をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

ヒドリガモはどこを見るべきか

ヒドリガモの成鳥・幼鳥は雨覆が白いか否かで容易に見分けられるためか
カモ類の雌雄・成幼の識別では初歩と思われている方が多いだろう。
しかし、この時期の雄幼羽と雌幼羽それに若い成鳥雌の識別は慣れないと
誤認する可能性が高いのも事実です。

カモに関する著作の権威、叶内氏の新訂 カモハンドブックにある雄成鳥画像
には雄若鳥またはエクリプスというキャプションが添えられ、本種の成鳥か若鳥
かは識別が難しいと記載されている。幼鳥の識別画像が少ないフィールドガイド
でも、ヒドリガモの成・幼画像は併記されており、新版 日本の野鳥に至っても
同様の記述があり、叶内氏は自身でヒドリガモ雄の成・幼が識別できないことを
明らかにしている。記述中の若鳥・幼鳥はどこで線引きしているか理解不能。

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ヒドリガモ雌幼羽

ヒドリガモの幼羽と成鳥羽で異なる特徴的な点は羽衣の色彩が赤褐色味に
乏しく、名の由来の緋色を感じづらいこと。全体的にバフ色味の強い抑揚の
ない色彩であること(特に雌で顕著)。 三列風切や肩羽先端の尖りが明瞭。
次列風切の金属光沢が鈍く、雄幼鳥は成鳥より緑色が弱く、雌幼鳥は成鳥
より金属光沢に乏しく緑色が見えないだけでなく墨絵のようなモノトーン色調
と感じる事が多い。羽は全体的に整っていて、頸胸部には縦斑状あるいは
メッシュ状の羽衣が見える。腹部は幼鳥においても白いので、他のマガモ属
幼鳥のようなまだら状幼羽を見ることは、鉄分による染まり等がないと認識し
づらい。嘴先端黒色部と灰色の境界は滲んでぼんやりし、雌幼鳥では全体に
暗色傾向なため、全体が暗灰色に見える個体もいる。嘴の頂部である嘴峰に
沿って黒色が残存しY字状に見えることも少なくない。ただし、このY字残存が
すべて幼鳥を意味するものでなく、非繁殖羽個体でも見られることがある。

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ヒドリガモ雌幼羽の翼パターン

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飛翔中のヒドリガモ雌幼羽個体

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脇羽に波状斑が出現し、外側肩羽に幼斑(仮称)が見られる雄幼羽

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波状斑が見えず、肩羽に幼斑が見られない雄幼羽

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波状斑は見えないが、幼斑が出現している雄幼羽

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波状斑が見えず、肩羽前方にわずかに幼斑がでた雄幼羽

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警戒して飛翔予備姿勢をとる雄幼羽。縦斑状頸部、メッシュ状胸・腹部羽衣をもつ
波状斑は見えないが、明瞭な幼斑をもつ

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次列風切の金属光沢=翼鏡は幼鳥ながら緑光沢を有する(上と同一個体)
肩羽に幼斑が見え、全体的な特徴から幼羽と判断できれば、雄幼羽と言える

つづきで成鳥画像

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ヒドリガモ雄成鳥 繁殖羽への移行羽
側胸、肩羽、尾筒周囲に多数の成鳥斑と言えるく字斑が見える
く字斑は肩羽後方では羽軸を中心に分離、ハの字八の字に見えることも
あり、場合によっては幼羽の移行羽にも少数このような斑が出現する

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ヒドリガモ雄成鳥 繁殖羽への移行羽
こちらの個体にはく字斑が見えない。時期や齢で出方は異なる

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ヒドリガモ雌成鳥
雌成鳥に典型的な淡色羽縁のある雨覆が見える

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