をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

3月のモンゴルセグロカモメ

大和川の3月は日に日に春めいてくる。
河口部にカモメが増加、同じく阪神高速道路湾岸線高架より下流部にキンクロハジロや
ヒドリガモの群れが多くなる。もうすぐハマシギやイソシギ以外のシギも入るだろう。
内陸部で越冬していたヒドリガモが河口付近に集合するのは、結構多くの河川で見られる。

最近は最河口付近の右岸(大阪市側)にカモメ類が滞在することも多く、阪堺線より下流
大和川大橋付近までに集合しているカモメ類がそれほど多くない。けれどもウミネコの数
は日増しに増え、本日は20羽を超えた。中・大型カモメの群れで優占種はカモメ。

mongolicus
本日最初のアッ!は幼鳥に追われる極めて白いこの個体
この背はセグロカモメの色、完全な夏羽で独特の顔つき…モンゴルセグロカモメ成鳥夏羽A

mongolicus-a1-wing
翼端黒色部はP3~P10の8枚でモンゴルセグロカモメの特徴に合致する
原画像ではP9・P10のミラー、羽先白斑が摩耗しつつある

mongolicus-ad2
外観的には嘴端の赤色部が大き目で黒斑が小さく目立たない、脚色がやや黄色いのが気になる

mongolicus-ad3wing
別個体の翼端黒色部、こちらは外側6枚しか認められない。モンゴルセグロカモメ成鳥夏羽B

mongolicus-ad4
右側にいるセグロカモメもかなり頭部が白いが顔つきが左のモンゴルセグロカモメと
大きく異なることがおわかり頂けるだろうか。翼端黒色部が6枚でも静止外観はむしろ
こちらの方がモンゴル然としている。この個体の脚もやや黄色味がある。

※ ここでは鳥類目録改訂第7版にあるキアシセグロカモメという名称を使用しません。
第7版では分子生物学的分類法も取り入れ、新たな分類にチャレンジしたことは評価でき、
これからも分類のあるべき姿を模索していくのは必要なことです。しかし、カモメ類の項
では新たに独立種として追加されたものが多く、それまでの長期間の出遅れを一気に解消
しようとした感があります。ここで新たに発行された図鑑等により、和名として不適切と
感じられる新称が流布すると、これまでにも発生していた混乱に拍車がかかり、次版では
再度和名呼称の改訂が行われる事態にもなりかねません。要するにこなれていない名称です。
よって、ここでは「カモメ識別ハンドブック改訂版」の呼称に準じます。
 モンゴルセグロカモメは西日本で見られることが多く、大阪近辺では100~200羽の
大形カモメが見られる場所では1羽程度混じっている可能性のあるカモメだと感じます。
全齢を通じ白さが際立ち、換羽進行も他種に比べて早いため、群れの中ではよく目に付き
ます。ただこの時期になると夏羽の白さが目立つ他種も多くなり、セグロカモメ(Vega)
との判別には注意が必要です。

※ どうも頭頸部の白さなどは夏羽を示唆するため、モンゴルセグロカモメ以外この時期
これほど白いカモメは考えられず、しかもセグロカモメと同等の背の色をしていることから
この記事作成時点では、モンゴルセグロカモメという判断で掲載しています。
ただ、遭遇時から気がかりな脚の色が黄色味がかる、嘴の赤斑が大き目等の印象は第7版に
ないタイミルセグロカモメの特徴の一部であり、換羽進行の遅いこのタイミル系統のカモメ
とは考え難いものの、外観上は10月頃のタイミルに換羽完了した初列風切を合体させた
外観にも似ており、実のところ正体は不明です。3・4月頃になると脚色が微妙に橙黄色に
なるセグロカモメが多く見られるようになる気もして、判断に自信がなくなります。

PageTop