をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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美白・シミ抜き

カモの雑種に興味をもって、いろいろ調べてみるとどうやらオス外観に
関するものが殆どで母種の影響やメス外観を論じたものは少ない。

pintail hybrid-MIE
 2016年4月20日 三重県 オナガガモ雄×ヒドリガモ雌、雑種雄

「HYBRID DUCKS」 THE 5th CONTRIBUTION TOWARDS AN INVENTORY
by ERIC & BARRY GILLHAM : published in 2002
この本の表紙画像にはオナガガモ(父)とヒドリガモ(母)の雑種ガモが載っています。
ところが全ての雑種ガモの両親種の性が記載されているわけではなく ?もあり
どの程度信用してよいものか判断に迷う記述も多いです。
 中にはヒドリガモとアメリカヒドリ雑種の多様性に触れ、以前何度か紹介したことの
ある野鳥の会大阪支部にいらした塩田氏提供の画像が4枚掲載されたページも存在
します。そのうちの1枚は ? a backcross to americana そしてもう1枚に ? a backcross
to penelopeと表記されているものがあって、単に頭部緑色光沢の範囲のみで判断した
のかと思われるキャプションがついています。 これが塩田氏の考えか著者の考えかは
私にはわかりませんが、重要な視点がひとつ欠落しています。
それはbackcross とした時点で両親種の性が逆転した場合の組み合わせも考慮して
いなければ得られない結果を無視し、単にオスの外観だけで比較しただけだから到達
しただろう不信感にあります。

また最近ネット上で見つけたワシントン大学バーク博物館の 「Hybrid Duck Study 」では
雑種ガモが誕生する原因推定や収集した雑種ガモ画像、変なマガモの画像を公開し
ハンターに研究の協力を呼びかけています。 しかし、ここでも父種推定とか説明に
はあっても、具体的に画像で示された父種・母種由来の説明はなく、画像もオス画像
だけなんです。
そこで本日の話題はヒドリガモ雌を母にもつ子ガモはどのような外観に成長するか?
その結果推定が、顔下半が脱色・淡色化して美白化しゴマ塩が消えるシミ抜き
あるとするものです。その理由をいくつかの観察結果から考証し、その結果を実際に
ヒドリガモ雑種の複数世代にフィルタリングして、冒頭の? a backcross to~ が正しい
のか否かを考えてみたいと思います。

【雑種ガモ外観から父種・母種を推定するために】
単に雑種といっても犬猫の雑種は学術上の種の雑種ではなく、人間が作出した品種
における雑種です。ですからアヒルの雑種というのも品種間のかけ合わせが原則ですが
前記事で私が指摘したように東南アジア在来のマガモ近縁野生種の血統が入っている
可能性もあってマガモ雑種については家禽系要素を考慮する必要があります。
上で紹介した「Hybrid Duck Study 」ではオナガガモの要素としているようですが、灰色
嘴をもったカモには他にもヒドリガモ含め多数存在しているのですから限定できません。
前記事冒頭のアヒルとアイガモ画像に写るアイガモの嘴は緑がかった黄色つまりは
シトラスイエローのような色合いですが、これは黄色の色素と灰色嘴由来の色構造が
合成された場合の色で、アイガモ雌の嘴が肉色、橙色、灰色、黒色と多様な変異を
示し、雛の体色が一様に白いもの、黒いもの、マガモタイプのものと変化に富んでいる
ことも単一種由来ではない可能性を示しています。
そこで雑種ガモの親子推定ではシンプルな結果がでやすいスズガモ属の種間雑種が
入門編としては適していると思います。それは虹彩の色、体色、波状斑、頭部形状等
多くの要素が例外なく中間的な外観を呈するためです。 その他の潜水採餌ガモや
マガモ属のカモでは複雑な斑紋をもつのでその斑紋の出現に優劣関係があったりして
結果の予想が複雑化する傾向にあります。そのシンプルな雑種外観から両親種の性
特定の手がかりとなる要素の見極めが磨けるように思います。

いつものことですか、ひとりで多種多様なカモ雑種を観察できる時間も資金もありません。
当然その結果はネットで検索した画像を自分なりに分類して、その時その時の認識に
基づいて整理していくことぐらいしかできません。そんな中でおそらく正しい推論では
ないだろうかと思うものを紹介するのが今回の目的ですが、詳細は後日に続きます。

DUCK-HYBRIDS
6月29日追加画像、両親種の性が逆転した場合に誕生しうるオス外観

ここで描いた左下の画像が冒頭写真の雑種頭部です。見た経験のないものを想像
するのは困難ですし、はたしてこのような雑種が現実に存在するのかも不明です。
雑種の外観には個体差による幅が大きく見た目とはやや異なる結果になる可能性は
存在しますが、まるでランダムで予測できないほどのものでもなく、ある種ルールに
則った変化を見せるはずです。
他にも昨秋から今春にかけて観察されたハシビロガモ×ヒドリガモ(愛知県) や
マガモ×ヒドリガモ(北海道)が観察されたようで、これらの母ガモは外観から全て
ヒドリガモのように思われました。そこから導き出された結論が今回記事のタイトル
「美白・シミ抜き」つまり顔の下半分がクリーム色状に明色化し、アメリカヒドリ雄の
ごましお状に灰色になる部分が抜けて見えることです。
ここで、ではトモエガモに見られる目の下の黒条(色反転して白いこともあり)つまり
涙斑が存在するのはなぜかと思われる方もおありだと思います。それは父ガモ由来
因子が母由来因子の影響を上回ると出現する特徴だと考えています。
オナガガモが父の場合、顔下半が淡色化する要素に加えて涙斑も出現する要素が
強く感じられます。一方このような要素はマガモにも存在しますが弱く、母由来の
要素との組み合わせで出現しないことも多いと考えています。
それではなぜヒドリガモ父が与える影響が推測できるのかと申しますと、上の例に
存在しないヨシガモとの雑種にかなり印象の異なる雑種が混じっていることに疑問を
抱き多数のヨシガモとヒドリガモの雑種を外観特徴から大まかに2分することが可能
と考えたのがきっかけです。ヨシガモもヒドリガモも中型のカモで水面表層植物質を
好食する特性からしばしば同所的に観察できます。 しかし両者オスの性質はやや
異なっておりヨシガモ雄が好戦的(他のカモにちょっかいを出す傾向が強い)なのに、
ヒドリガモ雄はやや控えめな印象が強くその結果が観察される雑種個体数に影響
しているのではないかと推測します。ヒドリガモが父ガモとなる雑種は比較的観察
されるヨシガモ(父)×ヒドリガモ(母)よりずっと少なく、他のカモとの組み合わせでは
ほとんど観察例がないのではないでしょうか。
その組み合わせ例が日本のカモ識別図鑑にも掲載され、水面採餌ガモの雑種例
最初のヨシガモ×ヒドリガモ雑種雄3枚画像の最後がそれだと思うものです。
図鑑では表記によって両親種の性にも留意したとも思える部分もありますが、特に
意識的に父母の性が逆転した場合の配慮はされていないものと思います。
この組み合わせでヒドリガモが父親となった場合、喉の白色部が黒くつぶれ、腮から
喉にかけて黒い首輪状黒色部が出現、頬の色は赤紫色を帯びず濃い褐色、下尾筒
サイドのクリーム色斑はほぼ消失する傾向が強いように感じます。それら印象を元に
作成したのが上右側の雄画像です。

wigeonxfalcated
2012年1月 三重県 こちらは頻度が高いヨシガモが父親である雑種(右のカモ)
同様雑種でコガモ父とヒドリガモ母間の雑種の頬が茶色いが個体差でもっと淡色の
個体も存在するだろうと思う。オカヨシガモ雑種はヒドリガモ雌同様顔下半が淡色と
なる傾向が強いが両者同等の影響度のため図鑑掲載の雑種では頭部がやや赤茶
色っぽいオカヨシガモ外観となっているが、頬が淡色化した雑種も存在する。
いずれにせよこれらヒドリガモを母にもつ雑種からアメリカヒドリ及びヒドリガモ雑種の
世代別特徴が推定できると考えています。 それはまた日をあらためます。

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