をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

サインは9時半

先日カモの飛来状況を確認に行った池でカルガモに混じって珍しいカモを見つけた。
このオカヨシガモを見て、「どこが珍しいねん!」とツッコミを入れたくなったアナタ。
少々認識不足と言わざるをえません。 そもそもネット上でエクリプスまたは移行中
とキャプションの添えられたオカヨシガモのほぼ全てが幼羽から第1回繁殖羽に移行
途中の画像だからです。
ごく稀に繁殖地近辺で撮影された画像や越夏個体画像が見つかりますが、極めて
少ないのが現実で、オカヨシガモは他のカモに比べて繁殖羽への移行が早い上に
越冬地である日本付近への渡来が遅い種なので、繁殖羽への換羽が済んでいない
成鳥個体を観察することが、とても珍しい種なのです。

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オカヨシガモ雄成鳥 エクリプスから繁殖羽移行後期 2014年9月22日大阪南部
オカヨシガモのエクリプスは全体に褐色味が強く、肩羽や脇羽にも波状斑はない。
また繁殖羽では不明瞭な頭央線、過眼線が明瞭で嘴の両サイドは雌のように橙黄色
を呈する。真黒な嘴の雄成鳥は渡来期から渡去期まで見られるが、遅くまで居残り、
4月以降に観察される雄成鳥の一部は早くも体色が褐色味を帯び、嘴に黄色味が
見られるものが確認できる。

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上と同一個体、同日の正面  頭部や肩羽、嘴にエクリプスの残像が見える

gadwall-male2014
オレンジ色の楕円で囲った部分の羽に淡色の「く」字斑が見えますね
実はこれ、雄成鳥の換羽時期に特徴的な軸斑なんです。
そう、本日のタイトルにある9時半というのは、く字斑のことなんですよ!
前に幼羽から第1回繁殖羽への移行期、肩羽の一部に淡色斑が出現
する様子を「わっ、おんなじや」で触れました。
これは羽衣さえ理解できれば外観から容易に成・幼が判断できる一基準です。

では、他のマガモ属の例で確認してみましょう。
falcated-male2014
昨年10月26日のヨシガモ雄成鳥移行羽

wigeon-male2013
ヨシガモと同日、同所のヒドリガモ雄成鳥移行羽

どうです?国内ではカルガモ以外のマガモ属成鳥雄の繁殖羽移行期にこの
く字斑が見られるのです。

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