をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

知って、身を守る

各地で記録的な高温が続いてますが、皆様お元気でしょうか?
暑い、暑いと言いながらも10日ほど前から風に秋の匂い、秋のそよぎを感じます。
空の表情や鳥たちの渡りも次第に秋の訪れを告げつつあります。
この夏、発症者がとても多い熱中症、やけど虫、SFTSについて少し触れます。

【熱中症】
私は夏生まれですし、成人しても長い間クーラーのない生活をしてきましたので、暑さに
対しては割合強いほうかも知れません。しかし、夏場は水分の摂り過ぎでよく夏バテしたり
長く肥えることのできない体質でした。
ですから自身の暑さに対する限界も、マラソンを通じての体力的限界もよく心得ていました
から、現役時代は熱中症で危険な目に遭うことはありませんでした。
退職後、まだ持久力も変化がそれほどないと思って臨んだ北海道での登山。同宿の若い人達
と2リットルの飲料水を準備、登山届も提出、防寒対策も万全で登山開始。
若い人たちは登山に慣れたグループで見る見るうちに他の登山者を追い越していきました。
登山ペースの早さに脚力が追いつかないほどのものではないのですが、朝方の雨のあと急激
な日差しと温度上昇で晩春ながら極めて高温多湿な登山道の環境に玉の汗が噴き出ます。
次第に飲水休憩が多くなり、上着だけの着衣からは汗が滴り落ちる状況になってしまいました。
このまま若い人たちと同じペースで登山するのは危険と判断し、稜線沿いに開けた登山道脇の
露出岩盤に腰かけ、ついにはべったりと横になって安静にすることにしました。 ここで最後
まで気遣ってくれた同行者にも山頂を気にせず目指すよう促し、しばらくは大岩が上昇した体温
を奪ってくれるのを待ちました。どれほどの時間が経ったでしょうか、頭痛と吐き気はおさまり
なんとか歩行することができるようになりました。 そこで、やや山頂寄りの山小屋まで歩き
下山者に飲料水の余分を分けてもらいました。なかには飴玉や干物を下さる方もいました。
その山小屋で水分と電解質の補給ができたことで、体力は急速に回復し山頂手前で引き返すこと
になったものの、無事下山することができました。
今さら熱中症対策を披露するほどのことはないでしょう。 加齢によって自身の気づかない内に
周囲環境に鈍感になることがあります。特に高齢者のいる家庭では、外出しないから大丈夫という
意識は捨て、常に発汗状態にあるような温熱環境は避けねばなりません。
ぜひ早め、早めの熱中症対策で健康にお過ごしください。 それと、大量発汗時には電解質も
失われるため塩飴やスポーツドリンクで塩分の補給も必要ですが、高血圧の方には塩分摂取過剰
にも気をつける必要があります。

【やけど虫】
この夏有名になった衛生害虫はといえばやけど虫ことアオバアリガタハネカクシの分泌する毒液
ペデリン(Pederin)による線状皮膚炎でしょう。
野外で何かにかぶれたり、水疱状のできものができたりというのはときどき経験することです。
ウルシ科の植物に接触することによるかぶれやアブや蚊による虫さされも比較的多いです。
しかし、これらの皮膚炎や虫さされは原因生物がはっきりしていれば、対策を知っていれば特に
恐れる必要もありません。このアリのような黄色と黒色の虫が皮膚に接触したら慌てず水洗いし
止まっているのを見つけたら、息を吹いて吹き飛ばしましょう。 どんな虫も直接素手で払う
ような動作は被害を大きくする可能性があります。

【SFTS】
マダニ刺咬症は多くの場合、痛みもかゆみもなく吸血されていることに気づかないことが多い
ものです。私も過去に3度ほど経験があり2度は吸血されました。
マダニはイヌ・ネコにつくノミより大きく、家庭の布団やじゅうたん、寝具にいるツメダニや
ヒョウヒダニほど小さくありません。 通例後頸部や皮膚の柔らかい部分にとりつき、衣服の
隙間から侵入し鼠頸部や腹部で吸血することもあります。大あごで吸血するまでは皮膚表面に
いるので容易に引き離せます。吸血を開始すると大あごをがっちりと皮膚下に固定するので
ピンセットなどで引きはがさないと取れなくなります。ただ気づかずにいて目いっぱい吸血
すると自然に落下します。これは成メスが産卵のために吸血するからです。
そのため野外で活動する際はなるべく皮膚を露出させない、帰宅後入浴時などにマダニの付着
がないかよく確認することです。
マダニが媒介する伝染病はこれまでライム病(スピロヘ-タ:ボレリア Borreliaが病原)や
日本紅斑熱(リケッチア:リケッチア ヤポニカ Rickettsia japonicaが病原)、Q熱
(リケッチア:コキシエラ ブルネッティーCoxiella burnetiiが病原)、ダニ媒介性脳炎(
ウイルス:フラビ属ウイルス、ヨーロッパではイクソデス リキヌスIxodes ricinusが病原)が
知られていたが近年中国で新たにフレボ属ウイルスのSFTSウイルスが報告され、日本国内でも
SFTSによる死者が報告されるようになった。マダニ自体は国内に広く分布するが、SFTSの
発症が西日本で明らかに多いことから、媒介マダニ種が特定種に限局される可能性がある。
虫体の引きはがしについては、刺入アゴが患部に残らないように注意するに越したことはないが、
残ったからといって、切開して大きな傷をつけるほどの理由は見つからない。
また、既知の媒介種から明らかに虫体鑑別に正当な理由がある場合は別だが、糞便検査に属する
虫体鑑別はその信頼性・有用性に疑問が残る。今後SFTSの発症が特定マダニ種と有意な相関を
認めた場合にはこの限りではない。現在のところ有効なワクチンや特効薬のないウイルス感染症で
あるので気づけばできる限り早期に虫体を除去、身体に異常(発熱等)が認められれば医療機関で
受診して対症療法を受ける以外ない。

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