をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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オシドリ(カモ)は浮気しなかった

カモがつがい関係を維持するのは産卵・子育ての前まで
・・・そう考えている方は多いのではないだろうか。

特に山岸哲氏が「おしどりは浮気をしないのかー鳥類学への招待」2002 という
中公新書の著書を発表されて以降、顕著となった。
著者の山岸哲氏は内水面のカモ研究で緻密な研究をされた信州大学の羽田健三
門下生にして大阪市立大学教授、京都大学教授をされたのち、民間人初の山階鳥類
研究所所長、現在は名誉所長で兵庫県立コウノトリの郷公園園長や新潟大学特任
教授などをされている名実共に日本の鳥類学分野の権威で関西にも縁の深い方が
多数存在する方です。

山岸氏が明らかにしたのは一般的なつがい関係の維持をある集団について調査し、
その結果ガンやハクチョウに比べて、カモ類は毎年つがい関係を解消して、新たに
つがい相手を獲得する。そういうように理解しているが・・・世間一般にはそうでなく
カモというのは浮気症でその都度雌を追いかけまわしては別の相手とつがいになる
という、ある種侮蔑の意味を含んだ見方をしている方が少なくない。
このような、ある種侮蔑の意味を含んだカモの見方は採餌法にも向けられ、パンに
群がる都市部のカモ達をしばしば自助努力なしに人間の餌に依存しているぐうたら
連中だとして舌打ちしながら観察する方も少なくない。

観察眼というのは人それぞれだし、いろんなものの見方があっていいと思う。
私自身はカモ達の行動をそのような侮蔑的観察眼で見たことはなく、ただ淡々と
現実に目の前で起きる行動や現象が本や報告、論文に記された内容と一致するか
注意深く見続けている。 その結果、つがい関係の維持は私の観察しうるカモ達では
翌年以降も継続している場合が多いということです。
ガンやハクチョウ類ほど家族単位で行動しないカモ類はその採餌物や環境によって
多岐に渡る種が存在し、特に北半球で渡りをするカモ類では雄が子育てに関与しない
つまりはつがい関係の解消が起きますが、これは人間でいう里帰り出産みたいなもの
で離婚ではないように考えています。 カモの社会の繁殖戦略は長年の渡りや対捕食
から巧妙に確立されてきたもので、一生つがい相手を変えないとされるツル達でも相手
が死亡すれば、新たなつがい相手を獲得することがあるように、固定的ではありません。
私はこれまでにも傷ついたオシドリや特徴あるヒドリガモのつがいから多くはありません
が、複数年に渡るつがい関係を多くの種で観察してきました。
全数が翌年も同じつがい相手とペアになるとは言いませんが、身近な観察では意外に
多くのペアが同一相手とつがいになっているのが観察できます。
渡去前のこの時期、お近くの池や川にはペアになったカモ達がいて、彼らは毎年同じ
場所に来ていませんか?そんなカモに心あたりがあったら是非撮影して、翌年の同じ
時期と比較してみて下さい。彼らは同じつがいかそうでないか?少なくとも複数のペアの
そのような観察を経て「カモは浮気症だ・・・」などとのたまわってください。

fwigeon-glass140109
ゴルフ場池に毎年渡来する頭部部分白化のヒドリガモ雌成鳥 2014年1月9日

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同じ場所で昨日撮影した頭部部分白化のヒドリガモ雌成鳥 2015年3月6日

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同じ場所で撮影したアメリカヒドリとヒドリガモの雑種雄成鳥 2014年1月9日

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同じ場所で撮影したアメリカヒドリとヒドリガモの雑種雄成鳥 2015年3月6日

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同じ場所で撮影した上記雌雄のペア 2015年3月6日
行動や渡来初期の目撃記録・場所などからこの周辺に毎年渡来しているペアで
行動半径は周囲2~3kmほど 継続してつがい関係を維持していることは特徴の
ある雌雄外観から見て疑いがなく、多くの観察者が撮影記録している。
他の年度の画像もあるが、昨年と今年の画像を並べた。撮影時の天候が異なる
ので、色自体はあまり参考にならない。

前に紹介した雄化の可能性があるカルガモ流星号のつがい相手のオスも昨年と
今年で変化していないのを観察していますし、最古参のヨシガモ雄のつがい相手
の雌もここ数年は同一です。

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コメント


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秘密コメントさんへ

この記事に反応していただいてありがとうございます。
最近は自分のブログもろくに更新・読み返しもできていなくて、気づくのが遅れて失礼しました。
ご紹介いただいた書籍は拝見したことがないので、機会があれば読んでみます。最近発行されたHELMのカモ図鑑にも検証の必要な内容や誤りが多数あり、何事も鵜呑みはいけないと痛切に感じます。

Shin's | URL | 2015年12月07日(Mon)22:23 [EDIT]


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| | 2015年12月04日(Fri)18:30 [EDIT]


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| | 2015年12月04日(Fri)18:30 [EDIT]


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