をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

ウミネコの年齢・分布・生態

ウミネコの大和川における夏季の観察例は成鳥がほとんどである・・・
こういった発表に関し、過去に疑問を投げかけた。 「初体験、ちょう学会大阪」17日欄
カモメ観察を本格的にしだして初めての夏季観察だったので、その秋の発表は違和感に
満ちていました。その年2011年7月の観察画像が以下のものです。

umineko-110708
2011年7月8日、国道26号線大和川大橋より上流方向を撮影
杭の上で向かい合うのは亜種チュウダイサギ雌雄

umineko-flock110708
上の画像と同日同所の撮影、更にクローズアップしたもの
第1回夏羽の個体も右下に見える
どの個体も嘴先端の赤色範囲が少なく、嘴・脚黄色が浅く、背の色もやや褐色味を帯びる

umineko-July
やや下流の砂州で撮影した別の群れ、上で記した特徴が顕著で若い群れと判別できる
いずれの個体の初列風切先端にも白斑が見られない
成鳥であっても夏羽後期には摩耗によって白斑が見られないことがある
色素のないミラーや白斑部分は耐摩耗性に劣り、早期に摩耗損傷する場合がある
どのような場合も一点至上主義の判断は避け、換羽状態等多点考慮のうえ判断すべき

umineko-flock110706-1
舞い上がるウミネコの群れ、2011年7月6日

umineko-flock110706-2
空高く舞い上がったウミネコの群れ、2011年7月6日 この日は1200羽超え
高空から大阪湾のねぐらに帰って行った

前々回のエントリーでウミネコを内陸部で見た記憶がないと書いた。
全くないわけではなく、場合によっては目撃されているようだ。
また大阪湾でねぐらをとるカモメ類は夕方湾方向に帰っていくが、京都鴨川のユリカモメは
琵琶湖に帰還するようだ。ならば、中間点付近に飛来しているユリカモメはどうかというと
ノハラツグミで一躍有名になった宇治市木幡には池及び民家屋根で陸上ねぐらをとる群れが
いたという報告がある。また、一過性の陸上ねぐらは私がよく知る岸和田市の久米田池でも
過去にあったことが報告されており、必ず元のねぐらに帰還するものでもないらしい。
ウミネコも大阪での営巣や陸上ねぐらのことを聞いたことがないが、東北地方では内陸にある
農耕地帯に飛来する群れや東京都台東区上野付近で昨年確認されたビル屋上での営巣のように
鳥類の行動や生態は環境の変化、人との関わりにおいて刻々と変化している。
そのような面からも、大和川の夏季の群れが繁殖に参加しない亜成鳥より弱齢の群れなのか、
繁殖を終えた近隣繁殖地から集合した群れなのかを知ることはとても重要であると考える。
「鳥の調査の勉強会」では種名や鳥の年齢・呼称は論文内で定義さえしておけば、一般常識と
乖離しても何ら本筋に影響しないらしいので、報告者にはどうでもいいことかも知れない。
ミゾゴイの一件にもあるように、過去東京で起きた事例は大阪でも起きることが多い。
同じ都市部でのウミネコの順応がどのように変化していくのか興味深いが、東京上野の例は
過去何シーズンにも渡ってウミネコ成鳥が内陸飛来している場所なので、そのような段階を
経なければ都市部営巣は広がらないのかも知れない。
※ 野鳥の会大阪は野鳥図鑑に添えられた短文で、繁殖に参加しない若鳥の群れと表記。

umineko-July
一昨日の画像。 この日ウミネコ9羽、オオセグロカモメ1羽を含む大型カモメの群れが
見られた。ウミネコの内訳は成鳥夏羽7羽、第3回夏羽2羽。
左端ウミネコ成鳥夏羽、次にセグロカモメ第1回冬羽後期、オオセグロカモメ成鳥夏羽、
右端がウミネコ第3回夏羽。初列風切の白斑の有無が相違点だが、背や初列・三列風切
の色や嘴先端の赤色部分の広さも異なる。
大和川冬季のウミネコは圧倒的に成鳥が多い。ただその目撃頻度が少ないため、3月頃
になると他の齢の若鳥も混じりだす。
ウミネコは日本近海で繁殖するため、カモで言えばカルガモに匹敵するような周年観察
可能で、フレッシュな幼羽も見ることができるカモメだ。離島フェリーや観光船から某
大手スナック菓子メーカーの海老煎を差し出して喜んでいるばかりが能じゃない。もっと
ウミネコのことをよく知ってほしいと思う。

PageTop