をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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カモの疑問5.雑種の水面採餌ガモ ~マガモ

雑種シリーズ最終回はこれも見かける機会の多いマガモXカルガモです。
マガモと思われる交雑にはアヒル・アイガモとの交雑も視野に入れる必要があります。

マガモ
マガモ
12月初旬、公園のマガモ。先頭を泳ぐ中形のヨシガモよりやや大きい。
概ねスマートな体形(姿勢にもよるが)で背と水面は平行~尻下がりに見えることが多い。
お尻も小尻で尾羽は天を向かず、30~45°くらいにとどまるようだ。体側を横に貫く
(実際には縦になるが)焦げ茶色の帯が明瞭。背と胸この帯、尾筒以外に暗色部はない。

アオクビアヒルとアイガモ
アオクビアヒルとアイガモ
マガモとほぼ同時期に撮影のアオクビアヒルとアイガモ。
元々、食肉や繁殖用の家禽なのでかなり大形なものからマガモ大までサイズは色々。
模様や色も様々ながら、大形のマガモの印象を受ける。
尾羽は天を向く傾向にあり、お尻が大きい。体羽にも褐色部の多い・少ないが様々だが
マガモのようなすっきりした焦げ茶色の帯は明瞭でないことが多い。

芦ヶ池のアイガモ
芦ヶ池のアイガモ
一昨年のアイガモ夫婦。マガモより少し大きいだけだが、首・頭部が太い。
メスの嘴の色もこのような肉色~黒、マガモメスタイプと幅広い。

マガモ似の雑種
マガモ似の雑種
最近見たやや暗色に見えるマガモ。嘴の黄色部分が広めのカルガモタイプの嘴。
画像処理すれば過眼線などが浮かび上がるが、緑色光沢に隠れて判然としない。
頭央線に光沢はなく、中央尾羽もややカールしている程度。

中間型雑種
中間型雑種
頭部に緑色光沢のあるカルガモ様の頭部、胸はマガモの影響を受けた赤味があり、
羽衣は中間タイプ。尾羽のカールは少ない。嘴の黄色部分は大きい。

カルガモ似の雑種
カルガモ似の雑種
かなりカルガモに似ているように思えるが、角度により後頭部に緑色光沢が出ること、
嘴の黄色部分が広いこと、中央尾羽がややカールしていることなどで雑種とわかる。

交雑の疑いのあるカルガモ(左)とカルガモ
交雑の疑いのあるカルガモ(左)とカルガモ
左のオスは中央尾羽がややカールしており、顔から胸が赤味を帯びる。
雑種の孫世代以降であるかも知れない。

カモの交雑を取り上げてきたが、一般によく言われるように雑種が頻繁に誕生している
訳ではないと思う。マガモベースの雑種は色々報告されているが、とりわけカルガモは
国内で繁殖し、一部繁殖しているマガモと生活の場を共有している事が多い。
一方他種との交雑となると目撃頻度は格段に低下する。その一因として考えられること
はカモが母系社会を中心に成立していることにあるように思われる。繁殖地で母カモに
育てられたヒナはやがてその種の群れに入って暮らすことになる。仮に母カモがオナガ
ガモであればオナガガモの群れに入って渡りをすることとなるだろう。そう考えると、「件
の雑種ができやすい」という理由はかなり矛盾した屁理屈であることが分かる。

また種によっては潜水採餌ガモと水面採餌ガモが交雑したり、属の異なるホオジロガモ
とミコアイサの交雑といったものまで存在するようだ。しかしオシドリなどに代表される
ように他種との交雑例がまず見られないものもいる。交雑しやすい比較的近縁の種だけ
に目を向け、その下層世代までひっくるめて多いと感じているのはある種「偏見」じみて
いるのではないか。種は違う分類だが、人間界の有色人種と白色人種ほどの違いでは
ないのか・・・そうも思えてくる。一部のカモが交雑しやすいのを全てのカモが乱交の末
次々に雑種を誕生させていると考えるのはあまりにも飛躍した結論だろう。
事実迷鳥のメジロガモや稀なアカハジロに遭遇する方が特定の既知の交雑種を観察
するよりずっと簡単であることが情報の面からも納得できる。

この一年なにやら分からぬ記事にお付き合い下さった皆様、ありがとうございました。
来年も懲りずに既成概念に束縛されず、かと言って独断ではない記事を心がける
つもりでおりますので、どうぞ宜しくお願いします。 良いお年をお迎え下さい。


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