をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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2km先の蜃気楼

※ 上位蜃気楼の発生するのに必要な最短距離は従来4~5km
程度と言われており、今回の観察結果は視点高度が低いといった
条件を加味しても、事実はそれを大幅に下回ることが確認できました。
そのため福島県猪苗代湖等の近距離蜃気楼に懐疑的な意見よりも
実際的な観察の蓄積の有無が大事だと考えています。
伴氏の琵琶湖での事例では5km程度に上位蜃気楼が見られる。
「蜃気楼のすべて!」で木下氏解説では4km程度とされている。
星氏の解説による田沢湖春山から姫観音の観察と思われる2.3km
の短距離蜃気楼報告があり、今回の観察はこれをさらに0.5km程
下回る距離での観察となった。

先ごろ4月19日から4月22日は好天に恵まれ、春特有の穏やかな
晴天となったので、何れの日も上位異蜃気楼が観察できた。
今年は2012年以来の蜃気楼の当たり年のように感じていて、自身は
既に何度も大阪湾で上位蜃気楼を観察している。 大阪湾の蜃気楼は
その存在が知られるようになって、新聞報道もされたのだが、その後
新たな観察者による情報はほとんど得られず、十分な理解が浸透して
いないように感じる。
一方で岡山県瀬戸内市での観察写真や三重県四日市市での確実な
観察情報が得られていて、個人的には香川県でJR予讃線乗車中に
詫間付近から瀬戸内海の上位蜃気楼を見ている。 またその後発行
された「蜃気楼のすべて!」 日本蜃気楼協議会 には千葉県の例が
紹介されているし、茨城県での観察例も報告されている。  まだまだ
知られていない蜃気楼スポットは存在するものと思うし、ここなら出現
が期待できそうだという場所は多い。

smirage-fishingpie
神戸市垂水区塩屋漁港東岸下の海岸から見た須磨海づり公園の桟橋
4月20日午後3時半頃 Mapionのキョリ測で2kmと表示される。
正方形の土台が消えて、支柱が伸び桟橋が紙のように薄くなっている。
後方に見える神戸スカイブリッジも存在がわかりにくくなっている。

port-liner
同じ場所から見た神戸スカイブリッジの変形を海釣り公園桟橋越しに
見たもの。こちらは10km以上遠方の変化。 形状や距離から考えて
琵琶湖大橋の蜃気楼変化と同様な変化が見られるものと考える。

kobe-airport
当日午前10時頃から午後5時頃までの神戸空港の見え方変化
午前中は護岸の波消ブロックの伸び(画像1.2)が見えていたが午後に
なると手前に発生した逆転層の影響で建物下部が著しく縮み(画像3)
その後は空港島の建物が2像化して分離(画像4)し、建物全体が縮み
(画像5)高さがなくなって、やや縮んだ状態ながらほぼ復元した。(画像6)
以上の観察は視点高度が海抜1mの場所から。


concerto
垂水区平磯緑地で午前中に観察したレストラン船コンチェルトの扁平化
舳先が薄くなってバランスの悪い姿に見える。

daihatsu
ダイハツ自動車の自動車運搬船ダイハツ丸
コンチェルト同様舳先がスプーンのように薄くなって見える
左の建物は対岸のりんくうゲートタワービル
                       以上視点高度約4m 

以下の画像は再び視点高度1mの場所から
2-ships
倒立画像が上に乗る典型的上位蜃気楼 2像型の漁船
右のほうに見える黄色の物体は同じく倒立像と繋がった航路標識
更に右の水平線上に見える白い建物は関西電力南港発電所煙突

towering
伸びあがった天然ガス運搬船

mix-ships
左:マルキン醤油運搬船の賀茂丸 ジョーズの口のような3像型に
中:やや扁平化した2kmほど先の漁船
右:10km以遠の船は4像化して見えていた
蜃気楼発生時は近景・中景・遠景と程度の異なる蜃気楼像が混在
して見えるのが面白い

 これまでは大阪南部からの観察が主であったため、大阪湾の蜃気楼
観察適地という観点からはなかなか評価できなかったが、蜃気楼発生
は午後からのことが多く、その点では観察対象物を順光条件で観察が
できる神戸、明石、淡路島からの観察に利があると言える。
その理由は上の観察写真でお分かりのように逆転層が黄ばむことなく
対象が比較的クリアに捉えられること、対象物の細部がつぶれにくい
ことなどで、20km以上離れた場所では黄変帯として見えることはある
ものの、大阪側からの観察より蜃気楼が見易いと言え、これまで抱いて
きた推測が正しかったと言える。このような地の利プラス砂浜等、障害
物に左右されることなく海辺に接近できる場所が兵庫県側に圧倒的に
多いというのも理由のひとつ。これは行政の考え方の違いなのかなと
諦める部分も多々存在する。

【視点高度】 この条件は蜃気楼像を観察する上でとても重要であり、
特にダルマ太陽の撮影をされる方には是非知っていていただきたい事実。
カメラレンズの光軸高さや観察者の視点高度は低ければ低いほど良い。
低いほどダルマの土台は大きく写り、上位蜃気楼は近接してダイナミック
に見える。ですから岸壁での立位撮影より、砂浜に座り三脚は開脚して
撮影する方が有利です。同じ理由で高所からの蜃気楼観察は不利ですが
遠景蜃気楼に関しては20m以上の高所からでも普通に観察できることが
あります。 但し、砂浜での観察は干満の知識を充分に活用し事故のない
よう心がけてもらいたい。

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Rオナガヒドリ雄第1回繁殖羽か

本日紹介する雑種ガモは今季観察したカモで最も最近のもの。
2015年秋から2016年春シーズンの春季にもオナガガモと
ヒドリガモの雑種は紹介したが、今回の雑種は幼鳥の雰囲気を
残しているもののどちらかと言うと、ヒドリガモ雄の影響を受けた
部分が色濃いので、ヒドリガモ雄とオナガガモ雌の組み合わせ
雑種の可能性がある。

wogeon-hybrid1
ヒドリガモ×オナガガモ 雑種雄 飛び立ち 4月13日 三重県

wigeon-hybrid2
翼鏡の緑色金属光沢部分は広く、ヒドリガモの緑色部分に匹敵する

wigeon-hybrid3
雨覆羽縁の濃淡はヒドリガモ第1回繁殖羽とよく似ている

wigeon-hybrid4
翼上面はヒドリガモ・オナガガモ両種の特徴が合成されてはいるが
雨覆の淡色部範囲はヒドリガモに近い、 また尾羽形状もヒドリガモ
寄りの傾向が強い

wigeon-hyb1
嘴のパターンはヒドリガモ型。嘴峰に黒色部がなく先端黒色は小さめ。
嘴形状はオナガガモのスレンダーで長い嘴の影響でヒドリガモより長い。

後方に見えるのはアオサノリ養殖のための海苔網と竹竿支柱。
ヒドリガモやヨシガモ、オナガガモはしばしばこの中で採餌、外敵防御を
しているのが見られる。

wigeon-hyb2
2015年秋~2016年春に観察された個体は昨年12月にもこの付近で
観察されているが、中央尾羽は著しく長く、顔の下半分が淡色に抜けて
いて頭部は横長長方形に角張って見える。 この個体の頭部は丸みが
強く、その意味ではヒドリガモに近い。肩羽形状・軸斑もヒドリ的。
※ この個体の腹部及び尾羽は鉄分により赤褐色に染まる、いわゆる
田渋が見られる。外部要素による着色なので、個体由来と混同しないこと。

wigeon-blackthroat
2018年2月27日 堺市 ヒドリガモ雄成鳥 腮から喉の黒い個体
以前にこのような個体について触れたが、ヒドリガモを父とする雑種
子孫の影響が強く疑われる。

【関連記事】
「トモエガモ雑種の真性と偽性」
「美白・シミ抜き」

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オオミヤスミレ(雑種)

前回紹介したすみれも今回のすみれも、現システムではただ写っている
それだけでしかないものだが、すみれの時期に過去ずいぶん探したが
見つけられなかった平凡種同士の雑種。それが今回紹介するすみれで
報告者が観察した埼玉県大宮市に因んで名づけられています。
現在はノジスミレ×スミレといったように種名併記の記載が一般的ですが
愛好家の多いすみれには雑種や変異品にも固有名があることが珍しくは
ありません。

【花粉親】ケナシノジスミレ
kafunoya
過去に観察した植物体に毛の無いノジスミレは海岸付近での観察が多く、
このノジスミレも半日陰の風通しのよい路地の海岸寄りアスファルト地面に
生育していたもの。近くのネットフェンス脇にはより典型的ノジスミレが多数
ビルの隙間にあった。 葉の鋸歯は明瞭でその縁は極端に波うち、うねる。
表面の光沢も強めの三角披針形。花は淡色気味でやや赤みがある。

【子房親】スミレ
sibouoya
海岸近くのネットフェンスで囲われた駐車場隅の向陽地に生育していた
どことなく変種ホコバスミレに似たスミレ。細花弁でやや赤みが強く、葉柄の
翼が明瞭で立ち上がる傾向の強い株。葉の鋸歯は目立たず、形状はへら形

oomiya-kabu
雑種 オオミヤスミレの株
傍らに置いた20年近く使用しているAF-VR80-400mmf5.6の縮長が18㎝程。
高さ30cm弱、横幅・奥行とも25㎝程度もある大株です。このように大株で
勢いのあることが認められるものを雑種強勢と言います。
両親種よりも大株で辺り一面に繁茂するこのような雑種強勢の生育特徴、
それに花後に種子をつけない雑種不稔等が雑種か否かの
判断根拠となるのですが、この株はどちらの特徴にも合致しているようでした。
葉の基部から先端までは大株のもので9cmから12cm葉柄基部から葉の
先端までは30cmほどで幅は3cmから4cmほぼ無毛で縁の鋸歯は明瞭
長披針形の立ち上がり傾向の強い葉が特徴でした。

oomiya-inv
オオミヤスミレ 生育状況
残念ながら花期最盛期はすでに過ぎていましたが、稔性確認も一部可能でした。
手前側がノジスミレ側、奥がスミレ側で花粉親に近い株が最も大株となっていた
のが印象的でした。

oomiya-fl1
前エントリーで紹介したノジスミレに近い淡色花。コンクリート壁とアスファルトの
隙間に半日陰状態で育っていました。花弁縁が波打つ傾向、正面からは柱頭が
見えにくい、側弁無毛(一部ややオトコノジスミレ的側弁有毛品あり)等ノジスミレ
外観の強いふっくらした花弁をもつ雑種で、花弁紫条の走り方はよくノジスミレに
似ていました。

oomiya-fl2
雑種 花単体

oomiya-fl-side
雑種 花側面
距の形状はノジスミレに近いものが多く、子房親のスミレほど花弁に近い色を
しているものは少なく、花弁よりやや淡色、花柄共に無毛。

私が過去に観察したスミレの関係した雑種として・・・
スミレ×ヒメスミレ・・・ヘイリンジスミレ
スミレ×アリアケスミレ・・・ハリマスミレ
スミレ×コスミレ・・・モチヅキスミレ
スミレ×ヒゴスミレ・・・スズキスミレ
スミレ×エイザンスミレ・・・エドスミレ
スミレ×サクラスミレ・・・アルガスミレ
スミレ×アケボノスミレ・・・タカミズスミレ
スミレ×シロスミレ・・・キリガミネスミレ
スミレ×フモトスミレ・・・コマガタケスミレ
スミレ×シハイスミレ・・・ホウフスミレ   等がありますが
個人的に強く印象に残っているのはたった一輪だけ陽が差し込む山地の
斜面に咲いていたエイザンスミレ×ヒナスミレ・・・オクタマスミレでした。

すみれに限らず生物の識別の話をしていると、識別点至上主義のような方が
たまにいて、野外識別のためのフィールドマークとJizzを混同しているうえに
Jizzは正確な識別の根拠の隠れ蓑のような発言をされる方がいるが、一度
すみれの識別を経験されるとJizzのもつ本来の意味がわかると思う。
その多彩な変異、花色の変化、地域内での特異的変化等雑種に由来するのか
環境適応に由来するのかその原因すらわからない種が普通に見られるので
種の特徴を箇条書きにしてそれをもって識別することの難しさがわかるはず。

mirage-kobe
神戸市垂水沖で見られた船影の上位蜃気楼(左側水平線の向こう)
よく真冬の風物詩として新聞等に載る浮島現象、あれは下位蜃気楼なので
注意していれば一年中観察できるありふれた現象で風物詩でもなんでもない。
強いて言えば冬の澄んだ風景でその光景が認識しやすいだけ。
この船影には逆転層上辺を始点に船の鏡像が実際の船影に重なっている。
                     以上神戸市にて4月10日撮影
現在今季最終の雑種ガモ観察を継続しているが、その渡去も間近です。

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