をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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見たかった雑種トモエガモ

hybrid-baikal-re
これは地元のお三方が撮影した写真から、私が記録用に個人で描き起こしたものです。
30年前の水彩絵の具と1本の隈どり筆、100円のスケッチブックに描いた上手とは
言えない絵ですが、なるべく特徴を記録すべく、敢えて真横でなく斜め画像にしました。

今回、参考にさせていただいた方のうち、お一人の画像がトモエガモとしてある掲示板で
目に留まりました。慌てて書きこみをして、その方のホームページから場所を特定、同じ
エリアで普段撮影されている方の掲示板も拝見すると、更に数点の写真がアップされて、
やはりトモエガモというタイトルでした。今回の個体はかなりトモエガモに近似した外観
をしており、そう判断されても無理のない雑種だと言えます。

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一方の親(多分父親でしょう)であるトモエガモ第1回繁殖羽移行終盤成鳥雄
                     2011年12月下旬 奈良県

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もう片方の親であるヒドリガモ第1回繁殖羽移行終盤の雄 本日撮影 堺市

なぜ、この両種の雑種と判断し、また齢は第1回繁殖羽移行終盤なのかは明日に
※ 以下翌日10日に追記

細部の相違点より、大きさを含めた印象で気がつく方もいるかもしれない。
マガモ属の雑種では潜在斑型頭部をもつものが出現する場合があるため、真正のトモエガモ
雑種か頭部外観だけが似る偽性トモエガモ雑種かを知ることが必要となってくる。
この雑種頭部、頭央線と顔面側部を区画する白線が白かほぼ白くはっきりしていれば、涙斑
(目の下にある黒い涙の流れた痕のような斑)と緑色光沢の範囲と併せて、かなり確実に、
真正・偽性トモエガモ雑種を判別できるものと思う。
【注意すべき外観の似た雑種】…コガモXオナガガモ雑種雄がトモエガモの絡んだ雑種に
               似て見えることがあるので要注意。ただし区画線は褐色味
例1、日本野鳥の会 BIRD FAN
例2、北海道海鳥センターブログ  …など

これまでにトモエガモが絡んだ雑種として知られるものに
1、トモエガモXオナガガモ
2、トモエガモXヒドリガモ
3、トモエガモXコガモ      の記録が国内にあるようだが、観察頻度はここに示す
 順のようなもので、コガモとの雑種は世界的に見ても稀だろうと思う。
 ただし、これらの雑種はマガモXカルガモやヒドリガモXアメリカヒドリほど観察頻度の
 高い組み合わせではなく、かなり稀な雑種。
 1、の雑種は各地で目撃されており、北海道、東京(不忍池)、新潟(瓢湖)、兵庫(昆陽池)
 等に記録があり、兵庫個体は伊丹市駄六川で2001年12月3日に撮影されたものが、説明
 にはトモエガモとして掲載されている。また、この組み合わせの雌が雑誌Birder2007年11月号
 のP.39最下欄に掲載されている。(キャプションではトモエガモとコガモの雑種)
 雌雑種の両親判定はかなり困難なので、私が見つけたものではありません。
 2、の雑種が今回の例ですが、カモの雑種を公式に追跡・記録した例を知らず、野鳥の会等が
 把握している雑種情報にも触れることがないので、他の例は検索不能。海外のサイトにある、
 この組み合わせの雑種画像は見る限り大半が誤認画像。
 3、の雑種は鳥 18(82):127-130(1964)にある黒田長禮氏の英文報告のみで知る。

パーツ毎の相違点
【嘴】
 アメリカヒドリタイプの嘴、ただし先端黒色部は広くない
【頭部】
 頭頂の亀の甲タワシのような部分が褐色味を帯び、後頭段差がない
 目先の緑色光沢部が尖らず丸みを帯びる、頬のクリーム色部分が
 目先で広い
【胸部】
 トモエガモ雄の胸は前面がやや薄く、小黒点が散在するが、それがなく単色
 側胸にある白色横斑が細く不明瞭、トモエガモにも個体差はあるが、範囲外
【肩羽】
 トモエガモに特徴的な細く長い、白・黒・褐色のストライプの肩羽と波状斑
 があってやや幅広の肩羽が融合している
【三列風切】 
 最外側外弁が白いヒドリガモ三列風切の特徴がよく出ている
【尾筒】
 尾羽側面の赤褐色線が不明瞭、尾筒黒色部前の白色横線が幅広の白色部であること
【翼鏡】
 三列風切の下にちらりと覗く翼鏡はトモエガモタイプ
【雨覆】
 窓から見える小雨覆はヒドリガモ幼鳥に見られる縁付淡色タイプ
【腋羽】
 トモエガモの白色無地とヒドリガモの杉綾模様タイプの混合柄

以上のような点から、ヒドリガモとトモエガモとの雑種であると判断した。
※ 2014年10月6日 判断違いにより記事一部訂正

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