をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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カモ目嘴の発色モデル

今日は白鳥、雁、カモ類に共通の嘴の色についての発色概念を取り上げます。

ただ素人の私には解剖学的な裏付けを得ることができません。
ですから、こういうふうに考えると理解しやすいのでは?という基本モデルの説明です。

【私たちの爪と皮膚】
まず、素材がケラチンという嘴と共通性をもった爪・皮膚のハナシから。
まず、ご自分の親指を見てください。
爪のほとんどは爪床に密着しているので、大部分がピンクっぽい肉色でしょう。
これは末梢の血流と関係があり毛細血管のヘモグロビンの色が透けています。
それに近いうちに爪切りで切る爪先の部分、爪半月は白っぽいですね。
これは爪先は爪床と離れて間に空間があるから、爪半月の部分は水分含量の
多い部分でともに異なる密度の物質が介在して白く見えます。
同様に若年時に出やすい爪の星も、爪の成長時に空気が混入するものと考え
られているようです。
血豆ができたら最初は緑黒色でその後茶黒色に変わって、爪が伸びるのと共に
血豆も移動しますね。
ほかにミカンをたくさん食べたときにカロチンの黄色が透けたり、肝・胆道の疾患
赤血球の破壊が亢進したときのビリルビンで病的に黄色になったりもします。
つまり下層の色が透けて見えたり、空気や真菌病変層で白くなったりするのです。

【明暗と色認識】
次にわたしたちの視覚特性を実験的に再現してみましょう。
明暗と黄色の認識
黄色の明暗チャート表

このチャート表は黄色(コガモの基層色)に10%ステップで透明度を変化させた黒色を
レイヤー合成したもの。中央、上下は明るい場所と暗い場所で同じチャートを見た印象。
暗い場所、つまりメラニン色素が多数分布している嘴では黒透明度40%くらいで黒いと
いう印象を受けませんか?つまり黒という色は場所によって人によって違うのです。
嘴は黒だなんて思っているとその変化に気づかないですよ。
晴天時の木陰で濃紺と濃緑、濃いこげ茶色が日向から見分けられる方がどれほどいるか?
という私たちの暗い場所で色認識が乏しくなる特性について知ってもらいたいのです。

【嘴の色層モデル】
嘴の色層モデル
嘴の色層モデル

これは私があくまで概念モデルとして考えたマガモ属模式図です。
白鳥や雁、その他のカモも基本は同じです。

骨格層  : 嘴の土台、骨の層です。死んで長い鳥や標本の未着色嘴はほぼこの色です。
基層    : おそらく真皮で構成される層。繁殖羽期に向け黄~橙~赤に発色する。
       色素が食餌性カロチンなどによるものかは不明。
メラニン層: 種により増加タイプ消失タイプがあるが、基層同様繁殖羽期に向け増減。
コート層 : 多分、爪の星同様含気小胞で白っぽくなる。変化は基層、メラニン層同様。

【マガモ属嘴のメラニン・フレーム】
嘴のメラニン分布型
嘴のメラニン分布型

先日の点状黒斑で使用したオスの嘴の一部にオカヨシガモを加えました。
既にお気づきの方もおられるかも知れませんが、種によってメラニン黒色の分布が違います。
また水色で着色した部分は窓状にメラニンの分布が疎で非繁殖羽期に顕著です。

メラニンの濃密分布域から

Ii   型・・・ヨシガモ、オカヨシガモ
嘴中央、嘴峰に沿ってメラニン濃密分布域があり繁殖羽期に向け増加する。

Ii変形型・・・コガモ、オナガガモ
上と同じタイプだがサイド窓の部分が三角状になる。

rI   型・・・マガモ
嘴中央、嘴峰に沿ってメラニン濃密分布域があり繁殖羽期に向け減少する。

E 型・・・トモエガモ、アメリカヒドリ、シマアジ
嘴中央部に窓部分があり辺縁部がメラニン濃密分布域。繁殖羽期に向け増加。

E変形型・・・ヒドリガモ、ハシビロガモ?
上と同じだが先端部にのみメラニン濃密分布域。繁殖羽期に向け増加。

rE変形型・・・カルガモ
上と同じだが先端部にのみ非メラニン濃密分布域。繁殖羽期に向け増加・不変。

ところで、それがどうしたの?かも知れないがこれらの情報はとても重要です。

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