をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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カモの疑問3.雑種の潜水採餌カモ ~アカハジロ

カモの交雑種に関する疑問を種毎に3~4回に分けて記事にする。
連続してアップするかは書きかけの他記事もあるので未定です。

雑種のカモをテーマとする上で押さえておくべき事項は多い。
先行する他のサイトの記事を批判、訂正をせまるのでなく持論です。

●エクリプスを含むカモ説明用語をかなり知っていないとハナシにならない。
●換羽にまつわる羽衣変化を雑種と思いこんでいる方は結構多い。
●マルガモといった特殊な言葉を用いながら、実はアヒル系交雑カルガモだ
といった観察不足に由来する思いこみミスはベテランも含めて見受けられる。
●雑種を云々する際、繁殖地での混在がしばしば言われるが、越冬地である
日本において繁殖(交尾)は始まっている。したがって、越冬地である日本で
の混在状況も少なからず考慮すべきものと考える。
●移動経路や種毎の交雑し易さには歴然とした相違がある。これらを踏まえた
上で孫世代以降の存在の可能性も視野に入れあらゆる可能性を探るべき。
●形態学的分類には所詮限界がある。限界を見極めながら推理を巡らすのも
また楽しい。
●一般的にカモはカモ科のガン類、白鳥類と違い家族単位での行動はないと
されるが、身近なアイガモを観察する限り、家族内の小単位で移動する。
当該雑種以外にも十分周囲を観察すべきだと思う。
●雑種の表現形は両親のどちらかに似るタイプと中間型を考慮すべき。


初回はアカハジロ系交雑種。
とはいってももう一方はメジロガモ・ホシハジロだと推定している。
どういうわけか大和川を挟む支流およびその先の池ではアカハジロ観察事例
が多い。メジロガモはやや北の淀川水系近くにも過去に飛来しているが、
ことアカハジロ及びその交雑種は奈良~大阪大和川周辺での記録が多い。

アカハジロ交雑種-大阪の頭部
アカハジロ交雑種-大阪、2005年12月下旬
アカハジロ交雑種-奈良の頭部
アカハジロ交雑種-奈良、2007年11月下旬
ホシハジロ-堺の頭部
ホシハジロ-堺、2007年12月初旬

以上の画像は片親のアカハジロ、ホシハジロ似の交雑種を欠いたオスの頭部画像です。

大阪の交雑種-2007年ガンカモ調査ではアカハジロとして記録
虹彩の色は純系と同じく白、頭部は尖頭形(三角オニギリ形)。
赤褐色の地色に後頭部から襟足にかけて緑色光沢。
嘴の配色は純系と同じ嘴爪のみ黒色周囲を取り囲むように白色部があり、
その他は鉛色。注目すべきは頭部と嘴の大きさとバランス。アカハジロの
画像がないので判りにくいが厚みがなく、頭部に比べて小さい。
嘴と虹彩の色、全体の雰囲気からするとメジロガモとの交雑も濃厚。
ただし、どちらの種も希なのでケージ内飼育下交雑など人為的要因も
考慮する必要が考えられる。
その後のネット情報によればアカハジロXメジロガモの組み合わせが確認され
多くはないが、この種の自然交雑種の存在が確信できた。2009年6月追記


奈良の交雑種-2007年11月奈良野鳥の会公開探鳥会で記録
虹彩の色は白と濃橙色の中間の薄橙色。この中間色の成因は
アカハジロの白色虹彩上にフェオメラニン粒子が粗に分布している
ものと考える。同様の変化はゴイサギの婚姻色時期の虹彩と幼鳥
であるホシゴイに類似変化を見ることができる。遺伝と虹彩の色の
変化については多くのサイトで具体例が記されているので、興味の
ある方はご覧になってください。
キリヤ化学 Q&A http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q51.html
理科ねっとわーく コンテンツ
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0040f/contents/high/eye_02/relat03.html

チョコレート色の地色に後頭部緑色光沢。頭部は大阪個体同様尖頭形。
嘴の形状は厚みがあって大きいアカハジロのもの。配色は見事に折衷タイプ
で嘴爪より横に大きく広がった先端黒色部、ただ境界線が斜めに切れている
のと接する白色部がやや不明瞭な点でアメリカホシハジロの嘴と同パターン
ではない。また嘴基部側にも鉛色とは言えない不明瞭な暗色部がありこの
範囲はホシハジロの嘴基部の黒色部と概ね一致する。

ホシハジロの群れに混じって行動する交雑種
ホシハジロの群れに混じって行動するアカハジロ交雑種
遠目にはホシハジロメスのトーンによく似ているが、頭胸部のチョコレート色が目印。


大阪個体の羽ばたき
大阪個体の羽ばたき-2005年12月下旬
奈良個体の羽ばたき
奈良個体の羽ばたき-2007年12月初旬
ホシハジロ-奈良の羽ばたき
ホシハジロ-奈良の羽ばたき2007年12月初旬

大阪・奈良の交雑個体にはアカハジロ譲りの翼の白帯があります。
ホシハジロには一様なパターンで白帯はありません。
嘴下の腮の白斑については奈良個体、ホシハジロが点状に確認できる。
大阪個体を若鳥と判断している方がいらっしゃるが、この写真時点で既に
2シーズン目、3シーズン連続飛来しており腹部の褐色度合いを見ても
若鳥であることは明白に否定できる。奈良個体にはやや褐色味があり
2年目程度の個体ではないかと推定できる。
詳細は続きでご覧下さい。


大阪個体左側面
大阪個体左側面-2007年2月

奈良個体左側面
奈良個体左側面-2007年11月

交雑種・ホシハジロ共にほぼ同大。下尾筒の白色部は大阪個体が明瞭で大きい。
この角度で見る大阪個体の嘴はやや大きく見える。脇のグラデーションも極めて
アカハジロに近い印象。

大阪個体の腮の白斑

大阪個体の腮の白斑-2005年12月下旬

ホシハジロ-奈良の腮の白斑
ホシハジロ-奈良の腮の白斑-2007年11月下旬

奈良の個体を初めて見た際、群れの画像にあるように採餌食物由来なのか一群全体の
嘴白色部が黄変しており、腮の白斑が同行ホシハジロにも見られたので、「これは交雑を
含むファミリーだ!」と考えたのだが地元のホシハジロを観察してみて、白斑の程度が痕跡
程度のものからかなりハッキリした大きなものまで個体差はあるが、ホシハジロにも存在
することが分かった。メジロガモ・アカハジロ・ホシハジロにあるなら他の種にもあるかも?
とは言え、この記事を書きながら大阪個体は純系アカハジロではないにしろメジロガモとの
交雑がやはり濃厚かな?と嘴・体色・頭部形状を見て再考している。
真実は親を含めて捕獲の上遺伝学的手法に頼らないと推測だけでは何も分からない。
でも、その興味から野生動物を捕獲してどうこうする気にはまったくなれない。

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