をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

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インバーター照明の寿命と歯痛

先日部屋のシーリングライトが点灯しなくなったので、蛍光管の寿命かと思って管を交換。
交換直後は点灯していたものの、しばらくするとまた消灯してしまっている。
これは・・・と思って器具を取り外し、基板を点検してみると、やっぱり!

照明器具はタングステン電球に笠だけかぶったもの。グロー球方式で引っ張りヒモ点灯の
蛍光灯器具、グロー球不要のインバーター方式の照明、LED照明へと時代は変化。
電気・光エネルギー変換効率も次第に改善、ランプ寿命も随分と長くなった。
ところが、機器そのものの寿命という点ではかなり古い製品に軍配が上がるように思う。
行政が公的施設に優先的に設置してきたLED照明器具は随分と価格的にもこなれてきて
はいるが、家庭内の照明を全てLEDに切り替えた世帯はどれほどあるのだろう?
家庭用のLED照明で最初に普及したのはタングステン電球タイプのLED照明だったので
流し元灯や玄関、門灯、ガレージ灯までは規格による普及度と価格の関係から徹底され
ずにいる家庭も少なくないのではないだろうか。

我が家の照明器具は流し元灯を含めグロー球方式が3灯、インバーター方式2灯、
浴室、洗面、トイレ、玄関がLED電球を使用している。 今回点灯しなくなったのは洋室用
の照明器具、インバーター方式では4台目となる製品。購入後の経過年数が15年程度。
一般に回路内の電解コンデンサーの寿命による点灯不良が主因なので、10年以上使用
できたのは長く使えた方だが、これを修理に出すと基板交換費用に4500円、出張技術料
で8000円ほどかかるらしいので、迷わずネットで部品調達、個人でコンデンサー交換する
ことに決定。機器にもよるが、300円から600円程度で修理できるので買い替えた蛍光管
も無駄にせずに済む。初期のグロー球方式のトランスにはPCBが使用されているので古い
器具を使用し続けるには限度があるが、コンデンサーさえ交換すれば蘇る照明器具の修理
に元々の購入額を上回る料金がかかるのは不可解でもったいない話。世代として比較的に
新しいインバーター照明の寿命イコール、電解コンデンサーの耐用期間と読み替えてもいい。
それゆえ機器自体の信頼性は高いが維持コストの高いグロー球方式がなくならずにいる。
更新後にはLD照明をネットオークションのLEDシーリングライト、洋室を修理後インバーター
方式にする予定なので、古参のグロー球方式は1灯のみが残存する予定。
※ 訂正線部分 ラピッドスタータ型の安定器に使用されていたものを間違って記憶

母の認知症、遡っては父の病気介護のためフルタイムでの勤務が不可能となって長い。
健康保険も国民年金保険も全額自己負担な上に収入がごく少ない状態で生活するには
かなりの工夫が必要になる。その上、母自身が自分の年金額の月当たりの額が解らず
2ヶ月毎の振込額を1ヶ月で使ってしまうのは相変わらず。 そのため奇数月の家計は
母の年金を、偶数月の家計は私の収入をあてるのが恒常化していて、余裕がない。
例えば散髪代は私が2ヶ月に一度1100円で済ませているのに、母は美容院で2万円。
医療費は母が1割負担、私が3割負担なのに母が月1万5千円、私が3千円と母の出費
が桁違いに多く、おまけに買い物が唯一の楽しみだろうと、あまり注意せずにいると・・・
ダブリ買い、すぐに消費せず腐らせてしまう生鮮食料品を当たり前のように多数買い。
半年ほど前から虫歯が痛んで歯医者に行きたいと思っていたが、診療費が払えないので
痛みを我慢して通院せずにいた。ところが数日前に虫歯の浸食でとうとうアマルガム合金
の歯冠が脱落。仕方なしに歯科医へ行くことにした。すっかり痛みがなくなっていたのに
治療によって痛みが再発、ズキズキ感と共に午後は微熱が出てきた。 これからしばらく
痛みを感じつつ毎回図鑑一冊分くらいの診療費を払い続けることになると思うと頭が痛い。
おまけに母は夜間にサッシ扉を開ける癖があり、真冬でも夜間全開にすることがある。
昨夜も朝方寒気で震えて目が覚めると、自身は毛布にくるまって眠っている。
半月ほど前にもひどい目まいで診察を受けたが、市民検診をうまく利用したので大きな
出費にはならず、また過去の経験から内耳性の目まいは有酸素運動が効果的との判断
ですぐに克服できた。これからもずっと不安は続くと思うと、閉塞感が重くのしかかる。

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woot st改 臨時3-1

前回記事の続編です

【来歴】
フィッティングの実際はもう少し先にして、woot!ツリーの素性について・・・といっても
製品説明にも販売サイトにも生産国や生産工場についての説明はありません。
有名なシューツリーメーカーの製品であっても、最近は中国製が大半を占める傾向が
強くなってきました。中国製品が例外なく品質で劣るということはありませんが、製作
管理が行き届いたブランド管理品と、そうでないものには、明らかに形状や品質に差異
が見られます。特に最近は人気が高くなったレッドシダー製のツリーには粗悪木材に
色づけしたものや、金具が不完全なもの、前足部と踵部のサイズが不一致なもの、
踵の切削が不十分で実サイズより大きい靴にしか入らないもの・・・かなりのバラツキが
あって、画像を見るだけで、粗悪品と判断できるものが2~3千円で販売されています。
4千円付近の価格帯になると、この傾向はぐっと減少しますが、ただ使わないよりマシ
なんて考えていると、靴の型崩れ防止どころか型崩れ促進に励むことになります。
初めに書いたように、シューツリーの素性を知ることは並大抵ではありません。 業界に
勤めている方や製造メーカーに確認をとることが可能な方なら幾分情報量は多いでしょう
けれど、実際どのくらいの個数がどのくらいの価格でどこで生産されたかなどというのは、
それこそ野鳥の越冬地と繁殖地その他生態を標識や追跡手段なしに特定するに等しい
一般に公表されていないことです。
 
 しかし、ある特徴的な外観や素材から多分?というような推定は可能です。

woot-regal
兄弟ツリー この2足は高い確率で同所製造と考えます
右は今回改造したwoot!ツリーですが、左は台湾製のリーガル・ツィストバック・ツリーです。
現行品ではないですが10年少し前まではリーガルで普通に扱われていたものです
このツリーの原形は恐らくメープル材で作られたロチェスター社の形状をゴムの木で
模したものと考えられるからです。ロチェスター社のツリーは軽く、甲の終端が別材で継ぎ
足されたものですが、足裏のくりぬきや曲線がきれいで踵が細めにできています。
台湾製のこのツリーも汎用性が極めて高く、エドワードグリーンのスリッポンには純正より
フィット性が良かったりします。形状はよくロチェスターを模している感じです。 ところが
この後(多分)リーガルの銘板をつけて、woot!ツリー同様に分厚いフックバック部、甲に
3点の小径通気孔、甲下に大径通気孔を装備したアメ色のツリーが販売されていたようで
ロチェスター製と画像の台湾製リーガル・ツリーの踵部には直接ネジ込み式木ネジバック
なのに対して、ツバ付鬼目ナットを介したボルト金具が使用されています。 この特徴は
今回改造したwoot!ナチュラル塗装でなくアメ色塗装バージョン製品と極めて共通点が多い
からなのです。
請け負ったツリーメーカーの主力工場が台湾にあるのか、素材であるゴムの木の加工を
得意とするメーカーが下請けに出しているのかなど、詳細は不明ですが、リーガルとは
縁の深いこのツリーメーカー製と思われるものは、Gilco製の2000年ミレニアム・モデル
のシューツリー2やSaphirのプレートを付けたパーフェクタの香りが漂う木製シューキーパー
サフィール シューツリーブラックエディションもこの木工場製と考えられる。

【シューツリーの楽しみ】
シューツリーには靴のハンガーとしての実用的側面以外に、
1、素材の楽しみ
2、デザインの楽しみ
3、国やメーカーによる考え方の違いを知る楽しみ   なんかがあるように思います。  

デザインの1要素でもある踵部を引き上げるパーツを家具用取っ手と交換することで
普段見慣れたツリーの雰囲気や使い勝手が変わるのでオススメです。
家具用取っ手もツリーの金具もM4のネジが使用されているので、簡単に交換する
ことが可能です。(DASCOの金具は木ネジ直付けでそのままでは交換できません)

例1
2way-back
木製フックバックに加えて補助的にトモエガモ頭部形フックをつけたもの(奥)と今回
作成したwoot!改フックバックに金属ノブを追加したもの(手前)
上の画像ではぶらりと呼ばれるこん棒状の金属取っ手を取りつけている

最初から2種類の踵引き上げ手段を装備した製品が存在する
フックバックの木製フックは履き口の小さなダブルモンクストラップなどの靴に入れた場合
指を入れる部分が狭くなり、上部にノブを併設している方が使い勝手が良い。
またブーツ等で使用した際にも、踵上部に金具があった方が引き抜き易い。
※ 市販のM4鬼目ナットを木製品等に埋め込むことでオリジナル引き抜き具が作成可能
また、土台部分の埋め込みビスは家具取っ手売り場に下半分が木ネジ上半分がM4ネジ
といった特殊ビスが市販されているので、袋ナット等にねじ込んで木部に固定することが
できる 

トモエガモ頭部はヒノキ角材を木工ヤスリのみで削って加工、水彩絵の具で着色後ニスを
上塗りしたもの。下の画像のように帽子の上につけてトモエガモに合いに行ったら警戒して
近寄らなくなってしまた。
baikal-on-cap

例2
wood-ball
東急ハンズのナラ木製30mm径球を取っ手に転用

例3
wood-cone
東急ハンズのナラ木製30mm径円錐上部を切り取り取っ手に転用

例4
wood-knob
市販の木製引き出し取っ手WAKI産業製

例5
ceramic-ball
市販のセラミックボールつまみ 東急ハンズ

例6
plastic-knob
透明樹脂製つまみ Seria100円ショップ

例7
black-ring
金属リングの色違い ネット入手

例8
metal-golden-knob
金色金属ノブに変更 ネット入手

・・・どうでしょう!結構雰囲気が変わるでしょう。どれも200円程度までで入手できます。

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woot st改 臨時3

随分更新の期間が空いてしまいました。
母の状態はますますピント外れの方向に向いても、良くなることはなく、攻撃的な面は変わらず。
カモ観察も続けてはいるが、ほとんど徒歩圏内だけなので、あまり変わり映えせず。

以前にも書きましたが、私が革靴と出合ったのは、ほぼ社会人になってからのことでしたので、
多くの方より、その経験年数は少ないのではないかと思います。しかし、一度革靴を履くように
なり、クラークスのデザートブーツをきっかけに英国靴に興味を持って以降、その製法や機能に
とても興味を抱くようになりました。 また、マラソンで一時期ランニングシューズを酷使したこと
からその耐久性と健康との関連性にも興味が広がりました。その結果、靴を良好な状態に保持
するための道具、ひいては健康をも左右する脇役的道具であるシューツリーにも魅力を感じた
ので、経済的状況から高級靴に手を出せないでいる現在も、理想のシューツリーとはどんな物
なのかという探究心を持ち続けています。

本日の話題は以前記事にした2種類のツリーのいいとこ取りで合成パーツツリーを作成すると
いった内容に続く、個人的ツリー改造第5弾、woot!製ツリーの改造に関し記事を作成しました。
多くのツリーは靴ブランドが靴木型メーカーに依頼して作成されたOEM製品もしくは、靴木型
メーカーが自社ブランドで世に出している製品が殆どです。woot!は結婚式の引き出物等を
企画・販売しているブランドのツリーですので、製品の仕上げや包装はとても綺麗なのですが
本来追求すべき靴の元来の形を保持するという機能に欠けている部分が見受けられます。

woot1.
woot!製シューツリーの側面画像
踵周辺からアキレス腱にかけてのラインがあまりに直線的で直角に見える。
人間の足は少なくとも、こんなに直線的部分からは構成されていないので、画像上の左足に
削って修正すべき輪郭を書き入れている。
踵方向から見た踵断面も直方体に近く、台形状に見える多くのツリーから判断すると不出来。
適合サイズは25cm~28cmとなっており、ツィスト・バックつまり踵部を捻って回転させると長さ
調整ができる。これは前足部に固定されたボルトが踵部に埋め込まれたツバ付鬼目ナットを
前後動させる機能によっている。ただ、サイズは前後長だけで決まるものではなく、足幅等や
甲の高さ、底面形状に大きく左右される。上で述べた踵の形状を改善するだけで、ハーフサイズ
下の靴にも適合するようになるのです。また一般的に靴というのはインサイド・ストレートな上に
アウトサイド・カーブが基本形状で親指側はむしろ内向きにカーブし、小指側は大きく前後に弧を
描く形状をしていますが、このツリーはほぼ左右対称の楕円形状です。従ってこのツリーを切削
修正しても親指側側面に除去できないシワができてしまうことが予想されます。また、足長に
比べて足幅が狭い設計なので甲のシワを取る機能に期待できません。
そこで私がイメージした改善ポイントは以下の通り。

1.無駄に分厚い踵部のフックを半分程度の厚みにする。
2・踵回りを重点的に曲線構成となるよう切削、甲の厚みも低減する。
3・実測長24.5cm程度の自身の足に合わせ、サイズ調整のない蝶番接続とする。
4.幅、つまり横方向へのテンションが不足するため、サイド・スプリット仕様に変更。
5・前足部底面のくりぬきを拡張し、滑らかに足底がなじむようにする。

woot2
出来上がったwoot!改シューツリー、上の写真と違い天井バウンス撮影でなく
画用紙反射クリップオン撮影なので影が濃く、全体に暗い印象に写っている。
追加で購入したのは蝶番、サイド・スプリット用ネジ、合計200円ほどとスプレータイプのニスが
800円ほどなので大体1,000円ほどの改造費です。工具は中学時代に購入したもの、部品の
スプリングは他のシューツリー分解で不要になったものを流用しました。

woot3
woot!の銘板は元々光沢のある金色ですが、蝶番の色に近似するように
ニスの重ね塗りで意図的にサンドペーパーでの研磨を省略し梨地仕上げとしました。

woot4
サイド・スプリットの固定・駆動機構はハルトマン・パーフェクタ・ダスコの折衷仕様の小指側に
二つ目、親指側にテンション調整・固定軸用穴のない仕様(ダスコ似)にしましたが、穴の位置は
オリジナル仕様です。

woot5
2本の固定兼幅調整ネジはコーススレッド半ネジタイプ、ネジ山部分が少ないタイプを2本ずつ
使用。一旦限界近くまで木部にねじ込んだあと、先端部をカットして長さ調整し頭径も削りました。

woot6
製品の初期の底面くりぬきは左右で不斉だったため、切削拡張して辺縁を滑らかに削る。

woot7
これは左足ツリーですが、鬼目ヤスリが右足切削時行方不明でしたので、母がベランダに放置
していたヤスリを見つけ出してからは、思い通りの甲の曲線が出せました。

woot8
欲を言えばもう少し上部を台形状に削り出すべきですが、概ねきれいに踵曲線が出せました。
多くの外国製ツリーは左右の立ち上がり角度が違います。

woot9
爪先から見た甲の立ち上がりとサイド・スプリットの開きです。
トゥの形状に沿うよう水平でなく甲の傾斜に沿って開く様、軸の遊びとスプリングの格納位置を
調整しています。

実際に種々の革靴等に入れてフィット性を検証してみました。
予想通り、土ふまず内足側にシワができる靴も数点ありましたが、爪先や踵形状の異なる
ニ十数足の靴でベストフィットの結果となりました。普段使用している純正ツリーを上回る
フィット感を呈し、John Lobbからカジュアルシューズまで良く適合しました。
トップラインが開いたり、妙なシワが発生するものは3足を除いてなく、考えてみれば自分が
選んだ靴に入れているのだから、当然の結果かという気もします。詳細は後日報告予定。
つづきで部品を流用したHARTMANN製ツリーのサイズダウン改造へ

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ウルトラ級変身

本日の話題は靴関連記事に戻って、シューツリーのはなし

革靴マニアたちの間ではしばしば高級ブランド靴や素材である皮のなめし技術や
その業者タンナーのことはよく話題にのぼりますが、洋服ならばハンガーとの関係
にあるシューツリーの歴史や用途に正確に踏み込んだものを知りません。
もっとも、私が知らないだけで、この分野では多数のMOOKが出版されたりしている
ので、どこかにその記事は存在するかも知れません。
良く知られた話題では帰宅後、靴を脱いでどのタイミングでシューツリーを入れるか
というものがありますが、私はどちらも大して違わないと思います。 どちらというの
は帰宅後に脱いだらすぐ入れる派と一晩程度そのままにして、一定時間経過挿入
する派です。この問題についてはあとで触れます。

jm-displayfiller
先日ひょんなことから、安価で入手に成功したディスプレイ・フィラー。エンブレムが
愛用靴のジョンストン・マーフィーだったので譲っていただきました。 どのような経路
で私の手元に来たか不明ですが、見た途端、これは使える!と直感しました。

10数年靴もシューツリーも購入していないので、最近の事情はよくわかりませんが
レッド・シダー(アメリカ芳香杉)材の中国生産ツリーが普及して、かつては高級品で
1万円ほど、廉価品でも2千円近くしていたものが、どれもブランドさえ拘らなければ
2千円ほどで入手できるようになっています。靴の世界でも山陽山長、宮城興業に
インドネシア産ジャラン・スリワヤが有名になっていて、かつてのスペイン産靴製品の
台頭を彷彿とさせます。リーガルのフラッグシップもジョンストン・マーフィー国産品の
製造からシェトランド・フォックスに移行して随分様変わり、10年ひと昔の様相です。

ところでディスプレイ・フィラーというのはシューツリーの一種ですが、小売店や販売
促進目的で特別につくられた、展示用製品です。そのため、靴の中に隠れて見え
ない前足部分はたいてい黒いEVAという柔らかな素材で置き換えられ、人目に触れ
豪華さを印象付ける踵部分はブランドのエンブレムがつけられ、ローズウッドのような
塗りが施されているものが多いです。今回、見つけたものはアメリカの有名な製靴
ブランド、アレン・エドモンズ傘下、ウッドロア製と考えられるものです。
アメリカで著名なシューツリーメーカーは他にオールデンのシューツリーなどを製造
しているロチェスターなどがあります。レッド・シダー材でシューツリーを製造している
メーカーは他にもありますが、ウッドロア、ロチェスターは2大ブランドと言えるでしょう。

rochester
ロチェスター社のシューツリーです
ハンドル部分(かかとの部分)がフックバックといって鉤状になっているものと、棒状の
ものがあって、棒状のものがやや廉価な分、かかとの型崩れの懸念があるように言わ
れる場合もあるが、かかとにしっかりと半月芯が入ったグッドイヤー製法の靴ならまず
その心配はない。仮にカーフを使用した国産マッケイ製法の柔らかな靴でも特に大きな
ダメージは出ないはず。気になるようならハンドル後端に厚革やゴム板をあてがえば、
それで事足りる。シューツリーは高い製品ほど高品質というわけではない。
ロチェスター社の製品はウッドロア社のものより真鍮製金属チューブの口径が太く約
12mmほどある。また、前足部のチューブ取り付け金属板が閉じた状態で後方にせり
出す傾向が強い。更にそのブランドを誇示する刻印がチューブに見られる。

rochester-engrave
ロチェスター社のシューツリーには明瞭な刻印がある
ROCHESTER SHOE TREE CO.
ASHLAND. NH. USA.       ・・・の刻印が見える

さて、今回入手したディスプレイ・フィラーはウッドロア製だと書きました
実はこのウッドロア製のシューツリーパーツ、かかと部は各サイズ共通です。
また、マーケンや中国で生産される多くのツリーと互換パーツとなっています。
そこで、入手したものがLサイズであっても、マーケン製のSサイズ前足部と付け替え
すれば、Sサイズの実用シューツリーが出来上がるのです。
jm-part-exchange
ご覧のようにノーブランドの廉価版樺材シューツリーが付け替えられます。
写真撮影用に意図的にハンドル部は左右逆にとりつけています。
写真からもハンドル部の大きさはサイズに関係なく同じ大きさというのがわかります。

廉価版シューツリーで容易に部品変更が可能ということが判明したので・・・
実際にレッドシダー材のシューツリーとパーツ交換します。
cedertree-part-off1
使用したのはアメリカ、P&M Cedar Products, Inc.のCEDAR PRO II
前足部分を固定してかかと部のハンドルを左右どちらかに90度捻ると簡単に外れます

cedertree-parat-off2
前足部とハンドルが分離したシューツリー、前足部の金属板が上下にずれています

jm-pin-off1
今度はディスプレイ・フィラーの分解です。
前足部側面の穴に細いプラスドライバーを差し込むと、簡単に固定軸が外せます

jm-pin-off2
固定用の木軸が外れて、前足部とハンドルが分離しました

jm-synthepart1
ディスプレイ・フィラーのハンドル部をシダーツリーの前足部に逆手順で捻って取り付け
完成したのがこちら。私のSサイズ専用ツリー豪華版が1足完成しました。
ちなみに、このタイプの正規品はウルトラ・シューツリーという製品名で実在しており、
ヨーロピアンタイプのツインチューブ式ツリー、エピック・ツインチューブより高価で販売
されています。製品版のウルトラ・シューツリーのかかと部はレッドシダー製ですが、
ブランドプレート入り、ローズウッド調ツリーが安価にできたわけです。

面白いことに、ツリーのパーツは大半が互換性があるため、各メーカーが自社デザインに
固執せずいろんな製品を展開しています。ただ、アメリカ製シングルチューブ・ツリーに
由来するパーツはかかと部分のサイズが共通、ヨーロピアンデザインのサイドスプリット
タイプ製品は前足部が共通部品であることが多く、ヨーロピアンデザインのものはかかと部
パーツを後方に延長することでワンサイズ大きくしたものが見られます。ただ、どの製品も
サイズに応じてパーツの大きさを変える必要のあるものもあり、全サイズ共通のツリーなる
ものはつくれないことはないですが、とても稀です。
ネットオークションサイトでは、これとよく似た、ブルックス・ブラザースのディスプレイ・フィラー
が出品されているのを見ます。よくは似ていますが、こちらはかかと部の形状底部がフラット
なのでロチェスター社製のようです。同じように、ロチェスター製ツリーとパーツ交換できます
が、元のツリーの価格が高目なので改造する意味がやや薄れそうそうです。

john-lobb-scott
完成したツリーを装着状況がわかりやすいように、シュータン(ベロ)のないギリーシューズ
に挿入してみました。 ジョンロブのscottです。
なかなかいい感じにどんな靴でもフィットしてくれます。
明日は続きで、シューツリーのいろいろと用途について触れます。

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剥がせソール

例年になく朝夕が涼しくなった9月ですね。
9月はまた鳥の話題に戻る予定でしたが、なかなか外出が難しく叶いません。

そこで、また古い靴いじりの内容です。

cap-toe1
伊製、ピノジャルディーニ セメント製法かインジェクション製法かは不明
履き口とステッチの継ぎ目にポリウレタンの縁取りがあったが劣化でボロボロになり
スエードブラシで完全に剥がしたのが左側。右はそれをコバインキで補修したもの。

cap-toe2
縁取りをコバインキで塗って再生したキャップ・トゥ。
右から黒い一般的なキャップ・トゥ、こちらは一般用途では最もフォーマルな装いに
英製アルフレッド・サージェント
次に茶色のメダリオン(穴飾り)があるキャップ・トゥ。随分カジュアルになったが、
このくらいだとビジネス用途でも使用できるだろう。スペイン製ヤンコ
外羽よりフォーマルな雰囲気が強い内羽でも素材・色・靴底等のデザインにより
かなりカジュアル感が強くなる。

以前経年劣化記事で紹介、オールソール交換に出す予定の黒のスェードローファー
底の生ゴムクレープを剥がしてみた
crepe-sole1
剥がしたクレープソールの内側(左)、上半分が黒いのはミッドソールが一緒に剥がれ
てしまっているため。右側画像の黄色いかかと側のパーツがミッドソール。
土踏まずに載せてあるのは折れて分解したウッドシャンク。 インソールとミッドソールの
前足部分に充填された練りコルクもボロボロになっている。 これはある程度内部の清掃
をしたあとの画像だが、小石が貫通したその日、干潟でハマシギがテグスに絡まった為
泥干潟にこの靴で入ったものだから、内部は真黒の細かく黒い土埃で一杯。

crepe-sole2
ダメージの程度を確認すべく、出し縫い糸を残したままミッドソールを取り除いた画像
練りコルクもほぼ取り除き、埃を払い、ウッドシャンクも元位置に置いてみた。
ミッドソールにコルク充填、ウェルトは大丈夫そうだがオールソール交換で1.5万円
程度はかかる重症例になる模様。

crepe-sole3
次に剥がしにかかったのは、クラークスのナタリー。
クレープソールがまるでランニングシューズのようにつま先とかかとに回り込んでいる。
かかと側から指で剥がしだして、踵周辺の分厚い部分以外は簡単に剥がせた。
ただ踵付近はくさび状に厚さを増すクレープのウェッジソールが内包されていたので
溶剤(シンナー)をブラシで塗布しながら徐々に剥がした。

crepe-sole4
この靴のクレープ底は丸みを帯びた3次元構造になるよう厚みの異なる複数枚の
クレープゴム板が使用され、立体感を出すため外側3mm厚のクレープにしろ中に
包まれたウェッジソールにしても厚みが場所によって異なる。特に踵後ろ側中央は
厚く、その他は周辺部で薄く熱加圧等でアッパーに接着されているようだ。
アウトソール形状にカットされたゴム板は2mm厚。踵が9mmで踏まずにかけて
厚みが薄くなるゴム板はサイドが丸く角を落とされている。
3mm厚のクレープ板が入手できれば、踵に3枚のクレープ板を重ねた外付け踵
仕様でミッドソールゴムを挟んで自己リペアできそう。
ただ、多くの靴修理屋さんが修理を断ったり、つま先とかかと後ろ側パーツを別な
素材で形成、平面ソールで仕上げるのが一般的なため、素人修理は手強い。

crepe-sole5
踵から踏まずにかけてのウェッジ状ゴム板クレープゴムは3層構造。
これは英国製の次に出たアイルランド製だが、現在はほぼ中国製がすべて。
使用部材は製造時期によりやや異なる気がする。
デザートブーツが大のお気に入りだったので、購入したが靴底が丸くて独特の
歩行感覚。よって底材取り付け時には丸みを素直に取り除く予定。

crepe-sole10
最後に取り掛かったのが、クロケット&ジョーンズのチャッカブーツ。
茶のスェード素材なので、修理すれば秋に履くのに向いている。
前足部のコバ部分を指でめくりながら、マイナスドライバーを差し込んで剥がしの
開始点を見極める。今回はつま先外側から開始、3足目ともなるとものの3分程で
片側のアウトソール剥がし完了。

crepe-sole11
マイナスドライバーやヘラである程度剥がれたら、一気に剥がす。

crepe-sole6
最も摩耗の激しい前足中央部は根元を指で押さえながらゆっくり剥がしていく。
一気に剥がすと簡単に破れてちぎれてしまう。

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きれいにアウトソールの剥がれたチャッカブーツ

crepe-sole8
剥がしたアウトソールの表と裏

crepe-sole9
靴屋さんのような専用機材や業務用接着剤はもっていないが、クレープソールの張り替え
くらいまでなら自己リペア出来そうだと感じている。

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