と考えていたところ、氏原さんのブログによってその
推定に問題があることに気づきました。 今回貴重な三重県での観察情報を得て
おきながらすぐに行動できず、ようやく時間の取れた当日は深い霧で観察困難で
霧の晴れた午後も発見には至らず、残念な思いをしました。
これだけではなく、奈良県のアカハジロ雑種は複数回の峠越え、京都のクビワ?
キンクロは不在で観察できず、遠出は困難の連続でした。

問いの解答ですが、名前通りオナガガモ成鳥繁殖羽の中央尾羽が最も長く、次いで
ヒドリガモ、ハシビロガモ、ヨシガモと続きます。
図鑑には尾羽を開いて飛ぶ各カモの図版がありますから見比べてみてください。
冒頭のカモ雑種は尾羽の長いカモの組み合わせですので当然尾羽の長い個体が
マガモの絡んだ雑種ではカールした中央尾羽をもつ個体が誕生します。

※ 書き忘れていましたが、トモエガモの関わった雑種では普通は黒い涙斑が
白く(淡色に)抜ける場合があります。また、嘴の色素の下地隠ぺい度は有彩色、
あるいは灰色の場合に黒色無彩色より低く、これらの有彩色、灰色嘴の親から
生じた雑種では灰色でもなく片親の赤や黄色でもない肉色嘴の雑種ができること
があります。
onagahidori418
3度目の正直で観察できたオナガガモ×ヒドリガモ雑種雄 4月18日
やっと出合えた歓喜は一瞬で落胆に。見つけた途端に他のカモが飛んでそれに
つられて沖へ飛んで行ってしまい、撮影できたのは2カットのみ。

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最終作その後

前記事で紹介した作成中のブーツ・ツリーは一昨日に完成。
近所のソメイヨシノは満開を過ぎ、街すみれも初旬がピークだった。
お別れにとでかけたメジロガモ成鳥・幼鳥はともに出合えなかった。
シマアジすら観察できずにカモシーズンが終わっていきそう・・・。

boot
RESHにリッジウェイのオールソール交換に出していたクロケット&ジョーンズ(SHIPS別注)の
スェードチャッカブーツに挿入した自作ツリー。挿入後に靴内面とツリーの隙間が1mmを超える
部分は見られないタイトフィット。

construction-ducktree
構造はこんな状態です

boot-tree
挿入時は踵部分の上下が分離、甲傾斜終端部と干渉せず屈曲挿入できます。
第3作の松製ツリーもツインチューブ改造モデルでしたので、スライド機構は装備
しましたが、挿入時に靴内面の圧迫で踵位置が決定される仕組みでした。
今回は引きバネによって常時踵位置が安定するよう、後部にもストッパーを作成。

duck-tree
カモ好きな私にはこのツリー形状はこういう風にしか考えられず

duck-maxslide
目いっぱい後方にスライドさせて、止め木を噛ませて撮影したもの
目はボアビットドリル15mm径で深さ8mm程度に彫り込んだあと、軸を短縮した透明の
上敷き画鋲を差し込んで瞬間接着剤固定した。そのため曇りで目白のマガモになってしまった。

mallard-tree
着色構想時点でのイメージ画像、実物と比べてどうでしょう?
塗装はいつも悩みの種で、第1作、第3作は大幅に塗り直ししました。
今回もワシンのポアステインの黄色・緑を使用するつもりでしたが、近所では入手できず
カンペパピオの水性アクリル塗料を塗ってからつや消し油性ウレタンニスにウォールナット
ニスを少量混ぜて彩度を落とし、保護塗膜としました。

ツリーの材料となる木にはヨーロピアン・ビーチ、レッドシダー、バーチの他にメープルや
ラジアタ松などが使用されていて、リーガルのツリーではラバーウッドもよく使用された
過去があります。ツリーに最適な木ひいては材料、適切なサイズ、供給元は何を基準に
決めるといいか・・・価格の問題や履いている靴のラストによって結果は異なるでしょう。

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3月の最終作

3月のブーツツリー改造のベースツリー、ラストはフレンチ・クラシック。
古いツリーは骨董的価値がつくものも多く、事実このツリーと同デザインでシングルチューブ型
ツリーが左右別々でそれぞれ1万円ほどでネットオークションに出ているのが確認できた。
画像には写っていないが前足部の甲下を貫通するベンチレーション・ホールが大径で前足部
全体をくりぬいて殻(シェル)構造とする古典的こだわりの部分や踵終端上部が細くとがり気味
になる20世紀中ごろのデザインを引き継いでいるので、1960~70年台の仏PERFECTA製と
推定されるツリー。正直、前足部の幅削りが施されていなかったら、コレクションとして保存した
美しいシェイプを持つツインチューブ・ツリーが今回のベース。

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踵部分を固定する細長い釘をわずかに広げた穴から、細い先端のラジオペンチで引き抜いた。

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屋形船の積み木?と間違えられそうな今回の追加部材。3枚のヨーロッパビーチを山の字状に
外板、中板、内板と接合、屋根の傾斜は端材の角材を三角断面にして接合。
踵部も後端を1cm程度カット短縮して成形し直している。24.5cmの足に8Dベースの改造を
実施しているため。

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上画像、右足の側面3枚の板を接合、前足部のカーブに沿うカットのみ施した状態。

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こちらは左足、ほぼノコギリによる直線ラフカットを終了、削りで曲面を出せば完成。

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今回はT字型レールを踵部に作成、これを上物で挟む、モノレール仕様のスライド機構
前回はストッパーを前側だけに付けたが、今回は踵側に美観と靴内面保護の観点から後ろ側にも
作成することにした。で、何の形を目指しているかと言うと・・・マガモ頭部形のブーツツリーです。
左足は常に右足に先行して作成、イメージを練るので仮留めビス穴が空いています。

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