をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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Evidence of introgression

Evidence of introgressionとは遺伝子移入の証拠といった意味です。冠詞を付けず
に表記するのが正しいのかどうかは知りませんが。

前々回のエントリーで取り上げた種間の雑種で世代を経たもののうち戻し交配を
通して別種の形質が残存することをintrogression イントログレッション、遺伝子
浸透という。

普段、私たちはこのような現象がそれほど身近にあるとは感じていないが、それでも
時折これはイントログレッションの痕跡ではないかと感じる特徴を有するカモがいる。

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白い首輪のあるオカヨシガモ 2009年3月中旬 兵庫県西宮市

イントログレッションという表現があることを初めて知ったのは、鳥関係のある方の
ブログがきっかけでした。
その方のブログ内容にはアメリカのオカヨシガモにはヨシガモの遺伝子が含まれている
というものでした。これを説明する2つの仮説に遺伝子浸透説が出ていました。
ここで明確にしておかなければならないのは、その方は白い首輪が遺伝子浸透の結果だ
と述べているのではなく、この記事が白い首輪と関係があると私が考えているに過ぎない
ということです。というのは白い首輪はヨシガモだけでなく、マガモにもあるからです。
もっと言えば、かつて千葉県で観察されたアカハジロにも不明瞭な白い首輪が存在したの
ですから。
最近、撮影地近くの隣の浜を観察している方がこのオカヨシガモを取り上げています。

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わずかにアメリカヒドリの血統を感じるヒドリガモ 2011年12月中旬 大阪南部

目の周囲に緑色光沢がある、勾玉状に濃色部が見られるといった特徴は嘴の基部に黒色線
が見られる事以上に残存しやすい形質ではないかと思われる。
体部の灰色波状斑もややぶどう色を帯び、後方のヒドリガモとは印象が少し違う。
山渓ハンディー図鑑7 増補改訂新版 日本の野鳥に掲載されているヒドリガモ成鳥♂
の写真は今回差し替えられて、どいうわけかアメリカヒドリの血統を感じる個体に変更
された。どうも今回の写真がより純粋なヒドリガモだと判断した結果なのだろう。
少なくとも頭頂のクリーム色が白っぽく、頬が淡色になるのはアメリカヒドリ寄りだと
思えるのですが、いかがでしょう?

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マガモの血統を受け継ぐカルガモ♀ 2011年3月初旬 イタスケ古墳

マガモの血統が入るとカルガモの三列風切羽縁の白色部は広くなると言われています。
しかし、純粋系統と思われる極めて人里離れた場所の個体群であってもこの白色部の
範囲は様々です。この個体に関しては次列風切に白色部が及んでいるため部分白化と
呼ぶのがふさわしい表現だと思われます。 嘴先端嘴爪の黒色部に注意して下さい。
全体が黒いですね。カルガモの黒色部はつぎの写真のように一部のみです。

spotbill-std
カルガモの比較用写真 同月同所 左が♀です。 雌雄共に嘴爪の前面のみが黒いのが
お分かり頂けるでしょう。
このように遺伝子浸透の結果だと思われるわずかな違いは多くのカモに見られるのです。

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