をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

シマアジ雌雄

飛び立ち
トビに驚き飛び立つコガモ・シマアジの一群

【シマアジと出逢う】
鳥を見るようになって、一度シマアジを見てみたいと思うようになったのは、しばらく
経って、3年後くらいのことだったろうか。
当初、近辺では見られないと考えていたシマアジだったが、時期と情報の分析で
見られるらしいことがわかってきた。
結局、知人の情報によって隣接市の大きな池で春のオスを観察したのは、その直後。

多くのカモは日本に冬鳥として飛来する。地域により多少の差はあるが留鳥として観察
できるのはカルガモ、オシドリくらいのもので、本州以南で普通に周年見られると言えば
カルガモやアヒル等の家禽系カモ類に限られる。
近年は傷病個体なのか、渡りを放棄した個体なのか、少数は他のカモでも越夏する。
そんな大多数のカモたちと違って、春と秋の渡りの時期に少数見られるカモ、それが
シマアジです。 北海道などでは繁殖の記録もありますが、限られた時期に少数しか
観察できないことが、このカモのひとつの魅力でもありましょう。

春のシマアジ  世の中が入社・入学・花見などと春爛漫に酔いしれる4月頃、
繁殖羽のシマアジは特定環境の水辺で観察される。
この頃には既に渡去したカモも少なくなく、カモたちが滞在した水辺環境は居残り組のいる
場所・いない場所に分かれている。 長旅を長距離ドライブに見立てて、彼らが中途滞在
するなら、どんな場所が最適か考えてみてほしい。
手っとり早く食事ができて、リーズナブルで、安心できる場所・・・高速のSAや道の駅などが
思い浮かばないだろうか? 経路を大きく外した名店や同じ業態で同一価格帯のお店でも
長時間待ちの店やガラ空きの店は目的や安全性を考えると避けはしないだろうか?
彼らも安全性の面から他のカモ(特にコガモ)がいる水辺に飛来し、そこには藻類や植物
(柔らかい葉や根など)が豊富にあることが、飛来条件のようで、人間や天敵の圧力から
身を守るある程度広い場所が好まれるようだ。 本州付近では秋の滞在に比べて短時間で、
しかも移動時期がほぼ4月一杯に限られる。
この春のシマアジの魅力は、まるで仏・伊の一流デザイナーがデザインしたかのような
オス繁殖羽のシックな色柄、明るいメスのいでたちだろう。

 秋のシマアジ  早いものは7月頃から。大半は9月中に本州を通過し
10月初めまで。遅いものは11月頃まで見られる。
春に比べてピーク時の大多数は幼鳥。この辺はシギチの通過に似るが成鳥と幼鳥では
渡りの時期・ルートにずれがあるようだ。 この時期の羽衣はどのカモもよく似ており
初心者泣かせの、判別に窮するもので、種が判別できるだけでもかなりのもの。
それだけに、秋の小形カモ3種が識別できるようになれば自信がつくというものです。
小形カモ3種とはコガモ・シマアジ・トモエガモのことを指しますが、幸運に恵まれたなら
北米種ミカヅキシマアジも見られるかも知れません。


【シマアジと他種の見分け】

シマアジと他のカモをしっかり見分けられるようになるのが重要。
そのために図鑑や既存の資料をよく見て、ここは重点的に見なくては!
そう考えておいでの方も多いはず。
 しかしながら、氏原氏のサイトやごく一部の方のサイト以外で正確な情報を記載して
いるものは極めて少ない。
いつもこういう記述をしていると、アンチ野鳥の会と捉えられかねないのだろうが、
日本野鳥の会関連の資料で見ると・・・ (翼上面パターン)

野鳥識別ハンドブック
WATERBIRDS OF ASIA・・・ではほぼ大きな間違いはない

フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版
野鳥の見分け方 「BIRD FAN」野鳥識別ノート No.16・・・では雨覆の色味・パターンの不正確
が見受けられる。野鳥識別ノート No.16は現在リンク切れになっているが、ファイル自体は存在。

多くのカモのメスの雨覆も灰色で描写されており、誤解を招くとして先太りの白線に変更された
コガモメスの翼鏡上の白線だが、メス幼鳥では旧版の図版でも間違いのない白線となる。
白線部分はしばしば幼鳥と成鳥で異なり、時期によっては成鳥羽の白線部分の輪郭が付属
観察されることもある。シマアジのメス翼鏡は黒っぽく、雨覆も褐色調に見えることが多い。
いつも書いているが構造色を呈する翼鏡・頭部などは光線状況で見え方が異なる。

シマアジ翼上面模式パターン
シマアジ雌雄・成幼翼上面模式パターン

翼上面パターンはエクリプス・繁殖羽期通して同じであること、幼鳥・成鳥で色味が異なる、
パターンが変化するので、極めて重要な見分けの判断材料となる。

また、頭部の頭央線、眉斑、過眼線、頬線、顎線の濃さ・長さ・有無も重要で頭部形状や
嘴形状・色・長さとともに判断したい。・・・頭部の特徴簡易スケッチ
シマアジと誤認例のあるカモのメス頭部簡易スケッチ

普段は画像レタッチソフトや表計算ソフトで画像処理しているが、手元の紙切れにカモ頭部
をボールペンで走り描きした。過眼線・嘴の長さに注意して見てほしい。
嘴/頭部長さ比表
・シマアジの嘴は先端の嘴爪から基部下端までの長さとその延長線方向の頭部長が等しい。
・過眼線が明瞭なため頬線との間隙・眉斑が白く抜けたように見える・・・嘴元斑・眉斑。
・嘴の色はコガモ・ハシビロガモと異なり灰黒色で淡色部が象牙色っぽく見えることはあっても
 橙色~黄色を帯びることはない。春には赤紫味を帯びる。
・水面上姿勢は水平より尻上がりの姿勢でいる場合が多い。
・三列風切の先端も上方に反り返る場合が多い。
シマアジチェックポイント
シマアジチェックポイント

雌雄判断について
・基本は上記翼上面パターンによる判断が好ましい・・・ただ常時は見えていない
・通常オス頭部はメスに比べて明暗のコントラストが明瞭なことが多い
・オスは過眼線が終端で途切れる、先細りになる傾向にある(個人的印象・秋限定)
頭部特徴による雌雄判別
頭部特徴による雌雄判別

成鳥・幼鳥の判断について
幼鳥はカモに限らず、細部の観察・外観の特徴で判別できる部分がある。
・尾羽先端がV字状に切れ込むか否かで判別可能な幼鳥だが、至近の観察は難しい
場合が多い
・ヒレアシシギ・ミユビシギのように白黒コントラストのはっきりした幼鳥も存在するが、
 多くは暗色で色彩に欠け、コントラストの不明瞭なものが多い
・幼鳥には背から胸~腹にかけて規則正しく並ぶ細かな羽衣が見られる
 これは時に縦斑や爬虫類の鱗状にも見える
・成鳥羽と比べ尾羽・風切が尖り気味形状に見える

以上の内容に注意して、続きの画像を判断してみてください

画像1
画像1

画像2
画像2

画像3
画像3 奥は? 手前は?

私の判断は次回記事に記載します

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