をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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スミレ交雑種1.ヘイリンジスミレ

昨日予告したとおり、本日はスミレXヒメスミレ=ヘイリンジスミレ

以下に示す画像はあくまで私のみが複数年に渡る観察でヘイリンジスミレと判断したものです。
従って、親種の変異や生育地における特性によっては、また両親のどの形質を強く受け継ぐか
によって外見は大きく変わります。
すみれに限らず自然の観察はフィールドに出てナンボのものです。フィールドから帰宅して図鑑
や参考資料を通して考えを巡らせることもまた必要です。
くれぐれも単純にご自分の見たすみれと照合して「そうだ!」「違った!」などという馬鹿げた比較の対象として用いないで下さい。
基本種が判断でき、種々の特徴から総合判断すべきです。


なお、すみれの説明に際し、以下の独自の用語を用います。

窓=有色の花をもつすみれの唇弁基部及び花心の白色部分

花弁紋=唇弁の紫条とは別に花弁に見られる指紋のような文様
      色素のない花弁にもこの紋は見られるため紫条と区別した
      また花弁と並行して見られるはっきりした紋を主花弁紋
      それから分岐した葉の側脈に該当するものを副花弁紋とした

ヘイリンジスミレA
ヘイリンジスミレA
以下の画像も3月下旬富田林市での撮影。
自生か植裁か,自然交雑か人為交配かの判断はできません。
中間型、やや濃色花で花柄の毛が目立った株、草丈7cm程度

ヘイリンジスミレB
ヘイリンジスミレB
中間型、淡色の花もまじり、元気の良かった株、草丈7cm程度

ヘイリンジスミレC
ヘイリンジスミレC
中間型、花柄がヒョロリと長く、草丈はスミレのそれを上回る12cm程度
植物体部分比較へ続きます

花正面
花正面
左から、スミレ、ヘイリンジスミレ、ヒメスミレです。ヘイリンジの背景は藤色にしています(以下同順)

花弁の色:すべて濃紫、すみれはやや赤味傾向
花弁形状:スミレはやや細弁傾向個体、先端は丸みがある。ヒメの花弁は先端がやや尖る。
      ヘイリンジ、ヒメの唇弁は先細り形状に加え、花弁下端が両側から巻き尖る。
花弁の重なり:スミレは重ならない、ヒメはやや重なる、ヘイリンジは僅かに重なる。
紫条:窓部分の紫条はヒメ、ヘイリンジ共に直条のみ。スミレはやや支条が混じる。
花弁紋:ヒメは粗い主花弁紋が殆ど、ヘイリンジ、スミレは主花弁紋がやや細かく副花弁紋もあり。
花径:スミレ2~2.5cm、ヘイリンジ1.5~2cm、ヒメ1~1.5cm。
側弁の毛:スミレ有毛、ヘイリンジ両親より多毛、ヒメ有毛。
花柱:全てカマキリの頭形だが、スミレは柱頭が急に膨らむ形。
   付属体からの露出は僅かで下向き。
   ヒメは徐々に先端が膨らむタイプでやや前方に向き、露出は多め。ヘイリンジは中間タイプ。

花側面
花側面

距の形:スミレは太くもなく細くもない中程度の長さ。ヒメはポッテリと短い目。ヘイリンジは中間。
距の色:スミレは花弁と同色で後方に行くほどなめらかに色づく。ヒメは赤紫色素が斑点状に白地
     に分布し結果、白~紫褐色に見える。ヘイリンジはその中間色。
萼片の形:スミレは長三角形の萼に半円状の付属体がつく。ヒメは長三角形の萼に双峰の牙状
      突起が付属する。ヘイリンジは合成の方形付属体がつく。
萼片の色:スミレは明るい緑色、ヒメは距と同じく紫褐色の色素が全体に斑点状に散在。
      ヘイリンジは萼片中央付近など一部に色素が見られる。
花柄上部:スミレは痕跡程度の有毛、ヒメはほぼ無毛。ヘイリンジははっきり分かる有毛。
花柄の色:全てほぼ赤紫色。

植物体側面
植物体側面、開花株の様子

葉の表:スミレはやや明るい緑色で主脈・側脈は比較的明瞭。ヒメの葉はやや暗色の緑色で
     葉裏の赤紫色の影響で縁が色づくものもあり主脈は辛うじて分かるが側脈は不明瞭。
     ヘイリンジは両者の中間的色調で葉脈はあまりハッキリしない。
葉の裏:スミレはほぼ緑色、ヒメははっきりと赤紫色を帯び、ヘイリンジは僅かに赤紫色を帯びる。
葉の広げ方:スミレはやや地面から離れて葉を広げ、ヒメは地面に沿う。ヘイリンジはスミレ的。

植物体俯瞰
植物体俯瞰

葉柄の色:スミレはほぼ緑色、根に近い部分は赤褐色。ヒメは葉の基部より下は全て赤褐色。
      ヘイリンジはほぼヒメと同じながら葉の基部付近は緑色。
翼の有無:スミレは飛んでいきそうな幅広で明瞭なものではないがハッキリとある。ヒメはない。
      ヘイリンジは葉の基部付近では僅かにあるが、根元付近にはない。
葉柄の毛:スミレは根元付近にはビッシリと微毛がある。ヒメは痕跡程度。ヘイリンジは僅かに
      根元付近に微毛。
葉柄の長さ:スミレは葉身長が葉柄長より長い。ヒメはその逆か同長。ヘイリンジもスミレ的。
葉の形:ここのスミレ個体はほぼ葉幅が変化しないヘラ状。ヒメはほぼ三角状披針形。
     ヘイリンジは先細りのヘラ状~三角状披針形。画像では5時と9時の位置の葉がそれ。
葉の毛:スミレには微毛が葉裏を中心に少しある。ヒメはほとんどない。ヘイリンジは中間的。
葉の鋸歯:全てが鋸歯の目立たない鈍形で全縁に近い。
葉の基部:スミレはほぼ円形。ヒメは心形。ヘイリンジは両者混在。
葉の光沢:いずれのすみれにも光沢あり。ただ、スミレの光沢はやや弱い。

次回はハリマスミレの予定。過去の画像なので詳細解説はしません。
詳細に解説しても、所詮はごく参考程度にしかなりませんから。







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