をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

鳥と動物園

鳥好きな方が動物園を訪れる目的はいくつかあるでしょう。

その1、 日本国内では見られない、ごく稀にしか見られない鳥の実物が見られる

その2、 冬鳥、夏鳥、旅鳥の日本にいない時期の羽衣が見られる

その3、 通例日本で繁殖しない鳥の子育ての様子が見られる・・・ 等ではないでしょうか

しかしながら、カモのエクリプス羽を観察したいというような場合でも、利用に際して
注意しておいた方がいいことがある。今回はその問題点を挙げてみよう。

問題点1 見たい種が国内で飼育されているかは調べられない

 飼育動物種の詳細が飼育施設によっても異なるが、逐一最新の情報に更新されていない。
 JAZA (社)日本動物園水族館協会の検索で目的の動物がどこで見られるかが調べられるが、
 協会加盟の有無や情報の更新に基準があるわけではないこと。
 つまり、クビワキンクロが見たいと思って検索し、出てきた場所が現在も飼育継続中である
 かは確証がもてない。園内に案内板があっても過去の飼育種の説明ということも珍しくない。
 予め行き先動物園に電話して飼育種を確認しておいた方が無難。

問題点2 目的の種がいても現在の羽衣がどの状態かを判断しにくい

 ネット上には天王寺動物園で撮影されたカモの雌雄繁殖羽とエクリプスを掲載したサイトが
 存在するが、残念なことに内容に誤りが多い。トモエガモの欄などはオス繁殖羽以外、メス
 画像がシマアジのメス、エクリプス画像がコガモの繁殖羽移行中となっていたりする。
 これ以外に飼育個体全般に言えることと思うが、メスの雄化した個体が少なからず見られる。
 雄化は自然状態でも見られるので、むしろ雄化の勉強に動物園は向いている一面もあるが、
 エクリプスや幼鳥の換羽段階とこれら雄化メスを識別するのは素人には無理と思われるので
 独断でエクリプスなどとしない方がよい。 お前も素人じゃないか!というツッコミはこの際
 勘弁して下さい。

以下の画像は私がこれまでの観察から判断した内容であり、担当飼育係もしくは獣医師の
判断を聞いたものではありません。 園の獣医師には逆に雄化発生の原因について何か
参考になる研究はないか尋ねられました。原因にはいくつか考えられるが老化や先天的な
染色体異常などが考えられるが・・・ということで飼育下のストレス原因説には言及する
ことがなかった。

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推定ヨシガモ雌の雄化個体 2009年3月初旬 天王寺動物園

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今回も見られた上と同じ個体 2012年2月中旬 天王寺動物園

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オカヨシガモのペア 2009年3月初旬 天王寺動物園
メスの三列風切などに過剰に分離した斑が見える。 このような過剰斑が雄化の兆候と考えられる。

メスのシマアジ肩羽にも鷹斑(たかぶ)模様が一部認められたが、今回は確認できなかった。

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マガモ雌の雄化個体 2012年2月中旬 天王寺動物園

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別マガモ雌の雄化個体 2012年2月中旬 天王寺動物園
翼の骨に異形成が見られるのか、翼が尾筒上で交差せず左右に飛び出している

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オシドリ雌の雄化個体 2012年2月中旬 天王寺動物園

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正常なオスのオシドリ 2009年3月初旬 天王寺動物園
雄化とは頭部の色や体部の外観が随分違うでしょう


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