をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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天鵞絨は1年にして成らず

昨年末、淀川の底力で取り上げたビロードキンクロがしばらくして兵庫県の内湾に出現した。
ほどなく、その真偽を確認にいったところ、それはまさしく淀川に出現した個体と同一であった。
隣県ではあるが、ここは淀川河口に出現した鳥種と関わりが深く、従来から同一と考えられる鳥類
が往来したことが知られている。

ところで、このビロードキンクロ下の画像の通り腹部の羽衣や種々の特徴から幼羽から第1回
繁殖羽に移行中であることは確かです。
wingflap
腹部は淡色でカモ類の幼羽に共通する点状縦斑が密に並ぶ。

では雌雄はどうであろうか? 淀川で見た際はそれきりになってしまっただろうと追跡を断念
していたが、俄然性別追求に可能性が見出せるようになって、腰砕け的に撤回していたオスの
可能性説が有望となってきた。
外国の有識者判断で嘴瘤の有無が雌雄判断要素として重要ということで何となくメス判断とした。
しかし、未見カモを推認する羽抜けと換羽時期で紹介した内容に一旦実物を見た感覚が
加味されて具体的なオスでは?疑惑へと変化しつつある。
キンクロハジロやスズガモのオス幼羽にも嘴基部に白斑があり、幼羽時点では雌雄判断が困難と
いう点では共通しているが、こちらは換羽の過程が経験的に判明している。
その換羽過程や嘴の色変化を見てみると、似ている部分もあるが、ビロードキンクロのオス幼羽
からの換羽は遅く、また一般的に知られるオス成鳥繁殖羽の外観を獲得するには3年程度の期間
が必要と判断される。これはキンクロハジロ等でも冠羽の長さや脇の白くなる時期を加味すれば
同様の表現となるが、目の下に三日月状白斑が出現し虹彩が青白くなるのに3年程度かかるんだ
というふうに考えてもらっていいでしょう。

bill-top
6M機なのでピクセル等倍でもあまり見栄えのする画像ではないですか、嘴爪下縁部を見て下さい。
赤・黄色が見えませんか?これはメスの嘴に黄色しか存在しないとすると、オスと判断できます。

また頭部の黒色部や体部の幼羽が黒い第1回繁殖羽に急速に置き換わっていることがその理由です。

前回出現時にも書きましたが、オス成鳥の次列風切の白帯は初列側で大雨覆に達し翼幅の半分程
になるのですが、その兆候も見えます。

写真図鑑によっては嘴の瘤と嘴先の赤・黄色出現した茶色っぽい個体が第1回繁殖羽とされている
ようですが、この判断を覆す画像が北海道を始め多くの場所で撮影されたものに認められます。
初年の冬日本近海の亜種M. d. stejnegeriのオスは瘤が目立たないはずだ。
該当画像の肩羽や瘤の大きさ等から2年目のオスであっても嘴基部や耳羽上に白斑があったり
茶色っぽい個体は年末頃まで存在すると考える方が妥当だろう。年が改まればかなり黒くなって
いくものと思われる。

【閉翼潜水の驚き】
このビロードキンクロを2日間に渡って観察したが本日ここに示す画像はすべて12月28日に
撮影したものです。海面は凪いで、とても暖かい日でした。

別の日と違って、この日のビロキンは撮影全画像で閉翼潜水をしました。潜水する鳥たちのその
方法には3種類が知られていて、

A、閉翼潜水・・・多くのスズガモ属等の潜水ガモ、カイツブリに見られる。
         水中の推進力は水掻きのある足で行う。跳躍の後に潜る。

B、半開翼潜水・・・ビロードキンクロやシノリガモ、コオリガモ、ケワタガモ等。
         翼と水掻きを推進力として併用。 わずかに跳躍後潜水するものもいる。

C、半開翼、水掻き突出潜水・・・ウミスズメ類等。
               翼主体の推進力で潜水する。潜水時水掻きは水上に出る。

ビロードキンクロはBの方法で潜水し、跳躍なしで潜水するところがクロガモと大きく異なる。
コリンズのバードガイドでは図入りで説明されている。

ところがである・・・海面の凪いだこの日ビロキンはAの方法のみで潜水採餌したのだから
実に我が目を疑った。つまりクロガモと同様潜水することもあるということで、その差は
海面が静かであること。翼をスタビライザーとして使う必要がない時に限られるのでは?

starttodive-front
潜水開始・・・尾羽が扇状に開き海面に押し付けられることで、海水面に表面張力による隆起が
発生します。その隆起した海水を効率よく水掻きでカエル足状に蹴っています。
この尾羽の使い方はキツツキ類が木に穴を開ける時の尾羽の状態にも似て見えます。

starttodive1.
閉翼で潜水していくのがわかるでしょう。

starttodive2
側面から見るとこんな状態です。

diveintodeep
潜水していく過程や採餌中、浮上時にも波がなかったので姿が確認できましたが、翼が使用
されるのは見ませんでした。これはこれまでに紹介したキンクロハジロやカイツブリの潜水と
跳躍の高さがわずかに低い程度で同一でした。

wwscoter-stand
単なる伸びなんでしょうか? 真実はひとつ!そう囁いているいるようにも見えました。

先日、ある方からヒドリガモ雄化老齢個体の画像がオカヨシガモXヒドリガモではないかとの
指摘を頂いた。同一個体について関心があって外国の著名な方に問い合わせるとそのような回答
があったとのこと。繁殖実験を元に雑種の推定をされている方らしいので、飼育個体には雌の
雄化が発生しやすい、その雑種の画像はこのようなものですと具体的画像を提示即刻返答した。
物事を判断するのはたやすい。 けれど文献にはこう書いてある、著名な研究家がそう判断したと
いうのではなく、その後も観察を続け、必要ならば訂正するのが正しい方向だと思う。

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