をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

羽抜けと越冬地換羽

我が主要フィールドの中でも最も観察頻度の高い芦ヶ池にも先日からカモが渡来中。
9月末にマガモ雌雄ペア、しかも雄は完全エクリプスのきれいな羽衣でしたので、
慌てて帰宅、カメラを持ってすぐに取って返したが、パン撒きによって既に姿なし。
パンを撒く方達はカモは全てパンに寄ってくると誤解しているところが、とても痛い。
10月7日 ヒドリガモ雌成鳥3、ハシビロガモ雄成鳥2・雌成鳥3、計8羽
10月8日 ヒドリガモ雄成鳥3・雌成鳥5、ハシビロガモ雄成鳥2・雌成鳥3、計13羽
10月9日 ヒドリガモ雄成鳥4・雌成鳥8、ハシビロガモ雄成鳥2・雌成鳥3、マガモ雌成鳥2
       計19羽  ・・・が常時見られるアイガモ雄4羽と共に見られた。

shoveler-female-unmolt
adult female shoveler with worn tertials
ハシビロガモ雌成鳥 三列風切は著しく摩耗しており、翼羽は間もなく脱落する

mallard-female-unmolt
adult female mallard lacking her wing plumage
マガモ雌成鳥 三列風切他風切は脱落・伸長中

秋季の雌ガモには多くはないが、上に挙げたような三列風切が激しく摩耗した個体、
あるいは脱落して伸長中の個体が観察される。
「羽抜けと換羽時期」「カモ成鳥メスの風切換羽」で紹介してきた内容です。
私は黒田長禮博士の「コガモ1千餘羽による趨異の調査」 昭和12年6月「鳥」第9巻44号の
ー所謂「羽拔け」問題ーにある若親の雌が遅い繁殖終了後に越冬地に渡来後換羽するとした
推定に同意してきた。 しかし、羽衣外観からは必ずしも若い雌に限局しないのではないかと
いう疑念も同時に抱いていた。同様の換羽遅延を取り上げた報告が第19回日本鳥類標識協会
全国大会(2004年度)の「新潟県瓢湖でみられたオナガガモAnas acuta(雌)の越冬地換羽例」
本間氏他報告、でその後見つけた。また本年度東京で行われた鳥学会2014年度大会での
ポスター発表にも重複メンバーによる報告を見出した。
瓢湖を舞台としたグループの報告で、雌の雄化及びこの越冬地換羽例がなぜオナガガモに限局
報告されているのか?これまで瓢湖に出現した雑種の種判断に公式見解を表明しないのか?
少なからず疑問のあるグループなので、今後も発表の動向に注意したいと考えている。

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