をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

プール好きのアカハジロ

昨冬は大阪の特に堺市近辺でアカハジロ・メジロガモの観察が相次いだ。
ここで紹介するアカハジロも昨年腹部に幼羽を残した第1回繁殖羽で記録された個体が
また訪れたものと考えられる。

プールは特殊な水辺か?】
このプールで観察した方の一部の方は、わざわざプールに来んでも、近くに池があるのに
なんでやという感想を抱いたようだが、…少しばかり頭が固いのではなかろうか?
都市部の水辺は減少する一方なのに対し、公園や学校のプールというのは屋内施設を除き
夏季以外使用されず、傷みが進行しないよう、水が張られた状態で管理されている。
そのような藻が発生し、トンボが産卵、有機物も皆無ではない大きな水溜りはもはや池と
考えても不思議はないし、昨今のコンクリート護岸の池とは大差ない。
事実、大半のプールにはコガモなどが飛来して越冬地の一部として利用しており、近年は
堺市のプールにハイイロヒレアシシギが羽を休めたこともある。
この池では市民が利用していない時期は鯉を入れて飼養しているようで、この餌の投入も
あってカモたちには魅力ある場所なのだろうと思う。

【11月の画像】
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11月23日

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11月26日
アカハジロ成鳥雄の非繁殖羽では頭部に緑色光沢がないだけでなく、頭頂に平坦部がある
雌雄共に脇の白色食い込みははっきりと認められる。個体差があっても微妙なレベルではない。

【12月の画像】
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12月6日
頭部の上側半分ほどが黒っぽくなり、光の状態により緑色光沢が見えるようになる

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12月23日、カルガモ・コガモ・キジバトと共に

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12月23日

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12月23日、嘴爪周辺部のみに嘴端黒色部は限定される。一般に幼羽時には広めの個体が多い。
黒色部周辺の灰白色部は狭い

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12月23日、光線状態によりかなり明瞭な緑色光沢が見られるようになった

【1月の画像】
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1月28日、頭部が完全に緑色光沢を呈するようになった
幼鳥か成鳥かであるとか個体差によってある程度の時期的ずれはあるが、年始め頃には
通例頭頂部が丸くなり、緑光沢を放つようになる
このアカハジロは最近も近くの貯木場で確認されており、2つの場所を行き来している。
もう一度プールに帰ってくる可能性もあり、秋にはまた戻ってくる期待が大きい。

頭が固い=Hardheadだが、実はこれオーストラリアメジロガモ Aythya australis
英名です。世界には他にマダガスカルメジロガモ Madagascar Pochard Aythya innotata
がいますが、局地的に分布する雄虹彩の白い近縁種なため、国内記録はありません。

先ごろ、平成25年度のガンカモ調査の結果が公表され、大阪府内でのアカハジロの観察は19年度
以来の7年ぶりという報告となっているが、前回の記録はメジロガモXアカハジロの雑種だったろうと
推測されるため、私個人の明確な府内記録では2004年3月藤井寺市の雄観察以来の10年ぶり記録
と考えている。
雑種の記録はおろそかにされがち。また、メジロガモXアカハジロの雑種は雑誌Birder2013年
12月号の「Young Gunsの野鳥ラボ」で取り上げられるまで一般には知名度の低い雑種でした。アジア
に特有なカモの生態や特徴は我々アジアの人間が明らかにすべきものです。誤った認識は好ましくない。
他にカルガモ・ヨシガモのカウントが個人的には府内水辺の増加数を反映していない気がする
※ 以上はあくまで個人的感想で記録個々の詳細内容を確認して書いたものではありません。

とにかく、アカハジロは国際的にかなり減少の著しい、ともすれば野生絶滅に至りかねない種が雑種の
存在により国内で過小評価され、いつまでもデータ不足により評価できない種であり続けることには多少
なりとも不安を感じる。

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メジロガモXアカハジロ雑種、2012年11月27日大阪南部

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上の個体の2014年1月12日画像、ここ数年毎年渡来するが年をまたいでの滞在は初
右はホシハジロ雌幼鳥
ひょっとすると純粋なメジロガモより目撃数が多いのではないかと思われるこの雑種
私自身は府内で過去に4個体目撃している。雑誌Birderの記述に加え、頭頂に赤褐色部が
見られればまず雑種と考えてよいのではないかと思う。2005年の千葉県記録のアカハジロ幼鳥は
その後2月・3月の画像を見る限りこの雑種と考えられる。
頭部に顕著な緑光沢が見られるとアカハジロに、そうでなければメジロガモと誤認されるこの雑種に
ついては今後も動向を見続ける必要を感じる。
最近、この雑種の雌であると判断してよいと思われる画像を目にした。
12/28(日)日本野鳥の会福岡支部の久末ダム探鳥会で記録されたというカモがそれで、アカハジロと
ホシハジロの雑種という判断となっているようだが、体羽に波状斑がない、嘴にホシハジロ譲りのくびれ
がないなどの理由からメジロガモとの雑種雌というのが妥当と考えられる。

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