をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

この冬はカモ図鑑が熱い

先日発刊された氏原さんのカモ図鑑に続き、ヘルム社の識別ガイド、カモ図鑑が新刊
発行された。

タイトルは
WILDFOWL OF EUROPE,ASIA AND NORTH AMERICA」
著者はセバスチアン リーベル Sébastien Reeber、フランス人著者による図鑑。
先立つこと1年ほど前、「Ducks,Geese,and Swans of the North America」 Guy Baldassarre 著が
アメリカ John Hopkins University Press から発行され 雑誌Birder 11月号に茂田良光氏の書評が
掲載されていますからカモ図鑑の発行が世界中で相次いだことになります。

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この本はハードカバー版ですから、安価なペーパーバック版やキンドル版を待っても遅くないと感じ
ます。内容はこれまで同社が発行していたスティーブ マッジ著の世界版と異なり、ヨーロッパ及び
アジア、北米のカモのみを取り上げていますから、南米のワキアカヒドリもオーストラリアのクビワ
アカツクシガモもアフリカ南方に局地的なマダガスカルメジロガモも掲載されていません。
その分年齢、羽衣の識別、亜種の記述が詳細になり、新たな情報量も多いようですが、イラストの
エッジの立った怖い顔をしたカモはあまり好みではありません。カモメ識別ハンドブックが改訂版で
ややどぎつい図版になったように中間トーンが貧弱で細部の正確さに欠けます。ヨシガモの非繁殖羽
から繁殖羽への移行図も違和感大です。この辺は著者がヨーロッパ在住の方である部分が大きいと
感じます。イラスト、写真の双方を駆使して解説している点は好感が持てますが内容の重複性、正確
な記述に難がある、雄化の解説がない等の点で半額で入手できる氏原さんの図鑑が断然高い評価
となります。評価できるポイントは各羽衣が観察できる期間が解説文中に示されていることでしょうか。
氏原さんの図鑑にも水面採餌・潜水採餌ガモ別にバーグラフによる羽装カレンダーの掲載があるかも
と感じていたので、この部分はやや参考価値が高いでしょう。

なお、羽衣呼称はdefinitive basic 成鳥繁殖羽
definitive alternate 成鳥非繁殖羽
first basic 幼羽
formative 第1回繁殖羽相当の用語が用いられているようです。
コウライアイサの成鳥雌繁殖羽画像は雄第1回繁殖羽画像に見えるのですが・・・。

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内容のイメージです。著作権の問題があるのでヒメハジロとホオジロガモ雑種等の雑種ページを
小さく載せておきます。

※ 以前にも同じ内容のリプリント版がHoughton Mifflin(米)で「Waterfowl」とタイトルのみ変更
されて出版されたことがありますが、今回もPrincetonより「Waterfowl~」というタイトルで米国
発行、2016年3月 されるようです。通例米国版の方が安価であることが多いようです。
なお、原著は
Canards, cygnes et oies d'Europe, d'Asie et d'Amérique du nord 2015,11/12 です。

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