をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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新訂 カモハンドブック

皆様、ご無沙汰しております。

身辺はようやく落ち着きを取り戻しつつありますが、先のことは不明です。
久し振りの更新がテキストのみの記事で申し訳ありません。
本日カモ観察の際、鳥友から「カモ ハンドブック」の新訂が出たと聞き
さっそく見本ページを閲覧。新たに設けられた画像のキャプションが全て
誤りのように思うが・・・さて、突っ込み所満載の新訂版のようなので
実物を見てみるのが楽しみ。

以下、10月17日追記

ducks-handbook

あなたが鳥図鑑に期待するものは何でしょうか?
鳥の名前を知ること、似た鳥とどこで区別するのか、幼鳥と成鳥の区別、雌雄判別さらに
大きさや見られる時期、分布などの知識を得ることが目的でしょう。
しかし、それら以外に著者のファンだったりその写真の愛好者ということもあるでしょう。
著者は野鳥撮影の解説書を何度か執筆している方ですから、美しい写真は得意分野です。
また、これまでに自身の著作にとどまらず、「フィールドガイド 日本の野鳥」日本野鳥の
会発行 等多数の出版物に関わっています。
名実ともに野鳥の世界では有名な方で観察会や多数の講演活動も実施されてきた事実は私も
よく知るところです。

カモを識別するための情報を網羅したカモ図鑑の決定版・・・それが出版元の文一総合出版
が紹介するキャッチコピーの決め文句です。
私が思うに野鳥に関するハンドブックにはそのタイトルに「・・・識別ハンドブック」と
するものと、そうでないものがあります。識別の名のつくものはかなり詳細にその違いを
解説していますが、そうでないものは、どちらかというと写真集的性格が強いものです。
野鳥以外のハンドブックではこの傾向は見られませんが、野鳥関連ではハッキリしています。
辛辣な意見なので反感を抱く方もいらっしゃるだろうが、私は叶内氏を知ってはいるが、
面識も何の繋がりもない。それだからこそ、今までも、これからも率直な意見を述べる。
叶内氏自身のホームページやインタビュー等で氏が発信されていることと、現実に氏が行動
していることの間にはある種、矛盾を感じる部分がある。

 カモ=叶内拓哉、この図式は雑誌、図鑑、講演等でほとんど崩れることのない役割。
私はこれまでの雑誌記事やこの図鑑を見ていて、氏がカモの権威だとは到底感じ得ない。
それは、幼鳥と若鳥という言葉をかなり曖昧に使用していて、自分の知識が不完全なことの
隠れ蓑にしている面がある、幼羽の時点では雌雄判断できない、アメリカコガモを独自判断
で コガモとは別種扱いにしたと国際的な潮流をアピールしながら 学名はAnas crecca
carolinensis
とコガモの亜種扱い表記をしていることなどが、その理由です。
   ※ 欧米の流れに沿って独立種とするなら、Anas carolinensisとするはず。
私が最初に購入した鳥図鑑は氏の山渓ハンディー図鑑7「日本の野鳥」でした。
それがために長年野鳥の真実が見えなかった(図版とその説明から誤認していた)部分が
あったことは否めません。しかし、繰り返し現実の世界の野鳥と図鑑の説明を見ているうちに
記述の誤りに気付いていきました。ただ、図鑑の写真が誤認写真であることは他の多くの方
が著したものにも見られます。気になるのは氏の市場占有率の高さです。鳥のなかでも特に
カモの分野の執筆では近年氏の占有率はほぼ100%と言ってもいいくらいでしょう。氏の
筆先次第で白も黒に変わるほどの影響力をもって特に初心者層をターゲットにした著作が
多いことです。種に特有の分類学的視点を初心者に解説するのなら理解できるが、氏の方法
は分類学上枝葉末節にあたる色や雰囲気の部分が多く、知りたい根幹の部分には常に触れて
いない。
イラチの方には「それで何が言いたいんや!」という長文になってしまいましたので、簡潔に
私の気持ちを表現するなら、この図鑑は新訂の名には値しない、旧版の増補版に過ぎない。
ということです。

氏を取り巻く歴史の中でコバケイ図鑑や高野図鑑の影響は大きかったのでしょうが、これらの
図鑑にはエクリプスとオス幼鳥、メス成鳥を識別する概念はありませんでした。唯一高野図鑑
でヒドリガモオス若鳥という図版がありますが、高野図版ではシマアジの雌雄・成幼は判断が
できない図鑑です。氏は写真という手段でコンパクトでバリエーション豊富な日本の野鳥図鑑
スタイルを築いたのですから、種数を追わず、美しさだけに囚われていなければ、最高の図鑑
著者としての称賛を我がものにし得た方です。もう少し読者の気持ちが理解できたなら、今回
のカモ図鑑は完成度のより高い新訂と呼べるものになっていたでしょうに、残念です。
叶内さんに期待したいのは多くの同世代古参の鳥見人たちにも言えることですが、変革を受け
入れる度量の大きさです。鳥類目録は第7版となって分類も大きく変化しましたが、内容的に
疑問符がつく部分も残っています。野鳥の観察道具も変化し、双眼鏡・スコープの性能が向上
記録媒体もアナログからデジタルに移行しました。過去の偉大な人物の業績に依存すべき点は
それを踏襲し、機材変化から新たに得られた知見は更新されていかなければなりません。
私たちの鳥見スタイルが変容するのと同時に鳥たちの生息分布・生態も時流に即して日々変化
しています。鳥たちの変化に知見が追随できてこそ、ありのままの鳥たちが見えてきます。
もし、過去の知見で目の前の鳥を見たならその速度差によって不正確な情報しか見えません。
ありのままの鳥たちを見続けるには日進月歩の知見の更新を怠らず、どちらかというと一歩
先行く先取の気性で臨むことではないかと考えますが、皆様どう考えられますでしょうか。

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