をかしの庭

なにげない日常の中にも、心ときめく現象や出会いがあります。 遠くに出かけずとも、内面に大きく語りかける身近な映像、そんな写真がお届けできれば良いのですが…。

大阪湾岸ミミ注意報

昨シーズンコミミズクが大挙して河川敷で長く観察された大阪。
そんな大阪でこの冬はこれまで観察機会が非常に稀だったミミカイツブリの観察が
あいついでいる。少なくとも3個体が大阪市・堺市で目撃され、状況からもっと多くの
個体が大阪湾内に滞在している可能性がある。
話題の鳥ということで見に来られるのもいいが、長く滞在するでしょうからお近くの
ハジロカイツブリが見られる場所でじっくり混じっていないか観察してみてほしい。

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ハジロカイツブリとミミカイツブリ 12月9日 ミミカイツブリはB個体
違いはいろいろありますが、顔の白黒がくっきりと目の高さで分かれて見えるのが
ミミカイツブリです。嘴の形状や先端の鋭さ、頭部形状も違いますし、前頸の黒さも
異なります。

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ミミカイツブリA個体 第1回冬羽 内湾部

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ミミカイツブリB個体 成鳥冬羽 河口付近

A個体は第1回冬羽の若い個体と推定していたが、下に示す水上滑走画像により
その事実が裏付けられた。

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成鳥には小雨覆にも白色部があるが、幼鳥にはほぼ次列風切のみが白い。
ハジロカイツブリでは初列風切の中ほどまで白色部が及ぶが、ミミではほぼ次列風切のみ。
第1回冬羽で徐々に小雨覆の白色部が明瞭化すると思われ、画像でもやや白い。
また、ハジロカイツブリでは成鳥であっても小雨覆の白色部は見られない。

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浮上してしばらく小魚の飲み込みを行うA個体

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入水直前のA個体
足の水かきの角度は潜水ガモの尾羽が水面を後方に押さえつけるのと同角度
このような事実からカイツブリ類は後方に長く伸びた足が水中の推進力及び
飛翔時の尾羽の役割を兼ねていることが明らかだと思われる。

これ以外にカイツブリ類は冬季でも夏羽を残した個体がしばしば観察される。
都市部で生活するようになった野鳥では本来の繁殖シーズンを外れて繁殖する
事例が少なくない。繁殖時の羽衣つまり夏羽は、このような現実から考えると
夏季のみにに見られるのではなく、繁殖のタイミングと密接な関係にあり、
夏の羽を想起する夏羽という表現は誤解されやすい。
事実サギやウの夏羽は夏より冬に近い春に纏われることが多いので、ほぼ冬羽
へと移行したサギの羽を見て幼鳥と判断されてしまった事例が少なくない。

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Mongolian Gull

先日アメリカヒドリ雌の確認に行った際の画像

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ユリカモメ第2回冬羽と並ぶモンゴルセグロカモメ(キアシセグロカモメ)第1回冬羽後期

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飛び立つモンゴルセグロカモメ(キアシセグロカモメ)第1回冬羽後期 11月10日
初列風切黒色部が7~8枚黒い、ほぼ初列風切が換羽済みであること。
加えて尾羽の黒帯が狭く、両外側尾羽基部に斑がないことを満たしていました。
同じ頭部が白いのでも、タイミル等ホイグリン系統のカモメの換羽が遅く白いのと
モンゴルの早くて白いのとでは正反対です。カモで言うならオカヨシガモとシマアジ
くらいの換羽進行度の差があることを知らないといけません。

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ウミネコとモンゴルセグロカモメ(キアシセグロカモメ)第2回冬羽 11月7日

カモメを見る方たちを川べりで見かけることが増えてきました。
そろそろ絵合わせの鳥見から換羽・羽の外観特徴を元に絵と絵の中間の状態や
鳥体各部の特徴から推理・考える鳥見に移行しませんか?
丸々イラストそっくりの鳥や写真と瓜二つの鳥はそうそういませんよ! 
考えて、閃く・・・この思考の繰り返しが鳥見をより楽しくしてくれると思いますけど・・・。

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似てるぅ! 8

200903
2009年3月中旬、堺市 ヒドリガモ雄化雌

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2015年5月16日 泉大津市 推定トウネン雄化雌

この個体はこの春の干潟で赤いトウネンとして大きな関心を寄せた個体。
私はこの個体が近くで撮影できたのは、この日が初めてだったが4月末より
この個体の飛来を確認しており、飛来当初より赤味が際立っていたのを知る。

まず、トウネンを含めオバシギ属のシギには一定の雌雄差があって、大抵は
雌がやや大きく、嘴もやや大きめ。サルハマシギでは顕著な色味の濃淡と
嘴の形状の違いが認められ、このような特徴は多かれ少なかれ、この属の
シギには認められると考えている。この赤いトウネンもやや大きな体つきに
加え、後頭部、肩羽の一部に白い羽縁が認められる。何よりこの羽縁淡色は
雌を示すものとして、カモ、シギ関わらず外見上の特徴と考える。
赤褐色の羽は雄繁殖羽に特徴的なものであり、トウネンの第1回夏羽でも
雄にいち早く出現するものと認識するが、このような雄の特徴が雌を示す羽縁
淡色と腹部にある黒斑と混在しているところに、雄化を強く疑う。 雌の雄化は
カモに限ったことではないと認識してもらいたい。

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灰色夏モズの正体

モズは大阪府の鳥でもあり堺市の鳥でもある。
鳥を観察し始めた当初、飛来・求愛・営巣を3年間に渡って観察した
身近な鳥でもあったのです。
また、過去に大泉緑地のモズ調査が山岸哲氏の著作「モズの嫁入り」と
して公表され、大阪市立大学の高木氏はモズ類研究で知られる。そんな
モズに所縁の深い、堺市の平地でモズを見てきて思うことがある。

夏に見ることがあり、褐色のモズと時季を違えて遅くに繁殖するモズは
一体何モズなのだろうかということ。
多くの方は、それは「高原モズ」と言って、退色・摩耗したモズの夏羽に
起因するもので、高原でよく観察されることからその名があるらしいが、
2月頃から繁殖に入ったモズが、初回の繁殖を平地で済ませ2回目以降
高地や北方に移動して繁殖するのだという推定に基ずくものとする。
過去の野鳥雑誌やバードリサーチ生態図鑑のモズを担当した前述高木氏
の解説にもそのような記述が見られる。
モズは  英名 Bull-headed Shrike 学名 Lanius bucephalus ラニウス
ブケパルス
国内で確認されているモズ類は他にアカモズ、亜種シマアカモズ、チゴモズ、
オオモズ、オオカラモズ、タカサゴモズ、セアカモズ、モウコアカモズ・・・等が
いるようですが、大阪で観察できるのはほぼモズの基亜種 L.b.bucephalus
のみで、シマアカモズを一度観察したのみです。
高木氏はモズ類の説明で、大形のモズは性的二型が不明瞭、対して小形のモズ
つまりは日本在来の普通のモズ等は性的二型が明瞭であると指摘しています。
(雑誌 Birder 2013年12月号「モズ類の新しい見どころ、教えます」)
確かに性的二型は明瞭な部類ですが、初列風切の白斑がオスであることの確定
要素などと考えていると、大間違いです。メスにもこの白斑を小さいながら持つのは
結構いて、一部の図鑑では雨覆にバフ斑がないメス成鳥をオス第1回冬羽などと
しているものも見受けます。 同様に、アカモズやセアカモズ等通例はこの白斑が
見られない種に小さな白斑が見られることもあります。 モズ類はスズメ目の鳥に
あって異例とも言える雑種の多い仲間であるのではないでしょうか。

過去の観察から幾度も現れては消えて行った、雑種に起源をもつ別グループの
侵入説は成り立たないのか?といった思いが今回も強くなった。  それは、また
フィールドガイドにある高野氏のモズ類のレイアウト画像から。
灰色味を帯びたモズが通常モズの隣に描かれていて、下段に描かれているオス
シマアカモズとちょうど中間の姿形に描かれている。嘴の嘴峰、嘴底がやや丸味
を帯び、先端のカギ状部が控えめ、目先の黒色部が太い過眼線、薄い眉斑を
特徴とするシマアカモズとの中間の形態に描かれていて、夏場に見る灰色モズ
の特徴をよく捉えている、初列風切の白斑が小さめなのもよく一致する。
要するに、単に摩耗・退色した羽衣が灰色となったという違い以上の多くの相違
が認められるのに、「高原モズ」として片づけてしまうのは少し乱暴ではないか?

早春に大阪付近で繁殖したモズは次第に高地伝いに北海道付近辺りまで北上、
北海道で夏場に繁殖しているモズは頭部がさほど灰色になっていないのでは
ないか?これが移動したモズ達の姿ではないか?
では、大阪の平地ではごくわずか、高原で目撃される灰色のモズは何か?と
いうと、大阪で早春に繁殖したモズ達に代わって、南方あるいは、それらとの
間に生まれた雑種系統の一群で、幼羽も冬羽も新羽の時点でほとんど灰色の
羽衣を持ったグループの可能性が高い。この系統は現在も北上を続けていて、
20年もすれば、夏に灰色の羽衣のモズが平地で繁殖することが稀ではなくなる
そんな気がするのです。少なくとも過去に観察した夏のモズは灰色味が極めて
強く、多少なりともシマアカモズの雰囲気を持っていたし、摩耗でなく換羽直後の
羽が既に灰色の羽であるというのが、摩耗退色説を否定したい要因です。
ただ、この説を強硬に主張するほど、夏モズの観察・特に繁殖後継続観察例は
少ないのですが、最近の目撃例を元に推理してみました。

「シマアカモズの繁殖について」 鳥25(99)1976 今村京一郎 著
モズの北方域でオスが多い傾向は過去の唐沢氏や最近のバードリサーチの
調査で判明しています。カモ類でも分布に性差がありますが、この分布の疎密
それに温暖化や雑種系統の侵入が原因とは考えられないでしょうか? 
かつてメジロガモがアカハジロと交雑していることがしばらく気づかれなかった
(一部、現在でも)ように、実際は交雑を介した北上が既に現実となっている?
のでは。
でも、専門家が指摘していないことですから、根拠は希薄と言わざるをえません。

【夏モズ=高原モズ、モズが摩耗退色して灰色になったを証拠づけるには】
早春に繁殖してゴールデンウィーク頃にはいなくなってしまうモズが高原に移動
第2回目の繁殖をしたという確実な記録が必要。 標識調査によって北海道で
繁殖した個体が九州に移動したこと、長野県野辺山で夏に標識した雄が翌年
夏に徳島県鳴門市で捕獲、兵庫県姫路市で秋に標識した雌が翌年夏に長野
県野辺山で捕獲されている記録がある(雑誌Birder2005年10月号)が何れも
直接的に異なる2点で移動後繁殖した事例ではない。1991年から2004年に
かけて600羽以上のモズに個体識別用カラーリングをつけて放鳥した今西氏
(当時山階鳥研研究生)はその雑誌のなかで、雌の事例はこの高地移動繁殖
を裏付ける可能性があるとしているが、報告文中終盤で「きままな途中下車繁
殖」をすると書いていることが単に年度を変えて「途中下車繁殖しただけ」結果
ともとれる。つまりは、これまでどのような標識個体報告でも、早春に茶色い頭
で繁殖した雄が高原に移動して灰色頭状態で再度繁殖したという直接観察記録
は存在しない。また、高地繁殖後の冬羽への換羽により、移動前に褐色頭部の
モズが目撃されないのは不自然な事と思う。

【早春に繁殖するモズと夏に繁殖する本州のモズは別グループ?】
これを裏付ける証拠は上に挙げた、北海道で繁殖した個体が九州に移動して
越冬した事実。夏に北海道を訪問してモズを観察した例は2000年台初めに
経験しているが5月から8月に出合ったモズは何れも灰色の頭部ではなく、
茶色の頭部をしていた。これは、摩耗によって夏羽が灰色に変わるという摩耗
退色説を否定できる要素ではないか?上に挙げた雑誌表紙の雄モズは5月に
北海道石狩市で撮影されたものであるが、嘴は繁殖期を示す上下真黒だが
頭部は極めて茶色味が強く、目先の過眼線も黒い。これは5月以降大阪周辺
で観察される雄モズと明らかに異なる。
私は夏季の雄モズは明らかに外観の異なるグループとしているが、雌モズに
関しては在来のモズである可能性を否定しない。それは上で述べた雌雄分布
に差があるからで、隣接する南方域の亜種あるいは交雑グループの雄が北上
本州付近で交雑帯を形成しているのではないかと思えること。そのため平地の
モズも高原のモズも南方から北上してきた夏鳥であるモズの集団(灰色モズ)
ではないだろうかということになります。
あと一点挙げるとすれば、早春に繁殖して嘴の色が繁殖モードの黒になった
雄が何のためわざわざ移動や縄張り獲得コストをかけて再繁殖する必要が
あるのかということ。やはり早春のモズと夏のモズは異なる別グループと判断
した方が考えやすい。 モズは年2回の換羽ではなく、幼羽からの換羽も成鳥
冬羽への換羽も夏に行われることが知られている。嘴形状と色、大きさと翼の
白斑有無、尾羽外側の白色度、過眼線の目先側の広さと濃さは種や相違を
知るために必須の確認ポイントでしょう。

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矢サギ

母の勘違いや理解不足からくる暴言がひどくなってきた。
私自身は食事の世話や洗濯物等、必要な際は自分で行っていると思っているが
母の頭の中は未だに自分が世話していると思っているらしくて、期限切れの食材を
使ったとんでもない味の料理を強要したり、バスタオルや下着は黙っていれば半月
は洗濯しないなど、とても頼りにできる状態ではない。 それでも、洗濯や料理や
買い物をしてもらうのは、日常の作業を制限しないためでもあり、本人の意思を尊重
しているためだ。口座の管理は仕方なく私がしており、買い物や医療費等必要な時
にその都度手渡している。 その通帳を最近見た母はATMという費目で大金を無駄
使いしていると、文句を言いだした。
年金にしろ、給料にしろ口座に振り込まれるので、必要に応じて引き出して現金を
手にしなければ使えないので、それが通帳にはATMと記載されるのは常識だし、
誰でもわかる事だが、母にはこれが理解できない。10分前に苦労して説明して一旦
わかったことも、10分経ったらまたおかしいと騒ぎだす。日常はこれらの繰り返し。
要するに、認知症というのはパソコンでいうデスクトップ作業の一時メモリーに支障が
あって、ハードディスクには問題がない状態。CPUやメインメモリーに問題があるので
直近の記憶や判断・決定に問題があっても、一定時間以上過去の記憶はほとんど
問題なく再現できる。都合良くそういう場面に遭遇しなければ、他人には認知症だと
いう理解がまずできない。ところが、認知症というと程度の差が大きいのに徘徊や
異物食などがクローズアップされすぎて、恍惚の人のみが認知症であるといった認識
をする方が今でも結構多い。

関係ない話が続いたが、大分県で目撃されたシラサギのはなし。
ニュースで見る限り、チュウサギで問題ないようだが、どれも一律にシラサギに矢が
刺さったまま飛んでいるという。画像からは矢羽根のない矢が腹側から背にかけて
貫通している。状況から大量の出血はないようなので、血管や致命傷となるような
臓器損傷はないと考えられるので、有効で安全な捕獲法が見つからないのなら無理
に保護しないのもひとつの選択かと思う。釣り具で傷ついた野鳥や人間が傷つけた
野鳥と出くわすことが、しばしばあるが、迅速で安全な捕獲法が確立されていないのは
ある種の不思議。 野性動物を傷つけないことも、傷ついた野性動物を本能による逃避
から優しく保護することも人間に課せられたひとつのテーマだと思う。
同時に矢ガモ、矢サギ・・・残忍な犯人もさることながら、種を特定しないで報道すると
いった姿勢はマスコミに根強く存在するもので、人間なら身元特定は必須でしょうから
一種の差別に該当するのではないでしょうか。

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