をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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カモの調査と空間認識・世界観

昨日、一昨日は大阪バードフェスティバル2013に出かけた。
病院の面会都合で土曜日の樋口教授の講演後半と日曜日の午前は欠席。
土曜日の内容は普段から面識のある方ばかりだし、樋口教授の渡りに
関する内容も予想範囲内。

昨日午後のシンポジウム「色・鳥どり 鳥たちの多様な色彩の進化と
芸術への浸透」も各演者の話された内容がすでに自身の認識内のこと
でした。まさに予想通りの内容だったと思います。
個人的にカモにはまっていった理由の多くが雑種のこと、他人との
認識ギャップ、色素の役割とその機能にあったので、どのような内容
が話題に上り、どのように解説され、どのような鳥の絵が紹介される
のかが予め予想できたし、知らない画家や知らない絵は登場しません
でした。特に和泉市の久保惣美術館所蔵の宮本武蔵筆、枯木鳴鵙図=
こぼくめいげきず…なんて絶対に登場すると思っていたら演者の一人
高橋氏のナンバー1というのですから、英一蝶=はなぶさいっちょう
や司馬江漢=しばこうかん、なんて画家も美術史を勉強したことがある
ので、全部知ってました。浮世絵画家の鳥絵が最悪というのも、奈良で
見た展覧会で同じように感じてましたから同感です。
鳥の視覚におけるUV領域の認識も説明するなら、色空間を三角錐状に
してRGBと同時に表現するという方法や人の眼に認識できない領域が
どのように見え、利用されているかの説明も予想通りでした。
人間以外の動物では昆虫がしばしばUV領域の視覚を利用していて昔
「モンシロチョウの結婚指輪」小原 嘉明著 で読んだ内容に雌雄判別
に用いられているのを知っていたからです。

なんで、こんな話をしたかというと、ものの見方が違えば当然その結果
は異なるものです。同じ対象を見ても、ある人には見えて、別のある人
には見えないわけです。
見える・見えないとか、ある・ないという結果を判定するのが定性法と
いう方法です。一方、どれくらいの数や量があるかを表現するのを定量
法というわけです。ガンカモ調査などはいわゆる定量法となります。
私はガンカモ調査の調査員ではないですし、過去に調査に同行した際に
他の調査員からその年に多く見られたケアシノスリ目当てだの、その鳥
に近づきすぎて飛ばしただの、ネット上あることないことを書かれて後
ガンカモ調査と野鳥の会からは一定距離を置くことに決めました。
そのときに撮影した画像も撮影者名を明記しないことを条件に掲載許可
したのに、公開されたという経緯もありました。画像を託した方と掲載
した方が別の方だったので起きたことですが、画像使用に関するトラブル
は過去にも経験していたので、そのような接し方に決めたということです。
過去に書きましたが、ガンカモ調査の内容は調査者のレベルや担当範囲、
どのようなカモが対象かでも大きく変わります。まして年にたった一度
しかも、調査者の都合で同時調査ではないので、複数ポイントで同一の
個体群を重複カウントする可能性も逆にカウントを漏らす可能性も存在
します。春・秋に通過するシマアジに関しては沖縄県以外で有効な調査
はできないでしょう。

私の調査している池を担当する野鳥の会大阪支部、廣田博厚氏は
むくどり通信2012年11月号 N0.222で 『岡田康稔さんの思い出
とオット鳥』の冒頭で、大阪支部がそれを担当するまで都道府県が行い、
環境庁がまとめを行う、この調査の精度が極めて悪かったとお書きです。

また、履中陵で同じく調査を担当する方と私のカウント、雄雌の判断や
時に鳥種判断が違うとこれまでにも書きました。その履中陵のミコアイサ
は最近10羽が渡来しましたが、雌という判断(エクリプスかも?と表記)
ですが、少なくとも7羽はエクリプスです。カンムリカイツブリも2羽、
雌雄になりました。

勉強会の先生である和田岳氏はむくどり通信の最新刊の「身近な鳥から
鳥類学」第17回 カモのいる池、いない池 の中で

・たいていの池にカモはいない
・・・という小見出しで、そう書いています。実は私が成人するまでの
印象はこの地域に居住していなかったこともあり、そう思っていました。
ところがこの地で15年近くカモを見てきて、たいていの池にカモは
いるんです。そら、調査池がちゃうからや!と思われるでしょうが、氏の
調査対象ため池の堺市部分は私がよくカモを見る池で60%は確実に
重複しています。
この辺りの印象の違いはどこから来るのでしょうか? もしかして茂み
の奥にいるカモが出ていない時にカウントしているのでしょうか?
履中陵のオシドリのカウントでは片やゼロ、片や400羽超ということが
過去にありましたので、その部類でしょうか?
先生の見え方と私の見え方はカモメや過去の御陵の調査でかなりの違いが
出ています。

・どんな池にカモは多いのか
このコラムの中で氏はカモがいる池といない池の要因や種毎の環境選択に
ついて先行論文も引用して、強引にまとめると一概に言えないとしながら
も、ある程度大きさがあり、人からの影響を受けすぎず、休息に適した
場所があることとしています。
ここでも私の印象とかなり異なる部分があって、都市鳥としてのカモが
見落とされている印象からか 、狩猟圧、人畜の接近圧を遮蔽する要素
があって、結構多量のパンや食べ物が投入される、さほど大きくない池
のカモ密度が最も高いはずです。
種毎の印象では南大阪に多くないオナガガモも大和川とその水源支流や
そこに隣接する池には結構多く、西除側や狭山池もそのような例です。
つまりは水域依存性や越冬地の世襲、雌や幼鳥による新規越冬地の確保
等の視点も存在するように思います。

・野外で実際に観察してみよう
で給餌とオナガガモの関係について、給餌がある池ではオナガガモが
多いと書いていますが、少なくとも大阪南部ではそのような事実を
証明できないはずですし、既にオナガガモの越冬数と給餌の間には関係
が見られなかったという報告も存在します。この報告に関しては私も
ハクチョウに給餌している場所(北海道・兵庫県等)でそのような印象
を持っていたので意外でした。

つまるところ、種の分類や識別というのは多様な見方や様々な目があって
たとえ単純なカウントでさえ結果が異なるのは当然なんです。
種の定義や方法を統一しても、カウントは人の数だけ異なるはずです。
いや、そんなことはない、概ね一緒だと言う方もいるでしょう。 でも
その概ねが大きな議論の的になることもあるんです。
どこに行こうがカモの勝手案外そんなもんでっせ。
だって、鳥類も哺乳類同様に高等で感情もあるわけですからねぇ。
一定の枠で括ってしまうことの方が問題ありというもんでしょう。

f-eurasian-teal
A会場NPO法人共生の森 羽標本にあったコガモの羽。雄繁殖羽の写真
が一緒に飾られていたが、このカモの羽に似ている。コガモ雌成鳥。

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